【想い】『これからの住を真剣に考える。』新築を建てるべきか。利点と欠点-変動する時代-暮らしの模索-

家づくりへの想い・エスネルとは

 

「自分にとって、家族にとって、どういう暮らしを叶えたいか。」

ずっと考え続けている。

新築、中古、リノベーション、建てずに賃貸、、

それぞれ一長一短ある。

また時代の変化により検討はより複雑になる。

変動する時代、自分はどういう暮らしを叶えたいのか。

改めてこれからの住を真剣に考えてみようと思う。

 

 

 

2020年以降、社会や経済は大きく変動してきた。

物価、人件費、エネルギー費、金利などは上昇傾向にある。

先日、都心に務める友人から話を聞いた。

「家が欲しいと思っていたけど、中古マンションすら厳しい(新築なんてもってのほか)。」

逆に

「住んでいたマンションを売ったら買った当初より高く売れた(十数年居住)。」

という話も聞く。

過渡期なのだろうか、暮らしにかかるコストの変動が激しい。

 

 

物価、人件費、エネルギー費、金利が上昇傾向。

僕は2025年春に自邸が完成し住み始めたが、仮に僕が今家を建てていなかったらこの状況で家を建てようという気になるだろうか。

おそらくならない。

本能的に今新築を検討することはストレス。

借り入れに不安もあるし差し当たり検討を先送りしたい。

先程の友人も

「今は賃貸のままやり過ごそうと思う。」

と言っていた。

 

しかし、子供は大きくなり、賃貸では手狭になる。

小学校入学までに学区を確定したいという思いもある。

また「今後、家賃が値上がりしていく」ことは目に見えている。

冷静に考えればやり過ごせば解決する問題ではない。

他にも

「猛暑が厳しい(冷房の効かない部屋、冷房費)」。

「地震など災害が起こった際のリスク(身体リスク、移住を迫られるリスク)。」

「待っても今後物価は上がる一方。」

など無視できない状況は多々ある。

 

 

本能的には「建てたくない。ローンは不安。複雑な検討はストレス。」

しかし、理性的に考えると

『時間が経つに連れて安全-快適-低コストな暮らしを得られる機会は失われていく。』

『確保出来るうちに住まいを得ておかないと厳しい。』

と感じている。

2020年以降、ウッドショックなど物価上昇の波が何度かあった。

その際「それでも建てた人」と「延期した人」の差を痛感しているから。

2020年以降、住宅価格は上がる一方。

結果的に「早めに決断して早めに建てた人」が一番割安だった。

おそらく今後もこの状況は続く。

物価は下がることはなく上がり続けるのだろう。

(それがいずれ収入に還元されトータルでゆとりある家計が叶うなら本望)

 

今の状況で家を建てることに不安を感じることは強く共感する。

しかし、反対に

『今、家を建てないこと』にも同様に不安を感じる必要があるのかもしれない。

 

 

 

 

家を「建てる」と「建てない」を冷静に検討してみる。(自分事として)

 

〈建て(たく)ない理由〉................

■物価、人件費、エネルギー費、金利などが上昇傾向(不安、ストレス)。

 

〈建てる利点(建てないリスク)〉................

■値上がりする家を最安で建てられるのは今。
・今後物価は上がっていく(過去を見れば明らか)。

■太陽光発電の活用メリット。
・上昇する電気代に対して抵抗可能。発電自家消費の経済性〇

■猛暑に抵抗。
・冷房しない室の不快感解消、熱中症-冷房病予防。
・冷房費低減〇
(今後、新居は「避暑シェルター」となる)

■災害に抵抗。
・(中古住宅、リノベーションに対して)大地震に耐えられる家。
=修繕費が抑えられる〇、仮住まいに移住するリスク減。
・適切な換気の実現=アレルギーや疫病に抵抗。

■年中快適な暮らし。
・春夏秋冬、快適な温湿度を叶える。
・温度差→冷え性-ホルモンバランスの乱れ-不眠などの症状の解消。
・季節の変わり目に風邪をひくリスク低減(特に子供)。

、、、

他にも様々な利点(リスク解消)が考えられる。

 

 

【秘訣】『良い家の検討項目。』家を建てる際に確認すべき点。-数値で示せる価値、示せない価値- - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

とは言え、不安は不安。

頭で理解しても心が動けないということは起こり得る。

僕も家を建てる前そういう状態になった。

その時は↓のように検討し乗り超えた。

 

【自邸-09】家を建てる理由-目的の再確認『ローンを組む前に覚悟を持つ。』-ホームブルーの乗り越え方- - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

また不安への対抗策として

『建てた家をいずれヴィンテージハウスとして売却する想定』もしている。

これからの時代、良質な住の確保がより困難になっていく(コスト的に。量的に)。

=良質な家の希少度は上がっていく。

またインフレによりモノ(家)の値段は上がっていく。

売値が建築費と近しくなるならばローンのリスクはほぼない。

また今後、家はより高値で売りやすい時代になると想像している。

ブログやSNSなど個人発信ツールにより、業者に頼りきらずとも価値を訴求できる方法は増えてきている。
(「築年数」「立地」など画一的な価値判断ではなく「性能」「素材」「暮らしやすさ」など深い部分の価値も伝えることが出来る)

もし自分の家が暮らしやすい良い家だと感じているようであれば、本気になれば家一件売るハードルは高くないと想像している。

またそうしたことは起こり始めている。

 

 

【秘訣】買った価格以上の値段で家が売れる!?『家の価値を保つ秘訣。』家は自分で売る時代へ。 - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

