【仲町のリノベ】完成。リノベーションで出来ること。設計の解説。

仲町のリノベーション

ゆうです^ ^

先日、仲町のリノベーションが完成し、お引渡しを行いました。

 
『中古住宅の高断熱リノベーション。』

築24年の家は、W様の感性により、素敵な住宅に生まれ変わりました。

 

 

 

W様とお会いしたのは昨年の夏。

それから、物件探し→プランニング→工務店打ち合わせ→工事、、

施工して頂いた堀内組さんのお力もあり、性能・機能・インテリアとも素敵な住宅に生まれ変わりました。

 

 

 

リノベーションには、新築にはない検討点や注意点があります。
 

・リノベーションを選択する意図。
(コスト抑制。希望エリアに更地が出ない。既存住宅への想い入れ、、)

・検討する中古住宅の状態。
(インスペクション→雨漏り・劣化の程度確認)

・改修後に求める性能+コストパフォーマンス。
(耐震性、断熱性、気密性、、)

 

また、エネルギー負荷の低減や、新興住宅地でない場所(田舎、旧市街地等)に住む、なども中古リノベーションを選ぶ理由になるかもしれません。
 

いずれにせよ、リノベーションは、検討も設計も工事も簡単ではありません。

それぞれ専門的な知識・経験が必要になってきます。

 


リノベーション前の物件(中央)。

 


「隣家との距離がない(→工事に難)」「準防火地域(→防火窓コストアップ)」などネガティブな条件もあった。

しかし、W様は、街中への若者の回帰や、生まれ育った地元に戻る、など、リノベーションで叶えられる要点を優先し、中古リノベーションを選ばれた。

W様、とても素敵な選択だと感じました。

 

【NMのリノベ】現地内覧「既存住宅の魅力」とAFTERプラン。+AMEYA AISUさん。 - 住宅設計エスネルデザイン

 


リノベーション後のW様邸。

・改修後UA=0.4(断熱性)
・改修後C=0.4(気密性)

特に、既存住宅の気密改修でC=0.4は素晴らしい。
 
施工された堀内組さんの誠実さ・気概が数値に表れている。
(堀内組さんは気密施工は初めてとのこと)

経験がなくとも、適切な工事監理により気密の数値を出すことは出来る。

施工される会社・大工さんに、意欲・誠意があるかどうかがポイントになる。

 


隣家との隙間は、人が一人ギリギリ通れる幅のみ。
堀内組さん、大変な工事をありがとうございましたm(__)m

外壁は全面張替え。
正面のみ杉板・無塗装とし、風合いの良さと街並みとの調和を図った。

 


リノベーションプラン。

自然採光・視線の抜けを確保するため、2階リビングプランを提案。

2階は1階に比べ、壁(耐力壁)量を抑えられるため、開放的なプランニングが可能。

また、2階浴室とすることで、浴室周りの断熱改修のしやすさも考慮した。
(「1階浴室+床断熱」は断熱改修が複雑になる)

 


リノベーション前の2階。

手前(前面道路側)は明るさが取れるが、壁で仕切られ、奥まで光は届かない。

 


リノベーション後の2階LDK。

LDKと水廻りを連続させたプラン。

不要な壁を抑え、限られた面積の中、可能な限り開放感と採光が確保できるよう設計した。

 


キッチン・ダイニング・小上がり畳が連続し、その先の大開口につながる。


ビフォアー(前面道路側)。

 


サッシはAPW330防火窓(樹脂枠・ペアガラス・網無しガラス)。

樹脂枠の見付を抑え、壁と連続させるデザインは新築と同様の納まり。
見た目の綺麗さ、光の広がり、熱損失・結露の低減など複合的な効果を図っている。

 

準防火地域の窓は基本的には防火窓を使うことになる。

防火窓は非常に高価(通常窓の2~3倍)。

コスト抑制、隣家が近く採光量が望めないことから、隣家両側は窓ゼロとした。

 

窓の替わりに設けたのが、天井に連続する間接照明。

これが仲町リノベの採光。

光源(器具)が見えない光は、天井から差し込む自然光のよう。

壁と天井の取り合いを消し、体感広さを増すことも狙った。

 


照明は、昼白色(白)と電球色(オレンジ)を切り替えられるのがポイント。

日中は太陽光に近い昼白色で。

夜は落ち着ける電球色で。

窓が取れないことで、新しいデザインが生まれた。

 

 

 


キッチン壁はモラート仕上げ。
質感と性能(防水性・耐火性・割れづらさ)を両立した仕上げ材。

 


スイッチはモラートの風合いと相性の良い奥様選定のもの。

 


エジソンランプ(LED)に照らされたモラート壁がとても艶やか。

 


キッチンと連続するマルチWIC(洗面-洗濯-脱衣-収納室)。

LDKとの仕切り壁を排したプランニングは、建物背面の窓からの光をLDKに広げる効果も見込んでいる。

断熱性が高く暖かい家は、間仕切り壁が要らなくなる。

開放感、空調循環性、行き来のしやすさ、採光拡散性、コストカット、、

そこから得られる暖かさ以外のメリットもとても大きい。

 


約4帖の広々としたマルチWICでは「洗濯→干す→たたむ→仕舞う」を一ヵ所で済ませることが出来る。

「高断熱+全館空調」の家は年間を通して室内干しがよく乾き、家事の手間を助けてくれる。

 


奥様選定のタオルバー。
ソリッドな素材感がとても良い。

 


照明の多くも奥様選定のもの。

初めて使う素材・器具も多く、勉強させて頂きました。
奥様、ありがとうございます。

 


カフェのようなダイニングテーブル・椅子・ソファがとても素敵。

 


アイアン手摺により、デザイン性と開放感を両立させた。


階段も、可能な限り幅を取り、勾配も緩くなるよう設計。

昇降しやすい階段は、2階リビングの大きなポイント。

 


インナーガレージには、木毛セメント板を使用。

杉板や既存基礎の風合いとの相性も良い。

 

 

 

 

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仲町のリノベーション。

とても素敵な家が出来ました♪

 

W様、大変ありがとうございます。

これから豊かな暮らしを送られることを祈っております。

また今度遊びに伺わせてください^ ^

 

 

-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-

 

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