設計事務所の仕事『要望ヒアリング。』-新居で叶えたいことは-
こんにちは^ ^
設計事務所の大きな仕事に『プラン(間取り)作成』があります。
敷地を読み取り、建て主様の要望を聞き、使い勝手や構造、そしてコストを考慮しながら唯一無二のプランを設計する。
設計事務所の力の見せ所ですね。
プランを設計するための第一歩目として
要望の聞き取り(ヒアリング)を行います。
設計事務所の存在意義は
設計力が大手メーカーや工務店よりも優れていること。
ではないでしょうか。
(正確に言うと設計だけでなく、ランニングコスト等も含めたトータルプランニング力)
※「設計事務所」…施工を自社で行わない設計のみを行う会社
(施工と設計を分離することで第三者の目で見た適正な現場監理を行うことが出来る。)
「もちはもち屋」という考え方です^ ^
施工は施工のプロである「工務店」へ。
融資などの資金計画は「ファイナンシャルプランナー」へ。
設計は設計のプロである「設計事務所」へ。
それぞれのプロに別々に依頼するということ。
※その分手間はかかります。
その手間を省き、まとめてサービスしてくれるのが「大手メーカー」ですね。
(営業・融資・設計・工事などをまとめて依頼できる)
設計事務所の存在意義である「設計力」を活かしてプランを作るわけですが、その第一歩目が「要望聞き取り(ヒアリング)」です。
敷地を読み解き活かしつつ、その方の要望に沿った細やかな設計をしたいと考えています。
※要望をお聞きしますが、全てを叶えたプランを作るわけではありません。
要望を聞いた上で設計士が「建て主様の真の優先順位」を感じ取り、取捨選択を行い、プランにします。
なにかを諦めることで別のなにかがより良くなることはよくあります。
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それでは具体的にどのようなことを聞き取るのでしょうか。
もしこれから家を考えられる方は自分自身に質問してみてください^ ^
■家で「これだけは叶えたい」というものはなにか。
【ちょっとスクロールを止めて考えてみてください。】
いかがでしょうか。
どんなものが頭に浮かばれたでしょうか。
具体的なことでしたでしょうか。
抽象的なことでしたでしょうか。
もちろんどんなものでも結構です。
今、浮かんだものを一番大切にして家づくりを進めてみてください。
ヒアリングは以上です。
半分冗談ですが半分本気です^ ^
それだけ、この質問が重要だということ。
具体的に家づくりがスタートすると、最初に浮かんだこの回答がどんどん薄れていきます。
間取り
キッチン・外壁などのグレード
壁紙・床などの内装
全体の予算
工期・引っ越しのタイミング
融資・金利、、、
など、検討すべきことが山積みで宿題になってくるからです。
だからこそ
家で「これだけは叶えたい」というものはなにか。
という最初の質問の回答を大事にしてみてください。
途中で道に迷ったとき、
きっと貴方の家づくりを良い方向へ導いてくれると思います。
と、言いつつも他の具体的な要望もお聞きしないとプランが作れませんね(^^;)
ということで実際には他の質問もしていきます。
ここで重要なことは
「絶対にはずせない要望」なのか
それとも
「出来れば叶えられればいいな。」といった程度の要望なのか
を考え、すみ分けることです。
その程度を明確に伝えられると、より良いプランが出来ると思います。
それではその他の聞き取り開始です。
■住まわれる家族について
・お子様の人数(将来の想定も)、年齢、ペットなど。
■希望する部屋数
・子供部屋は何室ほしいか。
・客間、和室(畳コーナー)の要不要。
・トイレは1階と2階に必要か。
など。
■それぞれの室に具体的な要望があれば
・洗面脱衣室は物干し場も兼ねたいので広くとりたい。
・寝室・子供部屋は狭くても良い。
・各個室はベッドかフトンか。(ベッドのサイズ)
・2階リビングがいい。大きな吹き抜けが欲しい。
・キッチンに対する要望。(対面式、壁付け、造作、、)
など。
■食事中にテレビを見るか
・ダイニングテーブル全席からテレビが見れるのが必須かどうか。
・片側からだけでも良いか。または食事中にはテレビは見ないか。
など。
■新築に置くことが決まっている家具など
・仏壇、神棚、ピアノ、タンス。
など。
■必要な駐車場の台数
・2台~4台など、必須かどうか。
・カーポートは必要か。(台数)
・現在乗っている車の車種。(特殊な車であれば)
など。
■その他こだわりがあれば
・内装、外観、庭、具体的に使いたい材。
、、、
などなど。
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注意点は
「ヒアリングのしすぎは禁物」
ということ。
具体的に聞き取りすぎると
「あるならあるにこしたことないよね。」
「出来ればありで。」
という回答が増えるからです。
そうすると優先順位がぼやけたメリハリのないプランになりがちです。
そのため設計士は「聞き取りすぎないこと」にも注意する必要があります。
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ここで『良いプランを造る秘訣=豊かな暮らしを叶える秘訣』をお伝えします。
それは
要望を持ちすぎないこと。
「住めば都」という言葉があります。
人間ある程度順応するものです。
「絶対必須」という要望は実はそんなに多くないと思います。
「過度な要望を持ちすぎないこと。」
将来、家を売るときが来るかもしれません。
「自分たちの次に住む人を考える。」
そんな心持ちは、将来の自分たちを助けてくれるかもしれません。
また、伝える要望を抑えて『設計士の提案するプランを楽しみにする』のもひとつの手。
設計士は、使い勝手や見た目の他にも、構造やコストなど様々な要因を複合的に検討してプランをまとめます。
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家づくりを始めると、いろいろと情報収集されると思います。
「オシャレで広々とした洗面室」
「和室とつながった広いリビング」
「大きなウォークインクローゼット」
「隠れ家のような書斎」
、、、
本当にそれを叶えたいようであればいいんです。
しかし、情報を集め見過ぎていると「本当にそれを叶えたいのか自分でもわからなくなる」ことがあります。
そうなると要望(夢)ばかりが膨らんでいき、その結果、コストも膨らんでいきます。
「(短期的に考えた)夢の家」を建てることが目的なのか。
「家計にゆとりのあるちょうど良い暮らし」が目的なのか。
設計士と話をしている中で見えてくることもあります。
夫婦で話しながら、設計士と話しながら、そして自分自身と話しながら、
ぜひ『貴方の本当の要望』を見極めてみてください^ ^
-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-
【追記】................
網川原のエスネルのK様がご自身のブログで「要望ヒアリングの回答」を書かれています。
メリハリが効いていて良いご要望ですね^ ^
【ヒアリング後の具体的なプラン提案例はこちら】
設計事務所の仕事『初回プラン提案』‐case.網川原のエスネル‐ - 住宅設計エスネルデザイン