原惣右エ門工房見学vol.2【蝋型鋳込み→表札!】-唯一無二の表札プロジェクト-

【素材・職人技】の物語

ゆうです^^

前回「砂型」の鋳込みについて書きました。

今回は「蝋型」(ロウ型)です。

蝋型から唯一無二の表札が生まれます!

前回の鋳込みの様子はこちらをご参照↓

原惣右エ門工房見学vol.1【鋳込み】-唯一無二の表札プロジェクト-

前回は砂型の鋳込みでした。

砂から生まれる鋳肌がとても綺麗でした。

今回は「蝋型」です。

蝋型の特徴としてはより繊細なデザインが表現できること。

例えばこちら。

唐草模様のオブジェ。
繊細な模様はもちろんのこと内部も空洞。
これ鋳物なんです。(削って作られたものではない)

鋳物で作られた物の特徴の一つに「柔らかさ」があります^^

この「柔らかさ」「繊細なデザイン」を両立したのが「蝋型鋳物」なんです。

(手仕事で作られる唯一無二の表札にピッタリだと思いませんか^^?)

蝋型鋳物で作られた表札。
「柔らかさ」「繊細さ」の他に「耐候性が高いこと」「経年変化すること」も重要な選定ポイント。

風雨に晒されれば最終的には緑青色に変化していく。
(雨が当たらない場合は銅色が濃くなっていく)

原惣右エ門さんの表札(50年以上経過)。
時間を経て綺麗な緑青色に。

さて、その蝋型鋳物がどのようにして作られるかと言うと、

デザインを起こし、ロウで製品の完成形を作ります。

ロウで作られた原型に、型となる砂を塗っていきます。

ロウに近い部分から粒子の細かい砂を塗る。外側に行くに連れて粒子の粗い砂を。
つなぎとして和紙なども練りこまれている。

「適した粘土が取れたことが柏崎で鋳物が発展したきっかけになったんです。」

と原さん。

熱に耐えられるよう型を針金で巻き込み、その上にさらに土を塗り、注ぎ口を作ったら「蝋型」の完成。
(写真は表札ではない別の蝋型)

そして、炭の中に注ぎ口を下向きにして蝋型を置き、ロウを溶け出させる
そうすることでロウの形の空洞が出来た「型」が完成します。

燃え盛る炭の中から手で型を取り出すのには驚きました。

ロウが溶け出た型を、注ぎ口を上向きにしてセットします。

銅の火加減を確かめる原さん。

銅を型へ注ぎ込みます。

蝋型鋳物は型も熱しているので1時間程は冷ます必要があります。

冷ましてから型ばらしを。

表札の型ばらしには立ち会えなかったのですが、他の蝋型鋳物の型ばらしを見ることが出来ました^^

トンカチで型を壊していく。これがまさに鋳物の真の魅力。

原惣右エ門工房さんのHPには下のように書かれています。

「原型も鋳型も残らない鋳造法ですが、そうして生まれたものはいくつもの時代を超えてこの世界を彩り続けます。」






「それらの鋳物は量産ができません。だからこそ、全ての製品に私たち作り手は強い思いを込めることができます。」 

銅で出来た部分が取り出せました。

金ブラシで磨く。

赤丸部分が蝋でデザインした部分。(その他は導線、補強線)
アクセサリーの一部なんだそう。

さて、表札は型ばらしが済んでいました。

ロウで作られた繊細なデザインがしっかりと反映されている。
精度高く砂型が作られた証。

仕上げを施して完成した表札がこちら。

磨きと薬剤による酸化促進で燻したような風合いに。
他にも藁で燻したり、ヤニで仕上げたりなど様々な仕上げがある。
コーティングと艶出しのため最後にロウを塗っている。

ならしタガネを打ち込み模様が作られていた。

新潟の(今はなき)ある池をモチーフに作られた表札デザイン。
お客様の想いが形になっていた。
別途、蝋型鋳物で製作されたカエル君が可愛い^^

ワニ革のような風合いに仕上げる技術もあり、鋳物の加工はとても奥が深い。
蝋型の表面に生まれた模様がそのまま鋳肌に反映される。

「一定の条件が重なった時でないと実現しない」など偶然出来る表情もあり、同じものを作ることは難しい。

そこが昔から変わらない手作業で製作される一点物の魅力。

................

ショールームには他の表札見本も。

お手入れ方法とオーダーメイド表札について。

いかがでしたでしょうか^^

「世界に一つだけの我が家」に、職人さんの手仕事で作られる「世界にひとつだけの表札」はいかがでしょう。

もしその場合は、製作過程ものぞいてみるとより一層価値や思い入れが増すと思いますよ^^
(その際はお気軽にご相談を)

【蝋型ばらしの動画です^^】


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原惣右エ門工房の斑紫銅 at 柏崎。『唯一無二の表札プロジェクト。』

原惣右エ門工房さんHP。

原惣右エ門工房 - 五代晴雲|新潟県無形文化財

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