2018.3.31『オーブルデザイン退職日。』5年間の感謝を込めて。

家づくりへの想い・エスネルとは

Mです。

今日は僕の現職場であるオーブルデザインの退職日でした。

入社したのは2013年3月末だったので丸5年いたことになります。

退職して独立する旨を相談したのはちょうど一年前。

この一年間は本当にあっという間に過ぎ去りました。

所長の浅間さんへは感謝しかありません。

僕がオーブルデザインに入所したのは、前職の先輩に転職の相談したところ

「新潟で真面目に良い家を作り続けている本物の設計事務所だよ。」

「本気で設計を学びたいなら面接に行ってみれば?」

と教えてもらったことがきっかけでした。

・いずれ自分で設計事務所を開業したいと考えていたこと。

・高気密高断熱など専門的な家づくりを学びたかったこと。

・面接やブログから浅間さんの人柄に惹かれたこと。

・ちょうど良いタイミングで募集が出たこと。
 (これは本当に幸運だった。)

なども入所した理由でした。

「最後のお勤め頑張ってね。」
今朝は相方と息子が玄関先まで見送ってくれた。

入ったときの僕のレベルは、

・設計経験ほぼゼロ(営業設計レベル)
・構造計算、断熱気密知識ほぼゼロ(営業知識レベル)
・CAD経験ほぼゼロ
・工事監理経験ゼロ
(住宅営業経験3年あり)

はっきり言ってほとんどなにも出来ない新卒のような状態でした。

今考えるとよく採用してくれたと思います。

世界一周の旅に対してポジティブに評価してもらったことも嬉しかったです。

今日の通勤路。須頃小学校(三条)のモクレンが開花していた。

実際に入所して、すべてが勉強になりました。

技術的なことだけでなく、精神的なこと・思想・設計者として必要なものを学ばせて頂きました。

有給や早退なども気兼ねなく取らせて頂き、夜食や定期的な慰労会など数え切れないほどご馳走もして頂きました。

息子の出産の際は難産で陣痛が34時間以上にもおよび予定より2日も有給を伸ばして取らせて頂いたこともありました。

また、ボーナスをもらったときの感動は今でも忘れません。
(設計事務所でボーナスが出ることは稀。)

先日の送別会は「魚家(ととや)」さんで。
歓迎会も慰労会もほとんどここ。思い出のつまった特別なお店。いつもの二人席。

入所してすぐの頃は、自分の出来るレベルが求められるレベルに達していないこともあり、迷惑をかけました。

慣れない工事監理で確認が甘くなってしまったことがあり、その時は

「辞めるか?」

というところまで芯から詰められたこともありました。

そのほかにもたくさんたくさん怒られました。

 

オーブルデザインの事務所ビル。
3階の窓からは夕日や雪山など様々な景色が見れた。

それまでは住宅営業の経験しかなかったため、設計事務所の業務は全て新鮮でした。

模型製作や詳細図の作図、クギ一本・ネジ山の深さまで確認する工事監理、、

また、浅間さんがとても集中して仕事をされている姿が印象的でした。

仕事中は、音楽も雑談も基本的にありません。(響くのはマウスのクリック音のみ。)

最初はとても緊張しましたが、次第に「これが一番集中できる環境だ」と感じるようになっていきました。

「様々なことを学べる、吸収できる環境がある。」

「早く一人前になれるよう頑張ろう。」

経験を積むにつれて任される業務の幅も増えていき「期待に応えたい」「成長のチャンスだ」とモチベーションが高まっていきました。

 

事務所の駐車場の梅も開花していた。
『今日は退職するのにもってこいの日』とう言葉が頭に浮かぶ。

今思うこと。

とても多くのことを学ばせて頂きました。

感謝しかありません。

オーブルデザインに入所したことは、僕の人生のなかで最も幸運な出来事のひとつになりました。

設計者として成長できる日本一の環境だったのではないかと思っています。

まだまだ未熟者でまだまだ浅間さんから学ばせて頂きたいことがたくさんあります。
しかし、これから先は自分で課題を見つけ自分で解決していきながら成長していかなければならないと感じています。

浅間さんは人を育てるのがとても上手な人だと思います。

 
それは教え方が上手とかそういうレベルではなく、
 
一言で言えば、親が子に与える「愛」のようなものを施せる人だと思います。

 

心ばかりのお礼の品。「お麩のおすまし」と浅間さんが好きな「〆張鶴」

また、浅間さんだけでなく建て主様にも感謝の気持ちでいっぱいです。

この5年の間に、多くの建て主様とお会いし家を建てるお手伝いをさせて頂きました。

それぞれのご家族様ごとに、ここでは書き切れないほどの思い出があります。

お手伝いをさせて頂く中で、私自身も成長させて頂きました。

建て主様には感謝の言葉しかありません。

本当にお世話になりました。
ありがとうございました。

またいつかお会い出来る日を楽しみにしています。

そのときには成長した姿をお見せ出来ればと考えています。

退職日の今日、所員として所長に連れられて行く最後の昼食は馴染みの「来来亭」。
残業する日はよく二人でここへ夕飯を食べに来た。

この5年の間にオーブルデザインを取り巻く環境はとても変わりました。

高気密高断熱住宅はその重要性が認知され「時代の最先端」から「一般常識」へと変わってきています。

オーブルデザインが数年前から啓蒙している「床下エアコン暖房」もだいぶ普及してきました。

日本一の某大学の研究室と共同で住宅の温熱環境を測定したこともありました。
(とても貴重な経験を積ませて頂きました。)

また、事務所へ依頼される方の範囲はどんどん遠方へと広がりました。

今や県外のお客様のほうが多いくらいです。

都会で雑誌にばんばん載っている建築家ならさておき、
地方の小さな設計事務所でそれだけの依頼を受けていることは本当にすごいことだと思います。

事務所の玄関。この5年間この玄関戸を雑巾で磨き続けた。

今日僕は感極まってしまうことがありました。

「はなむけだ。」

と言われ退職金を頂きました。

社内規定には退職金はありませんでしたし想像もしていませんでした。

あまりに驚いて言葉に詰まってしまいました。

最後に、所長から

「握手でもしようか。」

と手を出してくれたのが本当にとても嬉しかったです。

 

退社時に「外出中」の札をかけるのが決まりだった。
毎日出社時に外し退社時にかけた。これが最後の「外出中」。

 

退社後、海岸線へ。暖かい夕日が目に沁みた。

双太郎も5年間の柏崎-三条の往復お疲れ様。
本当に助かったよ。

「オワリはじまり」という言葉が頭に浮かんだ。

「良い角度」で伸びる飛行機雲。

3月31日の今日は満月でした。

満月には「達成」「実を結ぶ」「開放」「新たな始まり」などの意味があるらしい。

感傷的になっているせいか、すべてが導かれているように感じた。

ありがとうございました。

本当にお世話になりました。

これから教わったことを胸に頑張っていきます。

いつかまた美味しいお酒を飲みましょう。

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