設計事務所の仕事『プラン修正・収納計画』‐マルチWICとは‐
ゆうです^^
網川原のエスネル(K様邸)のプランがもうすぐ固まりそうです。
初回プランから大きく2回の修正(改善)をしてきました。
プランは初回のプランでバシっと決まることもありますが、
プランを見ることで気付く気持ち(要望)もあります。
そのため、設計士は新たに出た要望に沿って
「プランの修正」をしていくことになります。
また、具体的に決まってきたプランに「収納計画」を盛り込みます。
上記の図のように、収納スペースを色塗りしてみると、
・全体の収納量は足りているか。
・適材適所の分散収納がなされているか。
のイメージを掴むことが出来ます。
(さらに、どこになにを置くかまで検討できればバッチリです^^)
こういった検討を重ねることで
「収納が足りなかった!」
「ここに収納を設ければ良かった。」
という事態を減らします^^
【収納計画は「S邸リノベーション」でも提案しています。】
設計事務所の仕事『プランの作成・収納検討』‐case.S邸‐
さて、K様への初回プランは4パターン提出させて頂きました。
そのなかの「プランA」を基に進めることになりました。
前面道路側に玄関を取り、南側を開き、水廻りを北側に配置したオーソドックスなプランA。
そして、修正のご要望として、
・洗面脱衣室で「化粧・ドライヤー・室内干し」をより快適にしたいので、もう少し広さが欲しい。
・そのためには延べ床面積が増えることも可。
(→奥行き3.75間のプランも見てみたい。)
ということでプランを改善しました。
それが下の「プランE」です^^
「マルチWIC」という言葉が初めて出てきました。
『洗面室の再構築』がテーマ。
一般的な「洗面・脱衣・洗濯」の他に「室内干し」「化粧室」「タオル下着収納」「パントリー」の機能を付加しました。
「マルチWIC」が小さな家の「家事・収納の心臓部」になります。
洗濯物の「洗う」→「干す」→「仕舞う」がなんと3m以内で完結するという家事を楽にするプランニング。
「高気密高断熱+全館空調」だから日当たりが悪い北側でも、梅雨時期も冬場もすぐに乾きます。
(すぐに乾かす秘訣は他にもある)
キッチンからの動線も近くて直線で言うこと無し^^
パントリーも化粧台もあるので、北側一列は言わば「家事の大動脈」。
さらに「家族の間」の説明を。
『LDKの再構築』がテーマ。
上記のプランのように
広いLDKを求めるあまり、LとDKが分断してしまっていることが多々ある。
(家族の視線も合わず、会話も生まれづらい→△)
また、LDKは20帖と広さはあるが、よく見ると、
「居場所=座れる場所」は実は多くないことがわかる。
こういったLDKを解消したい。
そういった考えを基に「家族の間」を設計しています。
※「家族の間」の名づけ親は前職場のオーブルデザインさんより。
プランEを送らせて頂いてすぐにK様からメールが届きました。
「すごく感動しております。」
「住む人の事を考えて収納や動線を作ってくれたのが図面からすごく伝わってくるからです。」
ととても嬉しいお言葉を頂きました。
【詳しくはこちら】
【お客様の感想】K様からの感動のメール。
また、奥行き3.75間のプランも作成しました。
収納量は奥行き3.5間のプランEと大差はない。
通路やリビングに少しゆとりが出た。
「スペースのゆとり」と「増えるコスト」のバランスをどう考えるか。
K様の感想は
「少し間延びした感じですね。」とのこと。
(僕も同感です!LOVE Small House!笑)
【詳しい感想はK様のブログをご参照^^】
第2回プラン提案 : 設計事務所と長く愛せる家を建てる
検討の結果、プランE(奥行き3.5間)で進めることになりました^^
そしてその後、
「1階のトイレを横入り+引き戸に出来ませんでしょうか。」
という要望がありました。
実は、マルチWICもさらに改善が出きるかなと思っていたのでまとめて改善しました。
そして、さらなる改善を踏まえ出来たのが「プランE改」です。
・トイレを横入りに修正。
・マルチWICを収納量はそのままに無駄なスペースをスリムに。
・床下への階段を中央に→行き来がより楽に。
など、さらに研ぎ澄まされたプランになりました^^
(構造的な検討も深めています)
(このまま定番のプランになりそうな予感)
スターバックス女池店にて打合せ。
このようにして「プランの修正」が進んでいきます^^
過程の中でプランがより良くなっていきますし、
なによりこの過程が楽しい♪
K様も喜んでくださって嬉しかったです^^
もちろん、叶えられない要望もあります。
100点満点のプランはありません。
また、全ての要望を平均的に満たすことを狙っていくと、ぼんやりとしたプランになりがちです。
ポイントは、メリハリ。
なにが叶えたいのか。なには諦められるのか。
そして、最終的には
「希望が全て完璧に叶えられてはいないかもしれないけれど、これで十分♪」
と満足すること^^
足るを知る心ですね。
その先に、家が完成したあとの「豊かな暮らし」が待っていると考えています。
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村松 悠一(ゆう)
エスネルデザイン代表(設計士)
スタバにて。
「カフェミスト」というものを初めて知りました^^