エッセイ。「本質とシェア。万人に届けなくてもいいという強み。」
近年、『デザインの力』が脚光を浴びてきている。
「機能」だけでなく「デザイン」で家電などを選ぶ人も増えてきている。
あるテレビ番組でバルミューダやバーミキュラ製品の製作過程を見て思った。
バルミューダ・ザ・トースター。
バーミキュラ・ライスポット。
思ったこと。
それは、
「面白いもので、
本質を突き詰めようとすればするほど、万人ウケしなくなっていくんだな。」
ということ。
それは、質を高めれば価格が上がるから。
「満足度/価格」の合格点は人それぞれ。
多くの人はすべてのものに高品質を求めてはいない。
「○○はどうしてもこだわりたいけど、××はそうでもないから価格を抑えたい。」
しかし『それでいいんだ。』と思った。
万人に行き渡る製品でなくていい。
「どうしてもこれが欲しい。」
と思ってもらえる人だけに届けばいい。
だからとことんこだわる。
想定するお客さんの範囲を広げるのではなく、逆に狭める。
狭めれば
10人中、9人は「特にいらない。」
でも1人からは「こういうのが本当に欲しかったんです!」と求めてもらえる。
質を高められる。
そして、
年間棟数4~6棟ほどの小さな設計事務所ならそれが出来る。
『万人に届けなくてもいいという強み。』
そんなことが頭に浮かんだ。