ケンチク探訪♪ 34『旧齋藤家別邸』庭屋一如と紅葉の庭。
ゆうです^^
皆さまは、新潟市の旧齋藤家別邸に行かれたことはありますでしょうか。
個人的に、新潟県のケンチク探訪お勧めベスト3に入る建物。
庭と建物の融合「庭屋一如」。
言葉なくても伝わるものがあります。
「新潟の宝」と言える建築。
心からお勧め致します♪
旧齋藤家別邸では、11/8~11/17まで秋のライトアップ&組子建具展が開催されます。
旧齋藤家別邸HPより。
旧齋藤家別邸とは(HPより)................
豪商齋藤家の四代齋藤喜十郎が、1918年に別荘として造ったものです。
砂丘地形を利用した回遊式の庭園と、近代和風建築の秀作といわれる開放的な建物は、大正時代における港町・商都新潟の繁栄ぶりを物語る文化遺産です。
2005年、保存を願う運動が市民有志によって起こされました。
署名、市議会への請願などが実を結び、2009年、新潟市はこれを公有化しました。
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保存活動に熱心だった知人から話を伺い、僕も署名に参加したのが懐かしい。
現在築100年。
新潟の建築の宝です。
10月末の夕方に久しぶりに訪れた。
とても短いアプローチ。
これには理由がある。
旧齋藤家別邸配置図。
広大な敷地に、敢えて南側に寄せて建物を配置し、北側に向けて窓を取っている。
玄関を抜けると庭と一体となった座敷が広がる。
4年前の紅葉時期の写真。
新緑の頃。
写真を見ると、どれも日が室内に入っていないことが分かる。
これが「建物を南に寄せ、北側に窓を取っている理由」。
そうすることで、南からの順光に照らされた庭を眺めることが出来る。
「庭屋一如」とは、庭園と建物を一体のものとして考える設計思想(またはその状態)。
そして、旧齋藤家別邸は2階がとても素晴らしい。
二階の大広間。
(2015.11.1)
時間が止まるような感動がある。
菊の透かし彫り欄間など、建築的にもとても面白い。
(2019.10.31)
この瓢箪のような形の手摺台が旧齋藤家別邸のアイコンになっている。
新緑の時期もとても良い。
新緑の旧齋藤家別邸。
起伏のある庭園の散策もとても愉しい。
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旧齋藤家別邸は、新潟の人々に愛される建物であり続けるでしょう。
疲れたときにふと訪れると、心が軽くなるかもしれません。
県外から来た友人に観光地としてお勧めしても良いかもしれません。
春夏秋冬の変化を感じに来ても良いかもしれません。
この建物が保存されて本当に良かった。
長谷川さん、ありがとうございました。
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村松 悠一 一級建築士
エスネルデザイン代表
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