S邸リノベーション。22「解体!防水紙・GW・ビニールクロスの経年変化。」
ゆうです^^
現在S邸リノベーション工事が進んでいます。
夏前の話ですが、解体の様子を一部ご紹介。
22年経った防水紙やシーリング、グラスウール、ビニールクロスはどんな変化をしているのでしょうか。
僕は現在、二世帯暮らしをしています。
「みんな違ってみんな良い。」
僕は『その方に合った豊かな暮らし』から具体的な住の形を提案したいと考えています。
外部の調査はしていたが、足場が掛かりより近くで確認が出来るようになった。
S邸リノベーション。08「インスペクション実行『外周り①』。」
雨があたり塗装が剥げた幕板。
外壁(窯業系サイディング)も傷みが激しい。
窯業系サイディングは10年おきなどに全面塗装が必要。
塗装しないと雨水がサイディング内に入り込みより傷みが増していく。
→イニシャルコストが低くてもメンテナンスコストがかかるため、エスネルデザインではお勧めしていない。
【秘訣】「おすすめ外壁は板張り。」35年間のメンテ・費用を考える。
切れたシーリング。
22年経った雨樋(樹脂製)は使用に問題はないが、色褪せは進んでいる。
(現在のものはより色褪せづらくなっていると思われるが)
解体が進む内部へ。
タイベック(防水紙)の劣化を調べるため、一部切り取ってもらった。
パッと見たところ、割けもなく健全そうに見える。
雨漏りの様子もない。
折ったり裂こうとしたり負荷をかけたが切れることはなかった。
師匠のブログによると、24~26年前にタイベックには「熱劣化安定剤」が加えられたそう。
そのお陰か22年経ったものでも劣化はほぼしていないように感じられた。
(それ以前のタイベックは熱による割けなどの劣化が起きることがある。
また、タイベック(デュポン社)以外の防水紙には「熱劣化安定剤」がどれほど付加されているかは不明。)
詳しくは師匠のブログを↓
外壁の防風透湿防水シートの寿命・・・20年!!
住宅は、最終的には防水紙で防水性が守られている。
エスネルデザインでは、防水紙だけでなく『付加断熱材』を構造材の外に施工する。
(非浸透性のボード系断熱材)
これは断熱性の向上だけではなく、防水性の向上も目的としているためです。
家の寿命は「雨漏りによる構造材の腐り」で決まることが多い。
防水は何重もの安全を考え、堅実に設計していきたい。
(軒の出ゼロや厳しいサッシ納まりなどはしない)
【秘訣】「タイル外壁ってどうなの?」35年後の張替えを想像する。
壁内に充填されていたグラスウール(断熱材)。
壁の外に通気層もなく、室内側に防湿層もなかったが「壁内結露→カビ発生」はしていなかった。
(一部黒い部分はカビではない)
22年経ったビニールクロス。
窓の周辺は一部はがれている部分もあった。
折ってみたが、弾性は(ある程度)保たれていた。
ビニールクロスの色の変化が分かる一枚。
(照明撤去後)
タバコを吸われていたであろう部屋の天井の色変化。
(シーリングライト撤去後)
その他................
2階天井撤去後。
屋根下地の荒板に雨漏りの様子はなくひと安心。
(インスペクションで確認していたが)
S邸リノベーション。13「インスペクション実行『室内④小屋裏』。」
おまけ................
綺麗に整頓された撤去物たち。
こういう仕事をされる大工さんに家を建ててもらいたい。
僕は、新築だけでなくリノベーションにも精通した設計士でありたい。
それは、建材の経年変化への想像力を持っていたいから。
「この材は20年以上持つのか」
「メンテナンス費用があとからかかるのではないか」
「この納まりで防水性はどのくらいの年月問題ないのか」
「美観上はどうか。長く愛着のわく家となるか」
危ういと思えば、それを踏まえて安全性の高い設計を考え直す。
「危うい」と感じるためには、実際に20~30年と時間の経った建材に触れる必要がある。
「リノベーションの設計」は「新築の設計」へつながっていきます。
※僕が築35年以上の我が家に住み続けているのは
「築年数が経った建物に実際に住んで感じる」という理由もある。
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S邸リノベーション工事、まだまだ続きます。
次回もお楽しみに^^