【秘訣】夏の日射熱調査⑤「室内へ侵入する熱『直射光』と『反射光』【概要】。」
ゆうです^^
前回、ロールスクリーン(以下:RS)の有り無しによる室内温度の比較をしました。
結果は、17時半の時点で「RS有り」と「RS無し」では
天井壁床に約10℃の差がつきました。
なぜ10℃も温度差がついたのでしょうか??
前回の調査結果。
RS有りと無しで天井壁床に10℃程の差がついた。
なぜでしょう?
「夏の直射日光が室内に入って暑くなったからじゃないの?」
と思いますよね。
しかし、違うんです!
というのは
13時以降は「直射」は遮られていたんです。
(窓が東向きのため、午後は直射が入らない)
そして13時時点では室内は同じ温度でした。
「え!夏は直射を遮ればいいんじゃないの!?」
「そのために屋根を出すとか今よく言われてるじゃん!」
と思いますよね。
近年ちまたにあふれる「屋根(軒)を出して夏期の日射を遮りましょう」の図。
もちろん、軒を出すなどして直射を遮ることはとても効果的です。
しかし、「直射」だけ遮れば良いのでしょうか?
実験の話に戻りますが、「RS有り」も「RS無し」も13時以降の直射は遮られていました。
それでも、夕方にはRS無しのほうがRS有りより10℃程の温度が低くなりました。
なぜでしょうか?
もう分かりますよね^^
「直射」がなくても部屋は明るいですよね。
光が入っているからですね。
その光は直射ではないですよね。
そう!それは反射光です。
日光は2つに分けられます。
「直射光」と「反射光」です。
(学術的には「直達日射」と「散乱日射」と言われる)
反射光は、空中のチリや雲や空気分子に反射し、空中で乱反射しています。
反射光ももちろん「熱」の原因になります。
RS無しのほうがRS有りより10℃程の温度が低くなった原因は、
反射光(による熱)を遮っていたから。
ということですね^^
それを裏付ける写真が撮れました。
東面(左)と北面(右)。
どちらも直射は当たっていません。
しかし!オレンジの円の中に注目すると、、、影が!
「影の中に影」が出来ています!
そして「影の中の影」はなんと全方位でほぼ同様の高さに出来ていました。
南面(左)と東面(右)
西面。
北面(左)と西面(右)。
この「影の中の影」こそ反射光によって出来た影ですね。
方位性がないことこそ、空中で光が乱反射している証ですね。
(雲などの条件の違いにより影がどう出来るかは変わる。)
全方位から入射する反射光。
影を見る限りおよそ下図のようになることが分かります。
(正確には光=熱ではなく、光(赤外線)がもの当たることで分子が振動し熱が発生する。)
大事なことなのでもう一度。
話を実験に戻すと、その反射光の影響で
17時半の時点で「RS有り」と「RS無し」で、天井壁床に10℃の差がついたわけですね。
夏の日射熱を単純にとらえるなら、
(直射光だけでなく反射光も含めて)
光が入っている(室内が明るい)
≒熱が入っている。
という認識で良いかと。
すだれや遮光カーテンで光を遮れば、熱も遮れるということ^^
今回は以上です^^
僕自身、反射光で影が出来ることを初めて知りました。
「考えながら過ごしていると新しい発見に気付けるものだなー」
と改めて実感しました。
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さて、
今回の記事を読んで、疑問が浮ばないでしょうか^^
「直射光と反射光の影響はそれぞれどのくらいなの??」
「反射光の影響って直射光に比べれば微々たるものなんじゃないの?」
調べました!(詳しくは次回)
正確ではありませんが、
おそらく全ての熱の影響を10としたとき、その内訳は、
反射光による熱:約4
直射光による熱:約6
くらいだろうと。
どう感じられますでしょうか。
僕は反射光の影響が想像よりとても大きいことに驚きました。
夏期の日射遮蔽は「直射を防ぐだけでは足りない」かもしれません。
詳しくは次回に!
(夏の日射熱調査シリーズ、意外と続きます(^^;))
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