【秘訣】集成材やヒノキ床材の経年変化。
ゆうです^^
新しい机を準備している際に集成材の経年変化の様子をみつけることが出来ました。
また、先日訪れたお宅でヒノキの床材の経年変化も見ることが出来ました。
机の天板に使用している松の集成材の板。
日に当たっていた部分(左 )と日に当たっていなかった部分(右)
白木色からアメ色に変化した集成材(手前)。
針葉樹などの木材は、経年変化で色が徐々に『アメ色』に変わっていきます。
一般的な木材であれば、色が濃くなっていくと思ってもらえればだいたい合っています。
劣化や経年変化の原因は「酸素劣化」「熱劣化」「紫外線劣化」が主な原因に上げられます。
木材の色が変化する原因は「紫外線」による影響が大きいです。
木材に含まれるリグニンいう成分が紫外線を吸収する過程で木材の色が変化していきます。
人間の肌が日光を浴びて黒くなることと似ていますね^^
ちなみに木材の色が変化するのは木の表面から0.2mm程の深さまでです。
そのため、表面を削ると元の色が現れます。
また、オイルなどで表面保護塗装している場合、時間と共に塗料に含まれる成分が変化し見た目がより濃く見えるようになることがあります。
また、ウレタン塗装は紫外線を吸収すると黄色に変色しやすい傾向があります。
エスネルデザインでは「無塗装」で木を使うことをお勧めしています。
それは「肌ざわりが段違いに良いから。」
夏、汗ばんだ手足で触ってもサラッとして気持ちが良い。
(ウレタン塗装したものだと調湿作用がないためツっぱる)
続いて、ヒノキの床材の経年変化を紹介します。
5年が経過したヒノキの床材(無塗装)。
人間の皮脂によりオイルを塗らなくても自然と光沢が出てくる。
新築時のヒノキの床。白さと薄紅色があるまだあどけない色合い。
ヒノキの床材の変化はまるで人間の皮膚のよう。
赤ちゃんのような白・薄紅色から、大人のようなアメ色に変化していく。
自然素材はそれが良いところ。時間と共に深みと愛着が増していく。
材がやせて(乾燥により縮み) 板と板の間に多少隙間が出来てくる箇所もある。
自然素材では当然起こり得ること。選ぶ前に納得しておくことが大切。
柔らかいヒノキなどの針葉樹は引きずればキズも出来る。
新築時はだれしも過敏になりがち。だが2年も経てばほとんど気にしなくなる。
(新築計画時にキズを心配しすぎてウレタン塗装でコーティングすれば、肌ざわりなどの自然素材の魅力はほとんど失われてしまう。)
「柔らかい」とは「密度が低い」ということ。
「密度が低い」とは「中に空洞が多い」=「さわったときにヒンヤリしない」ということ。
ヒノキなどの針葉樹は、ナラなどの広葉樹に比べ裸足で立ったときにヒンヤリしづらい。
また、柔らかいため、長時間立っていても広葉樹に比べると疲れづらいように感じている。
(見学会など長時間立ちっぱなしの時の実体験より)
サラッとした肌ざわりと柔らかい感触がたまらないヒノキの床。
新築時からアメ色に変わる経年変化も楽しい。
(突板フロアやビニールフロアではわからない愉しみ)
最近『工業製品とは違う家づくりの捉え方。』ということを考えます。
家は「工業製品」的な仕上がりを期待されることがあります。
住んでからもキズひとつついてはいけないような。
念願のマイホームであればそう思う気持ちは当然かもしれません。
しかし、それに囚われすぎてしまうとどんどん既製品やビニール建材、コーティングされた床材など、自然素材の魅力や大工さんの手仕事を感じることが出来ない家になっていってしまいます。
住まわれる方の好みにはよりますが、
「経年変化を受け入れる。」
「住みながら多少のキズがつくことは許容する。」
という心のゆとりがあれば、自然素材と仲良く付き合っていけるのかもしれません。
そして、時間と共に変化する自然素材の魅力を愉しむことが出来るでしょう。
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村松 悠一(ゆう)
エスネルデザイン代表(設計士)
前職での設計格言シリーズ。
:「理由を知って始めて知識になる。」