【低炭素】環境負荷低減『太陽光発電によるLCCO2(ライフサイクルCO2)の差。』太陽光発電の再評価。

【太陽光・環境負荷低減】の秘訣

ゆうです。

エスネルデザインは

『環境負荷=LCCO2(ライフサイクルCO2)』の低減を考慮した設計を行っています。

環境負荷低減を考慮する場合、

太陽光発電による環境負荷低減はどの程度なのでしょうか。

比較しました。

 

 

 

近年、環境負荷の低減をより意識して設計を行うようになりました。

無理のない範囲で、出来る限り『環境負荷=LCCO2』を抑えたい。

その想いを以前の記事にまとめました。

 

【SDGs】環境負荷低減『面積・断熱性の違いによるLCCO2(ライフサイクルCO2)の差。』超高断熱の意義。 - 住宅設計エスネルデザイン

 

エスネルデザインではこれまで『断熱性の向上』『家のコンパクト化による熱損失の低減』を推奨した設計を行ってきました。

それは、冷暖房費・税金・保険・メンテナンスコストなどの『住みながらかかる費用の低減』のためであり、それはまた『環境負荷低減』のためでした。

耐震性や耐久性など家の躯体性能を優先し、エスネルを提案してきました。

 

 

 

逆に、設備への言及は大きく踏み込んでいませんでした。

具体的に言うと、給湯器太陽光発電によるコスト低減や環境負荷低減について。

理由はいろいろあります。

 

・設備のグレードアップよりも躯体性能の向上を優先したほうがメリットが大きいため。

限られた予算内でなにを優先するのか。この優先順位は今も変わらない。

(設備は買い替え可能。給湯器や太陽光発電設置による快適性・居心地の向上は少ない)

 

・どんな発電方法によって得られたエネルギーを選ぶかは個人の価値観によるため。

(エコキュートなど、深夜電力の利用は原子力発電と密接に関わっている)

この点は単純ではない。

判断は建て主様がされるものと考えている。

 

太陽光発電で言うと

・屋根の向き、漏水対策、積雪対策、新潟の日照の少なさ、など考慮すべきハードルが多い。

・投資的な側面が強かった。

などがあり、エスネルデザインから推奨することはしてこなかった。

(あくまで「太陽光発電は投資」として判断は建て主様に一任していた)

 

また

・設備商品は山のようにあり、毎年更新もあるため、正確に把握しきれていない。

・できるだけイニシャルコストを抑えたいというニーズが強い。

・太陽光の発電効率に寄らず、外観内観を優先して屋根形状を決めたかった。

なども挙げられる。

 

 

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ただし、その意識が変わってきました。

エスネルデザインでは今後、太陽光発電を推奨していきたいと考えています。

上記の課題を一つ一つクリアしていきます。

(無理強いはしません。予算や考え方によって変わります)

 

理由は

・近年、積雪が減り、新潟でも冬場の日照が増えてきていること。
(今後、その傾向は大きくなると思われること)

・より環境負荷を低減できる家を提案したいという意識が高まってきていること。

・売電価格の低下により、投資的な側面が薄れてきていること。

・丁寧に検討すれば、経済的なメリットを出せる可能性は十分にあること。

・固定価格買取開始から10年が過ぎ、10年後の売電価格や太陽光パネルのリスク対策などが把握できてきたこと。

などが挙げられます。

 

 

もちろん「環境を最優先し、経済性は無視!」と言うことはありません。

現時点ではあくまで『経済性と環境負荷低減が両立できる範囲内での提案』を考えています。

 

具体的には、発電した電気をなるべく自家消費できるよう考慮した太陽光パネル容量の選定。

自家消費率を高めることでコストパフォーマンスを上げる。

これは、固定価格買取期間(10年)が終わった後の売電単価下落による経済性の低下を抑えるため。

(詳しくはまた別の機会に)

 

太陽光発電採用によるLCCO2の削減率の試算。

エスネルに4kWの太陽光パネルを乗せると、比較モデルより6割弱の削減が出来る結果となった。

 

 

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近年、太陽光発電は下火です。

それは、売電単価が落ちてきたから。

(42円/kW(2012年)→21円/kW(2020年))

 

しかし、このタイミングで太陽光発電の再評価を行いたい。

大げさに言えばパラダイムシフト。

「投資」から「環境配慮の幸福感」へ。

環境負荷低減はハッキリ言えば自己満足のような側面もあります。

しかし、それで良いから行動すること。

僕は今、自分の家を建てるならそうしたいと感じています。

 

 

 

太陽光発電を採用する上で考慮すべき点は

・建て主様のご理解
(設計者の丁寧で客観的な情報提供)

・設置費用準備(借入れ等)
(いずれペイすると考えるなら実質負担は無い)

・屋根形状の検討
(向き、角度、外観内観とのバランス)

・雨漏りリスク、災害リスク対策
(設置方法、保険など)

・パネル重量を考慮した構造計算

これらをクリアした上で、具体的な太陽光パネル選定が必要になります。

 

 

 

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『設計士として自分に出来ることはないだろうか。』

『自分はどんな暮らしを幸せと感じるのだろうか。』

という問いを常に感じています。

 

太陽光パネルや給湯器の検討。

これからも情報を発信していきたいと思います。

皆さまの家づくりの参考になれば幸いです。

 

 

-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-

 

 

【参考】................

「運用エネルギーゼロ」「ライフサイクルCO2マイナス」についての試算。

 

■エスネル(27.5坪、UA=0.24)に太陽光パネルを約9.2kW乗せるとおよそ運用エネルギーをゼロに出来る。

※計上した運用エネルギーは「家電」も含む。全館冷暖房前提。

※いわゆるゼロエネルギー住宅(ZEH)の計算は家電を含まない。

(ZEH基準であれば太陽光約4~5kWでクリア出来る)

 

■エスネル(27.5坪、UA=0.24)に太陽光パネルを約11.5kW乗せるとおよそライフサイクルCO2をゼロに出来る(期間60年)。

※太陽光パネルの「新築」「修繕」「改修」「廃棄処分」時の排出CO2は不算入(今後調査)

 

 

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