【網川原のエスネル‐23】耐力壁の工事監理!「耐震設計の基本・監理のポイント・モイスの防火性能。」

網川原のエスネル

ゆうです^^

網川原のエスネルでは耐力壁が取り付けられました。

耐力壁の施工で特に注意なのはクギの留め付け!

設計事務所(施工を請け負っていない第三者)による工事監理を徹底して行ってきました。

家づくりでの隠れた重要ポイントです。

「家がナニで地震に耐えるのか?」

と言うと

「壁」

なんですね。

間仕切り壁などの普通の壁も地震に抵抗することが出来るのですが、種類や施工精度により耐震強度が未知数なため、構造計算には含めないことが一般的です。
(余力として残す考え方)

そのため、耐震の主役として構造計算に反映するものが

「耐力壁」

と呼ばれる地震に抵抗する強さを持った壁になります^^

一般的な耐力壁の種類。
大きく分けて「筋交い系」「面材系」の2種類がある。
モイスTM資料より〉

左下に「壁倍率」という表記があります。

壁倍率とは「地震に対する強さ」を示したもの。
(とても簡単に言うと)

壁倍率1倍より、壁倍率2倍の壁であれば、地震力に2倍耐えられることになります^^

壁倍率は、面材の種類やクギ種・ピッチなどにより多数設けられています。

耐震設計の基本は、この耐力壁の

「量」「バランス」を調整することです。

耐力壁が多ければ多いほど建物を強く(硬く)出来ます。

強く(硬く)すれば、地震時に建物の損傷を抑えられる可能性が高くなります。
(=地震力に対する変移を抑制できる)

しかし、注意点は耐力壁のバランスです。

「右側は耐力壁が多いけど、左側は耐力壁が少ない」

と言った場合、

前後に建物が動いたときに、

「右はあまり動かないけど、左側はよく動く」

など「ねじれ」のような動きが発生します(+_+)

これが建物の損傷につながりやすいため、耐力壁の配置のバランスが重要になります。

さて、このバランスの問題はよく起きます!

それは、

「家の北側は水廻りなどで壁を設けやすいけれど、南側は窓を大きく取りたいため壁が少なくなりがち」だから。

そのあたりが設計者の腕の見せ所^^

耐力壁の「量」を確保しながら「バランス」も取っていく。

窓の配置・量など意匠的な要素ともバランスを取りながら。

安易に耐力壁を減らすのではなく。
(耐力壁を減らせばバランスがとりやすくなる)

このように「構造」と「間取り」は綿密に交わりあっているのでした^^

これが
構造をプランと同時に検討すべき理由です。
(通常はプランが先で構造は後(外注)になりがち、)

設計事務所の仕事『ラフプラン検討。』間取りと構造。

................

長くなってしまいました(^^;)

ここまでは構造「設計」のお話でした。

ここからは構造「施工」のお話。

耐力壁(+外張り断熱)の施工が進む網川原のエスネル。
(5月中旬)

白い板状のものが今回選定した耐力壁^^

Moiss(モイス)です^^

モイスを選んでいる理由は

「防火性能」が高い点が優れているから。

モイスTM資料より〉

外壁の種類に寄らない防火認定を取っているため板外壁と相性が良い点もポイントです^^

板外壁が火災に弱いがというとそうではない。
なぜなら、壁の内部で防火層を形成しているから。

防火層とは外から「モイス」「グラスウール」「石膏ボード」
(準防火性能)

施工されるモイスTM(耐力面材)。

さて、
耐力壁の施工にはいくつか監理ポイントがあります^^!

その①「クギの種類」



耐力壁の仕様に沿ったクギが使われているか。

耐力壁に使われるクギは主に「N50」というものだが、壁倍率によっては「CN50」など通常と異なったクギを使う場合もあるので要注意。
(クギ頭の文字や色を見て判別できる)

その②「クギの留め付け間隔」

耐力壁の仕様に沿ったクギの留め付けがされているか。

耐力壁の種類や壁倍率によって、クギの留め付け間隔(ピッチ)は異なる。
設計どおりのピッチで留め付けられているかの監理をする。

その③「クギのめり込みが許容範囲内か」

疎かになりがちなのがクギのめり込み。

特に注意が必要なポイントです。

モイスはクギのめり込みは1mm未満まで。

現場施工精度に対して非常にタイトな要求になるが、必要な性能を確保するために守って頂くよう監理していく。

地震に耐えるには「耐力壁とクギの接している長さ」が重要となる。
(めり込むと接する長さが減ってしまう→×)

(中には「少しめり込ませたほうが効く」など勘違いされている大工さんも、)

↑クギのめり込みが深すぎた部分。
指摘してクギを新たに「増し打ち」してもらった。

非常に細かいことを言うと、
クギはエア釘打ち機で留めていくのだが、留め付け下地が「柱」か「間柱」かでクギのめり込み具合は変わる。
(柱と間柱の固さや密度が一様でないため)

間柱のほうが細いため、同じ空気圧だと柱の釘はめり込みゼロで打てても間柱のクギはめり込み1mm以上になることも。

そのため、柱と間柱とを空気圧を変えてクギを打つなど細かな調整が必要になる。
(ここまで指摘する監理者は本当に少ない)

その他にも、耐力壁の工事監理の注意点は、、

耐力壁の板の縁から適正な離れをとってクギを留めているか。

クギが縁に近すぎると板が割れやすくなってしまうため、モイスは縁から12mm以上離すこととなっている。
(モイスはクギ打ちガイドの線が入っているので施工者に優しい^^)

耐力壁の上下階の張り分け部は6mm以上離れをとっているか。


地震時に板が動いたときに板どうしが干渉し合わないよう適切な離れを取る必要がある。

基礎と触れる部分も同様。
離れを確保されているか確認する。

内部の耐力壁(構造用合板)(仮止め中)。

................

ここまで細かく耐力壁のクギのことを言うのは、突き詰めて言えば、

地震に耐えるのはクギだから。

クギの施工が疎かであれば、構造計算どおりの耐震性は発揮されません。

地震の被害の原因が「耐力壁の施工不良」だったというのはよく聞く話です。

そして、このクギは外壁を張れば、見えなくなってしまいます。

それは、施工精度が低くてもクレームになりづらい部分ということ。

クギの施工精度まで厳しく監理している会社は実はそう多くはありません。

エスネルデザインが設計と施工を分離した家づくりを勧めているのもこういった理由から。

「施工品質の崩壊と独立した工事監理。」

そして耐震性は、家族の安全はもちろんのこと、被災時の経済的な負担に関わってきます。

被災時に損傷するかしないか。

これは、

・復旧費用がかかるかかからないか。

そして、

・耐震性の劣化があるかないか。

につながります。

耐震性の劣化があれば、同じ地震が次に来たときは同様に耐えられるかどうか分からないということ。

被災時に損傷するかしないか。

その分かれ目はクギの施工で決まっているのかもしれません。

................

ついつい地震、耐震がテーマの記事はアツく、長くなりがちです(^^;)

それは僕自身が、被災、支出、家族が仮設暮らしで暮らす、などの大きなストレス経験があるから。

とても辛い体験でしたが、今では僕の大きな財産となっています。

-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-

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村松 悠一 一級建築士
エスネルデザイン代表


新潟の気候に合った「暖かい小さな家(エスネル)」を提案している。
趣味:旅行、カフェ、夕日、1歳の息子と遊ぶこと。

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