ケンチク探訪♪ 03-2『俵屋「竹泉の間」。』
ゆうです^^
「俵屋」宿泊記その2です。
到着と同時に出してもらえる「わらび餅」。
本わらび粉を使った透明でない本物のわらび餅。
俵屋来訪は実は今回が2回目。
前回訪れたのは1年半前で
「三十路の誕生日記念」+「一級建築士の試験お疲れ様ご褒美」として、
初めて俵屋に訪れたのでした。
そのときは、
「次に俵屋に来れるのは、10年後か20年後か、、」
なんて話をしていましたが、予想に反してすぐの来訪となりました。
やっぱり素晴らしいものは掛け替えのきかないものですね。
前回11月に来た際の坪庭。
椿がシンプルに活けられていた。
あまりの簡素さに身が引き締まったのを思い出す。
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さて、
廊下からいよいよ室内へ。
前回泊まった「竹泉の間」を今回も選んだ。
庭と部屋がセットで現実から閉ざされたような空間。
別の世界に来たような感覚があった。
初めてこの部屋に来たときに、
「とても緊張した空間だ」
と感じた。
緊張とは決して悪い意味ではなく、
むしろ、
「緊張」と「落ち着き」
は対義語のようで同義語なのかもしれないと思うほど、
緊張していて落ち着ける空間だった。
澱がろ過されるような、
日常的な思考がなくなり「心が整う」といった感じか。
8帖+次の間4帖ほどの室内が二人でゆっくり過ごすにはとてもちょうど良い。
次の間の文机。
「椅子」があるとそこは「居場所」になるということを教えられる。
ちょうど7月は相方の誕生月で素敵な「くす玉」を頂いた。
過不足ない設えが良い意味での緊張感を生む。
とても華奢な「雪見障子」。
張り詰めた設計。いかに攻められた空間かが伝わる。
閉ざされた庭。現実世界から切り取られたよう。
鉄筋コンクリート造のおかげか騒がしい京都の中心部にあっても
室内は驚くほど静かで音がない。
漆塗りの肘掛。手触りがとても良くずっとさわっていられる。
漆には吸湿性があるらしく、プラスチックなどとは違い、
手を滑らせてもつっぱらず、柔らかく、とても手になじむ。
漆塗りされた襖戸の框。手に優しく、そしてとても細い。
木肌が残された面側柱(めんかわばしら)。
建具の鴨居が曲面にもきれいに納められている。
ガラス戸と障子の間にはカーテンが収められていて、
すべてを閉めることで断熱性を上げる工夫がさりげなくなされている。
テイクフリーのアメニティーに浮かれる相方。
高野槙(こうやまき)の浴槽。
柔らかく温かい。
フタを開けるとすでに適温の湯がいっぱいに張られていた。
京都には「洗い屋」と呼ばれる職人さんがいるらしく、
普段の洗浄では落ちない汚れを
数年に一度、専門的な方法で洗い、きれいに仕上げなおしているそう。
「洗い屋」のくだりはこちらの本より。
なんと作者は「村松」さん。ちょっと嬉しい。
夕飯も素敵でした。
食の詳しい話は相方が後日ブログで書いてくれる(はず)。
俵屋の布団は厚い。
女将こだわりの材料で作った寝具。
食後に次の間でほうじ茶と甘味を頂いている間に仲居さんが準備してくれる。
浴衣のほかにパジャマも用意してあるのが寒がりの僕にとってはとても嬉しかった。
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朝を愉しむため夜は早めに寝て、早朝5時に起床。
電気をつけずゆっくりと時間の移ろいを愉しんだ。
俵屋特製「シェスタマット」。
うたた寝するにはちょうど良い感じ。
木漏れ日がとても良い雰囲気。
今回もとても素敵な時間を過ごすことができました。
ありがとうございます。
ーーーーおまけ。
竹泉の間の平面スケッチ。