※インフレ=モノの価値が上がりお金の価値が下がる。

→「定年までは賃貸→(貯金+退職金で)老後に新築」の実現可能性はどれほどだろうか。
(今後建築費は増え、貯金の価値は目減りする)

『現役世代のうちに安心-快適-低コストな住を確保する』ことの重要性-有効性は真剣に考えたい。

(「インフレ=ローン額の価値も目減りする」ことは嬉しい)

 

※「子供の教育費」も慎重に検討する必要を感じている。
子供の教育費捻出のため住宅(子供と過ごす場所、自分たちが老後過ごす場所)を疎かにするのは本末転倒にならないか。
(「自分たちの健康寿命が減り子供に世話になる(金銭的にも、手間的にも)」という事態は避けたい)

 

 

【秘訣】『家を売ることを想定する場合、建てるべき家とは。』建ててからの家の価値。-インフレ時代の家づくり- - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

もちろん闇雲に家を建てるのではなく『住にかかるトータルコストを抑える工夫』は必要。

〇小さな家(かつ広く暮らせる家)。

〇冷暖房費を抑えられる家。

〇災害時に支出が少なくて済む家。

〇メンテナンス費を抑えられる家。

〇将来売れる性能を備えた家。

「暮らしやすさ」「心地良さ」「愛着」などの金額や数値で測れない価値にも注目したい。

これからの時代「家を建てる、家を選ぶ」ことはより慎重な検討が必要になってくる。

ポイントは

『イニシャルコスト(借り入れ額)を抑えることを優先し過ぎるあまり、トータルコストが増えてしまう家にならないこと。』
(冷暖房費、メンテナンス費、医療費、売却額、、)

 

※全ての方に新築を勧めるわけではありません。
状況によりケースバイケース。
(無理な借入はNG)
(都心部と田舎で考え方は異なる(必要コストが異なるため))

 

 

【秘訣】『未来の住宅大予測。』2030年の標準的な家とは。「性能、再販可能性、太陽光、、」 - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

................

 

と、ここからは異なる切り口の話を。

ここまでの内容は「建てる前に」「頭」で考える部分の話。
(僕は上記のように検討を進め、自邸を建てるに至った)

しかし「建てたあとの現実」は全く別物であるということも建てる前から知っておくと有意義。

家を建てた今僕が感じていることを紹介します。
(多くの方から同様の話を聞くため概ね汎用的な話だろうと感じている)

 

【今の率直な感想】................

「家を建てて本当に良かった(100対0で)。」

「妻や子供たちが新居で笑顔で過ごしていることが幸せ。それが全て。」

「逆に不安に飲まれ建てていなかった場合を想像すると怖い(その場合建て時を見失い一生後悔していたかも)。」

「おそらく『我が家』の価値が最も高いのは子供が小さいうち(2~13歳など)。その時期を我が家で家族一緒に過ごせることは一生の思い出になる。」

 

また

「検討から解放された。先行きを見ながら土地や家をどうするかをもう考えなくて良いこともとてもストレスフリー。」

「地に足がつけられた。この場所で生きていく覚悟が自ずと定まった。」

「ローン不安は感じにくくなった。あとはもう返すだけ。決断して進んだことでローンは頭の「検討フォルダ」から「庶務フォルダ」に移った(不安やストレス減)。」

「検討(不安)のフェイズは終わった。これからは日々の暮らしを楽しむだけ♪」

 

その他こまかい点として

「家事が楽になったこともとても大きな価値。日々の隙間時間が増えた。」
(乾太くん、食洗器等)

「収納が増え暮らしが楽になった。」
(適材適所収納、キッチン収納、床下収納など)

「友人や両親と新居で過ごす幸せ。」
(特に僕は両親が健在なうちに新居を見せられたことに大きな幸せを感じている)

「子供が大きな音を出しても問題ない。家を自由にカスタムしても良い。」

「家中快適、涼しい、暖かい。快眠できる。」

「カビやホコリなどが減りアレルギーリスクを抑えられることがとても安心(大人も子供も)。」

「家事楽-快適など上記利点から「夫婦仲が以前より良くなった」ように感じている(言い合いが減った)。」
(新築を建てて夫婦仲が良くなるというのはよく聞く話。ホルモンバランスが整う等も影響していると思われる)

、、、

そのほか「窓辺の居心地、庭の植栽の感動」など上げればキリがない。

また「健康」に対して長期的な効果も期待している。

 

〈まとめ〉................

長年の検討+実体験を踏まえると

「家を建てるのは結構ありですよ。」
(欠点を利点が上回る可能性は十分ありますよ)

と感じている。

 

 

 

 

................

最後に。「家はいつ建てるのが良いのか。」

僕の経験談としては(よく言われていることだが)

『家族(主に妻)が家が欲しいと感じている時が建て時。』

・物価や金利などの状況は関係ない。そういうものに注意していても建てるのに好ましい波は来ない。

・「建てたい」と感じているそのタイミングで建てきるのが良い(一番ストレスがない。家族にプラスの影響多)。

と感じている。

男性は本能的に「未来の不安に対して敏感」。

そして合理的に考えがちな生き物(損か得か)。

しかし「家を建てる」とは合理的に導き出されるものではないように感じている。

例えるなら「結婚」や「子どもを作る」ことに似ている。

損得で決めるものではなく「幸せ」を叶えたいという思い。
(もちろん損得検討も重要)

また住宅ローンには「団体信用生命保険(ローンを借りている人が亡くなった場合、残債がゼロになる)」が付随している。

建てた後もし自分になにかあっても家は残る。

「一度きりの人生、後悔なく前向きに楽しく生きたい。」

「家族と幸せな日々を過ごしたい。」

という思いに従っても良い。

そういったことを今感じている。

 

 

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