【快適性】なんのための超高断熱?「家中暖かく快適に暮らすため。」【全館空調のススメ】
ゆうです^^
エスネルデザインでは「超高断熱」仕様をお勧めしています。
大きな理由は「快適性」と「経済性」を高めるため。
今回は、快適性について。
高断熱の家の快適性はどれほどなのでしょうか。
ポイントは「天井-床の温度差」と「全館空調」です。
昨年完成したS邸リノベーションのサーモグラフィの様子をご報告します。
まずはS邸のご紹介を^^
S邸の見どころについて。簡易的なサーモ調査も行った↓
S邸リノベーション。35「完成前見学会開催!S邸の見どころ♪」
完成後の内覧写真たち↓
【S邸Web内覧会⑥】「プロ撮影による完成写真たち。」
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ではでは、サーモグラフィの話に戻ります^^
もう一度言いますが、
ポイントは天井と床の温度差。
低断熱の家でも、エアコンで設定温度を上げれば室温は上げられます。
しかしそのとき、高断熱でないと「天井と床に大きな温度差」が出てしまいます。
具体的に言えば、
頭部が暑く、足まわりが冷たい。
不快な状態ですね。
ということで
天井と床にいかに温度差が少ないか。
が冬場を快適に暮らす大きなポイントです^^
(それを実現する為の高断熱)
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さて、具体的にサーモ画像を見て頂く前に「サーモ画像を見るときの注意点」を↓
S邸リノベーション。17「サーモグラフィ調査①『注意点』。」
注意点は、
温度差の印象操作が容易にできてしまうこと。でした。
ではでは、具体的にS邸のサーモ画像を見ていきます^^
【条件】................................
調査日:2018.12.14 12時前後
(平均気温:4.3℃、最高:7.2℃、最低:2.5℃、日照時間:2.4h)
場所:新潟市
建物性能:UA=0.35、C=0.7
暖房器具:エアコン(1階1台、2階1台)
運転状況:設定温度26℃で24時間以上連続運転後(躯体は十分暖まっている)。
(暖房時間が短いため実際の使用時より温度設定は高めで運転した)
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暖房前(2018.12.9)。天井も壁床も冷え切っている。(約5.5℃)
話の前にもうひとつ前提条件の説明を。
温度バー(サーモ画像の右端にある温度と表示色の関係を示したバー。上の画像では最高20℃~最低4℃)の温度設定は変えることができます。
これを固定(すべて同じ最高温度~最低温度)してそれぞれのサーモ画像を比較するのもひとつの方法ですが、今回はパッと見の分かりやすさを優先するため、
青・・・不快温度。(18℃以下)
黄-橙・・・快適温度。(22-24℃)
赤・・・暖かい温度。(25℃以上)
として表示されるよう温度バーの最高温度と最低温度を画像ごとに調整しました。
(詳細な温度数値を見なくてもなんとなく感覚的に
「ここが不快そうだなー。」「ここは問題なさそうだなー。」
と読めるようにした。)
ではでは!
1階リビング(吹抜け下部)。
壁上(スポット1):24.5℃
壁下(スポット2):23.4℃
床(スポット3):23.4℃
壁と床の温度差は1℃程。
(ほぼない)
吹抜け上部。
天井(スポット1):25.3℃
2階壁(スポット2):25.3℃
1階壁(スポット3):24.8℃
(先ほどの画像から)床温:23.4℃。
吹抜け天井と床の温度度差は2℃程。
(とても小さい)(天井~床=約7m)
これが高断熱がもたらす効果です^^
文章では伝えきれませんが、
天井と床の温度差が1~2℃の暖房空間は本当に快適です。
足元が冷えず、頭部も暖まりすぎない^^
新潟で暖かい家に住みたい場合、高断熱仕様は必須です。
S邸の断熱仕様はこちら↓
S邸リノベーション。28「防水処理・床気密・外張り断熱!」
ちなみに、断熱リノベーション前の旧S邸のサーモグラフィはこちら。
天井(スポット4):26.0℃
壁(スポット2):18.0℃
床(スポット3):14.4℃
天井と床の温度差=約11℃。
足元がとても寒く不快でした(^^;)
詳細はこちらを↓
S邸リノベーション。18「サーモグラフィ調査②『現地調査』。」
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ちなみに、「吹抜け上部」で一部青くなっていた部分がありました^^
青○の部分(スポット4):18.3℃
これはなぜかと言うと、、
青くなっている部分は24時間換気の「給気扇」。
外気(新鮮空気)が入ってくるため、周辺の温度が下がっています。
ポイントは、給気扇をエアコンの吸い込み口の上部に設置しているところ。
これにより、外気(冷気)はすぐに暖められ、人が不快に感じないようにしています。
(夏場も同様。暑く湿気を含んだ外気をすぐにエアコンで除湿・冷却する)
快適性は「断熱性」だけでなく「空調計画」も大きなポイントになります。
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続いて個室のサーモ画像を。
2階子供室。(内壁側)
天井(スポット1):21.5℃
壁(スポット2):21.0℃
床(スポット3):20.3℃
天井と床の温度差は1℃程。
そして、注目は黄色○(スポット4)の部分:24.7℃
これは、ホールに設置したエアコンから暖気を個室に送る「循環ファン」です^^
(暖気がホールから個室へ入ってくるため温度が高くなっている)
ホールに設置された「循環ファン」黄○
2階空調計画図。
各個室にエアコンはなく、ホールのエアコン1台から各個室に暖気を送るシステム。
高気密高断熱仕様であればこれが可能^^
(各個室にエアコンを置く必要がないからイニシャルコストも抑えられる。)
また、1階と同様に給気扇からの外気は最短ルートでエアコンへ。
ポイントは
「外気を個室に直接入れず、空調してから入れること。」
今までは個室に給気扇を設け、風呂やトイレで排気するという空調計画が多かった。
(現在でも多い)
しかし、それだと、個室に冷たい外気が入ってきて不快!
