【秘訣】『エアコンは選べない!』-エアコンの故障増加と保証の重要性-
ゆうです^^
わけの分からないタイトルをつけてしまいました。
以前「エアコンの選び方」ということで記事を書きましたが、
最初に謝らせてください。
エアコンは選べない!!!(かも)
数年前の東芝製のエアコンはリコールした方がよいのでは?その3
「エアコンは選べない」とは、
「設計者がお勧めのエアコンを建て主に提案することはできない。」
という意味です。
「必要能力(快適性)」と「効率(経済性)」
は計算で出せます。(提案できます。)
→家のエアコン買い替え。「エアコンの選び方①」
「買い時」や「光熱費」
も伝えられます。(提案できます。)
→家のエアコン買い替え。「エアコンの選び方②『光熱費と買い時』」
では、なぜ「エアコンは選べないの??」
それは、、
エアコンの実際の『耐用年数』はメーカーごとに違い、メーカーにしか分からないから!!
わざわざこういうことを書くのには理由があります。
僕が昨年購入した「T芝」社のエアコンの不具合がここ最近急増しているんです。
※現在調査中のため、現時点での話。
※異常が確認されるのは2012~2015年のT芝製の上位グレードエアコンのみ。
※メーカーが想定している使用時間よりも長時間連続運転をしている。
※不確定な要素が多いこと、僕自身が詳細を確認したわけではないため、参考程度として聞いてもらいたい。
まずは、僕の師匠であるオーブルデザインのブログを紹介します。
数年前の東芝製のエアコンはリコールした方がよいのでは?その3
経緯を説明すると、
①師匠が使用しているT芝製エアコンでエアコンの風が暖まらない事態が起きた。
②室外機を見てみると霜がびっしりとついていて「霜取り」が上手くできていなかった。
→冷媒の量が減っている疑い
③冷媒を新たに補充してもらったら直った。しかし、また一年後に同様に霜が異常に付く現象が起きた。
→どこかから冷媒が漏れている疑い
④冷媒管(配管)を調査したが冷媒が漏れている箇所はみつからなかった。
⑤エアコン本体を調査してみると、本体内部から冷媒が漏れ出していることが発覚した。
→取付工事(電気屋さん)の責任ではなく、エアコン本体(メーカー)の責任
同時に、T芝製のエアコンの選定した建て主さんに連絡を取ると同様の事態が多発しており、発生確率は60%以上だった!
(築2~3年で不具合60%は明らかに異常。)
要点をまとめていきます。
・エアコンの設計寿命は約10年(メーカーより)
(冷房使用:9時間/日、暖房:7時間/日)
※空調期に24h連続使用の場合、計算上は「冷房:7年、暖房:4年」になる。
・昔のエアコンは10~20年以上壊れず使い続けることができた。
→冷房利用が多かった(負荷の大きい暖房利用は少なかった)。
→壊れにくいように安全率の高い設計がなされていた。
(より高耐久の部品を使用していた→「メイドインジャパン」ブランド化)
想像ですが、
・近年の家電の価格競争(海外製品含む)の影響で、価格を抑えるため、安全率の少ない設計を余儀なくされているのではないか。
(ex.昔の製品は設計寿命10年と書かれていても15年以上壊れなかったが、最近の製品は設計寿命10年なら10年で壊れるほどの耐久性しか持たせていない。)
これは格安化の影響のほかに、
・メーカーの経験値が貯まったこと(今までの故障の経験からどの程度の材料を使えばいいかの予測の精度が高まったこと。)
もあると思います。
その結果、『設計・材料選定の過度な改悪がなされている可能性がある。」ということ。
→今回のようなエアコン本体からの冷媒の漏れ
あくまで現時点では可能性でしかありませんし、現在では改善がされているかもしれません。
そして、T芝だけの話ではないのかもしれません。
T芝は「デュアルコンプレッサー」など技術的に真面目にやっている印象があったのに残念です。
(僕が買ったエアコンも同じような不具合がでないかドキドキしています。)
しかし!対策はあります!
