『建築』というダイナミズム。建てるという行為。

エッセイ

『建築』という行為はとてもダイナミックだ。

先日、その行為の大きさに感動する出来事があった。

ある場所に設計した家がもうすぐ完成する。

その敷地はもともと田んぼで既存の住宅地からも少し離れた場所にあった。

敷地の前はとても開けていて、その奥には新潟を代表する雄大な山々がそびえている。

自然の中に自然と共に建つ家。

その田んぼを埋め立てて家を建てた。

先日足場がはずれ、外観はほとんど完成状態に仕上がった。

その姿を初めて見たとき、

『数ヶ月前、なにもなかった場所に建物が建つ。』

というスケールの大きさに圧倒された。

今まで何棟も家を建ててきたが、ここまで強く感じたのは初めてだった。

なにもなかった土地に大きな建物が建つ。

なんとダイナミックなことか。

そして、そこに何十年と暮らし続ける家族ができる。

ハードだけでなく、ソフトを見てもとても大きな行為だ。

「建築とはなんてダイナミックな仕事だろう。」

改めて感動した。

この仕事をしていることに誇りを感じた。

そして、その責任を強くかみ締めた。

そうした家々がやがて『風景』となる。
100年後の人が見たときに「いいな。」と感じるものを造っていきたい。

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