エッセイ。『シンプルなデザインとは。』-シンプルとは素直さ-

エッセイ

『シンプルデザイン』

住宅を表現するのによく聞く言葉。

 

シンプルなデザインとはどんなものだろうか。

 

僕が思うシンプルなデザインとは

『素直なデザイン』ということ。

 

エゴを抑え、素直な設計を行いたいと思っている。

 

 

 

例えば「屋根の出のありなし」。

 

屋根の出がないほうがシンプルなデザインなのか。

 

雨の流れを素直に考えて設計を行えば良いと思う。

 

 

 

例えば「建物正面の窓のありなし」。

 

窓がない家がシンプルなデザインなのか。

 

必要に応じて素直に窓を設ければ良いと思う。

 

 

 

例えば「エアコンなどの設備を隠すこと」。

 

設備が見えないことがシンプルなのか。

 

効率や交換を考え素直に取り付ければ良いと思う。

 

 

 

例えば「多機能設備」

 

換気、冷暖房などをひとつの設備で賄うことがシンプルなのか。

 

操作性やメンテナンスの容易さを考え、機能は複合しない方が良い。

 

壊れることを想定すれば単機能のものの方がリスクは抑えられ

また単機能のもののほうが往々にして壊れにくい。

 

 

 

外形や平面は凹凸を少なくまとめられれば良い。

 

基礎や屋根や壁の面積を抑えることは工事費やメンテナンスコストの低減、耐震性向上や熱損失低減など良いことがたくさんある。

 

デザインのための凹凸は不要。

素直に設計し凹凸を抑えられれば良い。

 

 

 

使う素材も、製造・運搬・交換の容易さを基に考えられれば良い。

 

地域または国内で得られ、廃番のない素材を使えれば一番良い。

 

 

 

機能や室も、必要以上に欲しがることはない。

 

これまでに必要なかったものは新しい家にも要らないことが多い。

これまでの暮らしで不足を感じたことを改善できる家であれば良い。

 

機能や室は外で補える場合も多い。

 

 

また、自分専用にカスタムした家である必要はない。

後々のことを考えれば他者にとっても住みやすい家であるほうが良い。

 

 

 

 

素直さを学ぶ最高の先生は『自然』。

 

自然の中にエゴはない。

 

植物も気象も、全て素直に起こり、成長している。

 

 

 

 

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これは自戒のための備忘録。

初心を忘れないために。

 

得たいのは素敵な家ではなく『幸せな暮らし』。

 

目的を忘れることなく日々の設計に臨んでいきたい。

 

 

-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-

 

 

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