製品保証・工事保証をつけることです。
僕のエアコンは、家電量販店のジョーシンさんで買ったのですが、
メーカー保証(1年)に、ジョーシンさんの保証がプラスされ、
製品保証5年、工事保証10年がついています。
他の家電量販店でも同様の保証サービスはしているようです。
逆に、
家を建ててもらう工務店さんに頼む場合、それらの保証はついていないことが多いです。
(メーカー保証の1年のみ)
なのでこれからは、
・エアコンの選定は設計者が行い、お勧めの機種を建て主さんに伝える。
・建て主さんが家電量販店などで延長保証をつけて自分でエアコンを買う。
という流れがお勧めなのかもしれません。
(建て主にとっても工務店にとっても)
手間はかかりますが価格も安い場合もありますしね。
エアコンは、冷蔵庫やトースターのような買い替えする家電感覚でいるということですね。
まとめます。
・家と設備は分けて考えること。
→設備(電化製品)はいつかは壊れる、不具合が起こる可能性もある。買い替え・取替えを想定した選定、取り付け位置を。
※escnel(エスネル)の二番目の「E」に込めたEasyのとおり。
・取替えが容易ではない「屋根」や「断熱性」や「耐震性」は新築時に、より安全な設計を行い、設計どおりに現場で施工されていることを確認すること。
→理想は書類(設計図書・工事監理記録)として残しておくこと。
・エアコンは10年(以内)で壊れるかもしれないと思って選定すること。
→上位グレードは空調効率は高いが、10年以内に壊れた場合、費用対効果を考えると不利になるケースもある。
付属の(お掃除などの)おまけ機能に不具合がでることもあり得る。(→シンプルなものを選ぶ。)
(余談)
エアコンは風量マックス運転にするのが一番空調効率が高く運転することが出来る。
(熱交換機に多量の風を当てられるため)
しかし、風量マックスで24h連続運転を行った場合、モーターの消耗などの劣化を早めることも考えられる。
想像でしかなく明確なことは言えないが、出来ることとしては、
・フィルターのホコリはこまめに取り除く。
・1台のエアコンに運転を集中させるのではなく、複数台で運用する。
(特に暖房)
・断熱性を高めて「暖房負荷」自体を少なくする。
などが考えられる。
まだまだ検討の余地はあるが、設計者として建て主さんのためになるよう出来る限りの提案をしていきたい。
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今回のブログは設計者(僕)の言い訳のようなものでもあります。
最初に「エアコンを選べない」と書きましたが、
言い直すなら、
「メーカーの仕様・耐久性まで熟知できないので責任を持てない。」
ということです。
今回のT芝製エアコンの一件でとても怖くなりました。
もし、僕がそのエアコンをお勧めしていて何百件も引渡しをしていたら、、、
誰がどう責任をとるのでしょうか。
(もちろん最終的な責任はメーカーだが、それを勧めた設計者の信用問題もある。←建て主さんがどう考えるか。)
今後、家電業界は、熾烈な競争や海外への工場移転などの影響で品質にバラツキがでやすくなっていくのかもしれません。
まだ調査中ではありますが差し当たり現状の報告をさせて頂きました。
おまけ................................
T芝のエアコンの不具合が発覚した経緯(オーブルデザインブログより)。
より専門的で具体的で面白いです。
冬期の霜取り運転が上手くされず室外機が凍り付く事態が起きた。
他メーカーでは見ない霜の着き方。明らかに異常。
冷媒を入れなおすと正常になったため、冷媒漏れが疑われた。
数年前の東芝製のエアコンはリコールした方がよいのでは?
T芝のエアコンの内部を見てみるとサビがひどいことがわかった。
数年前の東芝製のエアコンはリコールした方がよいのでは?その2
27年前(1991年製)の三菱製のエアコンの室外機の内部。
カビはあったがサビはなかった。
「メイドインジャパン」ブランドは今後どうなる?