そこで考え方を180度変えました。
「給気はエアコンのそばから、排気は個室から」
そうすれば、
・個室に冷たい外気が入ってこなくて済む。
・人間から出る匂いやCO2もすぐに排気できる。
・ホールからのエアコンの暖気を個室に引っ張ることができる。
(風呂、トイレは個別で排気)
「新鮮空気の経路」と「空調空気の経路」を同じ経路で計画する。
これがエスネルデザインの空調計画です。
この「空調計画」+「超高断熱」で全館空調を可能にします。
全館空調をする
→家中の温度差が少なくなる
→最大の快適性!
ということ^^
断熱性よりも実は全館暖房のほうが快適性に関わる大きなポイント。
そのあたりはまた別の機会で^^
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2階子供室。(外壁側)
天井と床の温度差は1℃程。
黄色○の部分は給気扇ではなく「排気扇」。
だから青色にならない。(→個室に外気(冷気)が直接入ってこない)
2階ホールの給気扇。
周囲が約23℃なのに対して、給気扇付近の温度(スポット1)は16.5℃。
これが個室にあれば、室温は下がり、冷気が体に当たれば不快に感じてしまう。
(→最短ルートでエアコンに入れる)
2階ホール。
天井と床の温度差は1℃程。
(左奥が赤いのは「吹抜け+エアコン」があるため)
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キッチン。
天井(スポット1):22.2℃
壁(スポット2):22.1℃
床(スポット3):18.7℃
天井と床の温度差は3.5℃程とリビングと比べて少し大きい。
これは、キッチン本体やコンロ前の壁が障壁となりエアコンの暖気が上手くまわっていないため。
(それでも床温が18.7℃あれば大きな問題はない)
こういった場所の温度差をさらに小さく、さらに快適にするためのものが「床下エアコン」です。
このあたりも詳しくはまた別の機会に^^
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まとめると、
・高断熱の家は、天井と床の温度差が小さくなり快適。
・全館空調は家中の温度差を均一にでき快適。
空調は奥が深いのでまたゆっくりとまとめていこうと思っています^^
【おまけ】................
サッシ周り(樹脂ペアガラス)。
壁24.3℃に対し、樹脂枠は19.5℃(→十分)
(樹脂枠の露出を最小限にして美観の向上と熱損失の抑制を図っている)
樹脂枠(室内):15.7℃ / 樹脂枠(外):2.4℃。
→十分な断熱性。
(外気温4.7℃程)
外部から。
ガラス部:2.5℃ / 樹脂枠:2.1℃ / 外壁:1.3℃
日陰:17.1℃ / 日向:20.2℃
(暖房開始3時間後)
冬場の日射熱は室内を暖めるのにとても効果的。
(新潟の日照時間はとても短く積極的な日射熱利用は難しいが)
コンセントまわり(内壁)
温度差がないことから、床下からの漏気がない→気密性が高いことが分かる。
(S邸は床断熱仕様)
エアコンの吹き出し口:52.1℃
室外機の排気ファン前:-1.9℃
吹抜けのサーモ画像。
柱・梁と断熱材部分の温度差は1℃程。(いわゆる「熱橋」)
そのあたりの話はまた次回に。
【追記】................
熱橋対策について記事を書きました^^
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村松 悠一 一級建築士
エスネルデザイン代表
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