【網川原のエスネル‐27】壁内断熱材施工。万が一を想定した設計を。
ゆうです^^
網川原のエスネルの現場は現在内部造作中。
完成見学会(9/7・8)に向けて順調に進んでいます。
さて今回は、壁内の断熱材の施工について。
断熱材の隙間は結露リスクにつながるので正確な施工が求められます。
エスネルデザインの断熱仕様は超高断熱のダブル断熱です。
柱間にグラスウールを入れ、柱の外はフェノールフォームで覆います^^
外側を覆うフェノールフォームは、断熱性アップだけでなく、熱橋防止や、防水性向上にも効果を発揮する。
小林棟梁に製作して頂いた断熱材の実物モケイ。
快適性や冷暖房費のコストパフォーマンス、耐久性など、最適な断熱材の種類と厚みを検討しています。
ただし!
設計だけでは絵に描いたモチ!
現場でしっかりと設計通りの施工がされているかを監理することが重要になります。
柱間に綺麗に設置されたグラスウール。
小林棟梁、道川大工さん、中村大工さん、ありがとうございます^^
上の写真のように、柱と間柱の間にグラスウールを設置していく。
壁内は下地などもあり、その部分をカットして綺麗に納めるなど丁寧な施工が必要。
(ただ押し込めるのでは×)
グラスウールを採用している理由は、
・安い(材料・輸送・施工コストが低い)
・施工性が良い
・無機質の為、性能低下がほぼ無い
・性能も十分
・燃えない
など。
一番のポイントは「コストパフォーマンス」と「性能低下割合」。
材の断熱性能(熱伝導率)はその次。
それは、断熱性能が低くても厚く使えば、同じ断熱性は出せるから。
壁と基礎の断熱材の連続も重要な工事監理のポイント。
気密シートもあり、正しい施工がされているか設計者が目視で確かめる。
窓周りは下地の関係で隙間が狭くなりがち。
そこにもピッタリとグラスウールが設置されているか監理する。
壁を貫通する換気扇などの管の周囲はグラスウール施工前にウレタン吹きつけし、断熱処理+隙間を塞ぐ。
こういった見えなくなる部分も入念に監理。
透明の材は気密の為のコンセントカバー。
カバーの分を切り欠き、綺麗にグラスウールを納めて頂いた。
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エスネルデザインでは、ダブル断熱をお勧めしています。
その理由は、断熱性向上もですが、
万が一の断熱欠損を防ぐため。
万が一、グラスウールが密実に施工されてない部分があった場合、
【ダブル断熱の場合】
グラスウールに断熱欠損があったとしても、外断熱材が効いているため、壁全体の断熱性の低下率は大きくない。
(外張りシングル断熱と同等)
【シングル断熱の場合】
「断熱欠損=断熱材ゼロ」となる。
これが怖い。
なにが怖いかと言うと、断熱性の低下ではなく、結露リスクが上がること。
結露は局所的な断熱欠損であっても起こる可能性がある。
断熱欠損が窓周り近傍であったり、タンス・本棚など大きな物の裏だったりすると結露の可能性はさらに高まる。
そして、結露の放置はカビ等の発生につながっていく。
どの施工店でも
「万が一は無い(断熱欠損はない)」
という前提で施工は行われますし、建て主様にも当然そう説明するでしょう。
しかし、それは分かりません。
設計事務所が工事監理をしていたとしても、全ての部分で断熱欠損がないかどうかを確認することは出来ない。
そして家は、炎天下の夏、極寒の冬など過酷な外で、現場で造られるもの。
「想定外」となるリスクを少しでも抑えられるように
(過剰設計にもなりすぎないようバランスを検討しながら)
万が一の可能性も想像しながら設計していきたいと常々考えています。
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村松 悠一 一級建築士
エスネルデザイン代表
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