【秘訣】真夏の超高断熱『室温-冷房費-サーモ-快適性。』エスネル式換気空調設計。case.自邸
こんにちは^ ^
2025年の夏も暑かったですね。
自邸に暮らして初めての夏
これまで生きてきて一番快適に過ごせた夏だったかもしれません。
8月の室温、冷房費、サーモ、快適性の感想。
エスネル式換気空調設計。
それぞれ紹介します。
自邸-森のエスネルは新潟県柏崎市に建つ2階リビングの家。
デイベッド、階段上ロフト、出窓ベンチ、ワークWIC、マルチWIC、、
多彩な居場所、居心地を叶えるプラン。
・延床面積=27.9坪
・UA=0.22(G3)、q=61.1
・耐震等級3(Z=1.0、積雪量1.5m)
・太陽光パネル設置
・杉板外壁×植栽
エスネル最上級グレード『eLX』。
(断熱性G3、耐震等級3(積雪考慮、Z=1.0)、太陽光、国産杉活用、植栽)
これからの時代を見据えた『超高断熱の小さな木の家』です^ ^
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夏の冷房について、まずは【総評(感想)】から。
〇室内が全館ほぼ同じ温湿度でとても快適。
〇エアコン1台(6帖用)で全館冷房が可能。
(断熱設計、窓設計、開放的なプラン等による)
〇個室の冷房も問題なし。
(戸開け/戸閉め+循環ファン)
※今後は各室にエアコン設置も想定。
(よりシビアな温湿度調整可能。エアコン故障時のバックアップ)
〇概ね設計時の想定通りであることを確認。
(これまでのエスネルの実測同様)
〇日射遮蔽のためのアウターシェードはなくても問題なし。
(西向き窓ありでも)
(遮蔽シェードはあっても良い。手間とコストパフォーマンスを要考慮)
非常に快適な夏を過ごすことが出来ました^ ^
【前提説明】................
・↑画像は2階(2階リビング-1階個室プラン)。
・赤丸のエアコン(6帖用)で全館冷房を行っている。
(熱気が上がる上方にエアコンを設置し冷気を上方から吹き下ろし拡散させる計画)
・その冷気を1階へ降ろす(階段から。1階の個室に排気扇設置=冷気を引き寄せる)。
・給気口はエアコン上部(熱交換なし換気扇)。
その他『エスネル式換気空調設計』や『これまでのエスネルの夏の冷房環境』については下の記事をご覧ください。
【秘訣】真夏の超高断熱『低湿度を叶える冷房のポイント。』-エスネル式換気空調設計-case.燕仲町 - 住宅設計エスネルデザイン
【秘訣】真夏の超高断熱『低湿度環境の実現。全熱交換換気扇なし。エスネル式換気空調設計。』サーモ・冷房費紹介。case.中野のエスネル - 住宅設計エスネルデザイン
自邸の『窓、カーテン(日射遮蔽)』についてはこちら↓
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【秘訣】カーテン選定の要点『機能-手間-遮光-遮熱-コストー見た目。』-窓に合わせた選定-case.自邸 - 住宅設計エスネルデザイン
【室温、冷房費について】................
〈要点〉
〇1-2階の温度差は1~2℃。
・「2階エアコンON、1階エアコンOFF」であっても温度差ほぼなし。
→『超高断熱、日射遮蔽設計、換気空調設計』が効いていることが分かる。
(1階より2階室温の方が低いのは2階エアコンで冷房しているため)
(床下室温は概ね1階室温と同様)
〇『室温高め+湿度低め』の環境。
・室温は25~26℃(日中は~27℃)。
(湿度は60%前半、絶対湿度は15g/㎥(12.7g/kg(DA))ほど。※初年度(建物から湿気発散あり)のため湿度はまだ高め。来年以降もう少し下がる想定)
・湿度低めなので室温高めでも暑く感じない=冷え感が少なく快適。
(村松:冷え性。夏の室温は高めが好み)
〇『冷房費/日=162円』で24時間毎日全館涼しく快適。
・冷房コストを抑えて快適空間が叶っている。
・『小さな家、超高断熱』であることが効いている。
(30円/kWhで計算。冷房費/月=約5,400円)
(8月中旬は気温が低い時期があった→全て晴れだったとしても概ね「冷房費/日=200円。冷房費/月=6200円」程か)
※上記冷房費には太陽光発電の影響は含めていない。
(実際は太陽光の自家発電を冷房に使えているので実際の冷房費は162円より低い)
(日中は16円/kW(売電単価)で冷房を使えている)
〈冷房エアコン設定〉................
・8月上旬「設定温度26℃、風速最大(ロング)」
(冷房費低減優先。湿度は成り行き(高め)。不快感は特に無し)
・8月下旬「設定温度22℃、風速最小(静)」
(低湿度優先。実験的に)
設定温度を下げることで除湿量を増やす、かつ風量を抑えることで室温低下を抑える(低湿冷房運用)。
※設定温度22℃でも風量を抑えているので室温が22℃になるわけではない(室温25~26℃)。
(設定温度22℃分の冷房費がかかるわけではない)
【サーモグラフィ(天井-壁-床温)】................
