豊かな暮らしのつくり方。10-4 ー『家の仕様を担保する書類の重要性。』ー

★豊かな暮らしのつくり方(家づくり入門編)

ゆうです^^

前回、

「僕が考える良い家の条件。2017」


と銘打ち、良い家の条件をあげました。






今回は、長期優良住宅認定や設計図書一式、工事監理記録一式などの



家の仕様を担保する資料の重要性

について補足していきます。






ーーーー




前回のブログで、


良い家の条件は、


○長期優良住宅の認定を取得していること。


○設計図書一式があること。



○構造計算書一式があること。



○断熱性計算書一式があること。



工事監理記録一式があること。





と書きました。



これらはすべて「家の仕様を担保する書類」ですよね。

これには理由があります。

爆弾発言をします。

恐れず言わせてもらえれば、、、

「建築業界は本当にいい加減なんです!!!」

数年前に耐震偽装のニュースがありましたよね。

コストを抑えるため、わざと材料を減らして建てていたという事件です。

その結果、そのマンションは耐震性を満たしていないということで、

マンションを買った人がマンションに住めなくなってしまいました。

少し前にも、基礎杭の偽装や、免振ゴムの性能偽装、サッシの防火性の偽装など、、

建築業界は偽装だらけ!!!

まずはそう思ってください。

ーーーー

当然こんなことはあってはなりませんが、

こんなずさんな状況が起こり得る原因を考えてみると、


○メーカーも施工店も数多くある。
 (←→自動車メーカーは日本では数社だけ)
 
 →それぞれ好き勝手にやってしまうふしがある。
 →業種の特性上、それぞれの地域に根付いていて生存競争が起こりづらい。
 →自社のやりかたしか知らず間違っていてもそれに気づいていない。
 →下請け、孫請けとどんどん工事代金が安くなっていき、手を抜かないと利益が出ないことがある。

○偽装してもバレづらい。
 
 建てたあとはよっぽどのことがなければ偽装や施工不良が表にでることはありません。
 あるとすれば、内部告発か、天変地異が起きたときくらいでしょうか。
 (車のように車検があったりするわけでもない。)

 しかし、大地震で家が倒壊したとしても、その原因は深くは調査しない(施工不良がみつかったとしても追求はしない)ケースが多いような気がします。
 (因果関係の証明も大変ですしね。)
 それは、建物が唯一無二のものだから。
 (車であれば、量産しているので不備があればすべての消費者から抗議が出て、徹底的に原因追究、責任追及→リコール→直す。となりますよね。)

住宅に限定して話を進めると、

○大工さんの中には、間違った施工や適当な施工をする人がいる。


○設計者の中には、間違った知識で設計している人がいる。


○誰も現場で施工具合の確認をしないから間違いに気づかない。

(※施工具合の確認とは、クギの打ち付けや断熱材の納まり施工具合の確認のこととする)

「え!誰も現場で施工具合の確認をしないの!?」

「建てるときに、市役所が審査する工程があったはずだけど、、」

なんて声が聞こえてきそうですね。

「確認申請」という市役所が審査する書類の提出はありますが、

これはあくまで、「家の大きさ」や「種類」など大枠をチェックするだけで、

中身の「構造」や「断熱性」や「防火性」「防水性」を現場で確認するわけではありません。

あくまで、現場の確認は施工者・設計者にゆだねられています。

さらに、

多くの設計者は、現場の確認をしません。

現場監督がします。

しかし、

現場監督の主な仕事は「現場の段取り」のため、

細かく現場の施工具合の確認をすることよりも、
「現場が遅れないこと」を優先する傾向があります。

施工具合が悪く、やり直しをしなければいけないとき、
引渡しが数週間遅くなりそうであれば、
やり直しをせず、見てみなかったふりをすることもあるかもしれません。

ましてや、一人の監督が年間10~20棟も掛け持ちしているような場合、
釘の施工具合や断熱性の施工具合をすべて完璧に見れるとは思えません。

そうならない(良い家を建てる)ためには、

現場監理は設計者が確実にやることです。

理想を言えば、施工店の社員ではない「第三者」の建築士に監理してもらうことです。

※このため、僕は施工と設計一体の「工務店」でななく、
 施工と設計を分離する「設計事務所」形式で仕事をします。

ーーーー

大手メーカーであっても同様です。

大手メーカーだから安心ということはありません。

大手メーカーでも、実際に現場で施工するのは地場の職人さんだからです。
(ここを勘違いしている人が多い。)

では、どのようにして施工店を見極めればいいのか。



工事監理記録一式を引き渡し時に渡している施工店を選ぶことです。

ーーーー

まとめると、

いい加減な建築業界に対抗するためには、

第三者の認定を取得すること
(長期優良住宅認定)

第三者の現場監理+報告書の提出をしてもらうこと
(工事監理記録一式)

です。

どこの監理記録が必要なのか、どの程度詳しく監理記録が書いてあるべきなのかなど

詳しい話は、家づくり中級編で書こうと思っています。

長くなってしまったので一旦ここで話を終わりにします。

ーーーーー

(補足)

○長期優良住宅の認定を取得していること。
 
取得していれば、構造計算や断熱性計算などの計算が正しくされていることが国によって認められているということです。


※構造計算や断熱性の計算は、専門性が高く難しい!
 そのため、間違った計算をしている人は多いです。
 (もしかしたら悪意を持って数値を変えている場合もあるかしれません。)
 長期優良住宅の認定をとっていれば、専門の審査機関が計算内容をチェックするため、間違いがあることは基本的にはありません。




○設計図書一式があること。
 
設計図書が無ければ、工事中に工務店の都合で仕様を変えることができます。
例えば、建て主にはわからない部分で、
「利益が少ないから屋根の防水紙のグレードを落としちゃおう」とか
「壁の下地処理のやり方を簡略化しちゃおう」とかできちゃうわけです。


そういうことがおきないようにするには、間取りや設備だけでなく、
施工方法や施工材料一式が記載された設計図書一式が必要です。
また、数年後に不具合が起きた場合でも、
設計図書一式があれば、見えない部分の工事内容を把握することができます。






○構造計算書一式があること。


構造計算書があれば、数年後に増築したいといったときに
計算書の内容をふまえて、耐震性を確保しながら増築することができます。


逆に構造計算書が無い場合、増築後はなあなあな構造計画になってしまったり、
わざわざ耐震性能を調べるために余計な調査費用が発生するかもしれません。


というより、
耐震性(安全性)が確かめられていない住宅をほしいとは思いませんよね。
建築業界には、構造計算をしなくても良い方法が存在し、
そのほうが楽なため、往々にして利用されています。(悪しき習慣ですよね)






○断熱性計算書一式があること。
 
断熱性を証明する資料です。
断熱性が高いからA社を選んだのに、その計算が間違っていて
実はB社のほうが断熱性が高かったなんでことになったら嫌ですよね。


メーカーの中には、断熱数値を全棟一様に説明しているところもありますが、
家の大きさや窓の数などが違えば、断熱性能は一棟一棟異なります。
自分の家の断熱性能数値を計算により出してもらうことが大切です。

先頭に戻る