8/21 13:30(窓への直射小)、晴れ(外:30℃ほど)。
※サーモ画像を見て頂く前に「サーモ画像を見るときの注意点」をご確認くださいm(_ _)m
S邸リノベーション。17「サーモグラフィ調査①『注意点』。」 - 住宅設計エスネルデザイン
注意点をまとめると
①表示温度に誤差があること。
②温度差の印象操作が容易にできてしまうこと。
※サーモ計測器は「FLIR ONE(Gen3)」。
精度の誤差は数℃(おそらく±1~3℃程)ある。
→複数のサーモ画像の温度を見比べるより「1枚の画像の中の温度差のありなし」に注目して見ると有意義。
................
説明をもうひとつ。
温度バー(サーモ画像の右端にある温度と表示色の関係を示したバー)の最高温・最低温の設定は変えることが出来る。
これを固定(すべて同じ最高温度~最低温度)すると中間の温度の色が画像毎に変わってしまう(→分かりにくい)。
温度と色をある程度固定できるよう
青(とても涼しい):25℃以下
緑(涼しい):26℃程
橙(普通):27℃程
赤(暑い):30℃以上
と表示されるよう温度バーの最高温度と最低温度を画像毎に調整した。
(→詳細な温度数値を見なくても感覚的に読めるように)
夏の快適な表面温度は概ね26-28℃程。
なので「緑~橙であればOK」と読んでもらえればと思います。
※アプリの仕様変更により温度色の調整がしにくくなってしまった。
(全自動で温度色が反映されるため)
それにより「黄色で表したいのに青になってしまう」などが起こっている。
=サーモ画像の色の差の印象よりも実際の温度差は大きくない点にご留意頂きたい。
ではサーモ測定結果を紹介します^ ^
【2階リビング】................
天井(スポット1):25.0℃
壁(スポット2):25.0℃
床(スポット3):24.1℃
窓(ブラインド閉)(スポット4):26.8℃
・天井-壁-床の温度差が少なく快適温。
(超高断熱+全館空調の効果)
(この時の室温は24℃ほど(低め冷房時))
【南窓】................
窓(ブラインド閉)(スポット2):26.8℃
窓(ブラインド水平)(スポット5):28.3℃
参考:(ブラインドなし):34℃程。
・ブラインドを閉めると窓からの放射熱は大きく下げるられる。
・ブラインド水平(遮熱+眺望+採光をバランス良く得る)でも表面温度は高くはない(非直射時)。
南窓(左)-西窓(右)周辺の表面温度も問題なし(快適範囲)。
(窓はアプリの仕様で赤く表現されているが表面温度は28.4℃と高くない)
自邸設計の際、西日の熱負荷を心配し様々な検討を行った。
アウターシェード設置も検討したが手間やコストパフォーマンスを考慮し無しとした。
夏を体感し『内側遮蔽(ブラインドやロールスクリーン)で問題なく快適空間は作れる』ことを実感している。
(断熱設計、窓設計は必須)
→夏の日射は怖がりすぎなくて良い。
(夏の日射熱は低湿環境を促進する利点もある)
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エアコン上に設置された給気口。
高温多湿な外気を即エアコンに入れ除湿冷房する設計。
8月中の消費電力を確認したところエアコンは常に動いていた。
=給気口からの熱負荷によりサーモオフしない。
=除湿がされ続ける〇
(反対に「適切に熱負荷が与え続けられる位置にエアコンがないとエアコンは止まってしまう(サーモオフ)」→エアコン内の水分が室内に広がる→高湿度環境△)
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エアコン吹き出しの絶対湿度は10.2g/㎥(8.6g/kg(DA))。
カラッとした空気が低湿環境を造り出す。
階段周辺も表面温度差ほぼなし。
→2階エアコンから1階へ冷気が広がっていることが分かる。
※開放性の高い階段(オープン手摺)である点も冷気を広げる重要ポイント。
(吹抜け手摺なども同様)
1階個室も涼しく快適。
『窓サイズ(特に高さ)を必要最小限に抑える』『窓上に直射を防ぐ庇設置』など日射熱を低減する工夫が効いている。
(2階窓も同様)
窓設計(サイズ、レイアウト、ガラス性能、庇-屋根、、)はとても奥が深い。
夏-冬の日射熱コントロール、採光、視線の抜け、外観デザイン、、
様々な要素を包括的に検討し形を造り上げていく。
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玄関ホール-廊下も同様に涼しく快適。
................
最後に『夏の室内』を紹介します^ ^
夏の日差しは熱負荷(マイナス)もありますが夕日の感動(プラス)を得ることも出来ます。
室内から眺める夕日に心癒されている。
夕日どきは「自邸を建てて本当に良かった。」と感じる瞬間のひとつ。
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................
温湿度(体)も、夕日(心)も
満足する夏を過ごすことが出来ました。
それらが手間やコストを抑えながら実現していることにも大きな満足を感じています。
これからより暑く長くなる夏。
想像、測定、実体験を基により良い設計を追求していきたいと考えています。
-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-
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