【柿崎のエスネル‐9】『雨漏りリスクを抑える3次防水設計の屋根。』家の長寿命化によるトータルコストの低減。

柿崎のエスネル

こんにちは^ ^

柿崎のエスネルの屋根工事、防水設計を紹介します。

『家の長寿命化は雨漏りリスクを抑えられる屋根から。』

シンプルで効果的なエスネルの屋根防水設計を紹介します。

 

 

 

 

柿崎のエスネルは上越市に建つ『超高断熱の小さな木の家。』

こもりロフト、デイベッド、田園窓、米山窓、桜見窓、、、

『複数の居場所、居心地、景色』を叶える2階リビングの家です^ ^

 

 

【柿崎のエスネル‐1】モケイ完成。3Dパース紹介。『家族で夢を語る特別な時間。』-ワクワクの共有- - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

これまでの工事監理の様子はこちら↓

 

【柿崎のエスネル‐7】基礎工事『コンクリ打設監理。』-第三者監理による質の担保- - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

【柿崎のエスネル‐8】上棟『構造、クギ施工監理。』-第三者監理による質の担保- - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

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さて皆さまに質問です^ ^

『家に求められる重要な性能』とはなんでしょうか。

断熱性?気密性?耐震性?家事楽?、、、

それらも重要ですが、忘れてはならないのが『防水性』

 

防水性は家を建てる上で最も重要な性能のひとつ。

それは『家で起きる瑕疵保険事故の9割以上が雨漏りによるもの』だから。

どんなに性能の良い家を建てても、雨漏りが起こり「構造材の劣化」や「カビによる健康被害」が起こっては元も子もありません。

 


住宅保証機構パンフレットより。

 

 

エスネルデザインの屋根防水設計を紹介します^ ^

 

 


雨漏りリスクを低減する3次防水屋根。

防水性だけでなく「構造(登り梁)との相性」や「施工性」も考慮して設計している。

 

 


屋根工事は2階の梁上に構造用合板を張るところから。

 

 


合板の上に透湿防水シートを張っていく。

 

 

万が一屋根からの漏水があった際、この防水シートに落ちた水は壁の防水シートを伝って屋外に排出される。

『3次防水層』として機能する防水シート。

 

 


防水シートで屋根全体を覆う。

 

 


屋根の防水シートは追って壁の防水シートと連続する。

家全体を防水シートで包む設計。

 

 


防水シートの上に垂木(屋根の下地)を設置していく。

事前にパネル化しておくことで施工性向上を図っている。

 

 

垂木のサイズは積雪時にも問題ないよう構造計算により算出。

構造計算を行うことで『安全性の裏付け』と共に『必要なサイズ(=コスト)の最適化』を図ることが出来る。

 

 


垂木施工のポイントその1は通気経路の確保。

垂木間の通気が適切に行われるよう垂木に通気処理を施す。
(特に屋根先。丸穴あけ、下端開放など)

 

 


垂木施工のポイントその2は留付ビスの選定、施工。

強風で屋根が飛ばされないよう適切なビスを選定。

そしてそのビスが現場で使用されていることを確認する。

 

工事において重要なのは『見えなくなる部分。』

施工者だけでない『設計事務所(第三者)による工事監理』は重要なポイント。

 

 

設計事務所の仕事『第三者による工事監理「工事監理報告書」作成。』 - 住宅設計エスネルデザイン

 

 


垂木設置完了後、野地板(屋根下地)を留めていく。

(画像は網川原のエスネルより)

 

 


この垂木間が屋根の通気層となる。

通気層には

〇屋根内にこもる夏期の熱気の排出。

〇屋根内の蒸し返しや結露による湿気の排出。

〇室内からの湿気の排出。

〇万が一の際の雨水の排出。

など様々な役割があり丁寧な設計が求められる。

 

 

〈補足〉................

エスネルの屋根(天井)の断熱は『室内側からの施工(=上棟後の施工)』を選択している。
(=垂木間など屋根合板の上には断熱材は設置しない)

理由は『早めに屋根工事が完了できるように。』

上棟時に雨が降る場合もある。

屋根をかけるまでの工程はシンプルな方法を選択したいと考えている。

(その地の気候や重視するものによって選択は変わる)

 

 


垂木の上に張られる野地板。

 

 


屋根の頂部には垂木間通気の出口となる隙間を設ける。(棟換気)

 

 


その後、野地板の上に防水紙であるゴムアスファルトルーフィングが張られる。
(二次防水層)

含有されるゴム成分により、屋根材の留め付け時に出来るクギ穴の経年による開きを低減。

(もし当該穴から漏水が起こったとしても3次防水層により雨水を排出)

 

 


その後、1次防水層である屋根材が設置され、屋根が完成^ ^

 

 

屋根材はガルバリウム鋼板を選定するケースが多い。

ガルバリウム鋼板は「軽い(地震力軽減)」「防水性が高い」「高価でない」「雪(凍害)に強い」等のメリットがありメジャーな屋根材となっている。

 

 


屋根の頂部に垂木間通気の出口である棟換気を設置。

低い部分(軒先)から吸気され、高い部分(棟)から排気される。

熱気の上方移動する性質を利用した素直な通気計画。

 

棟換気材は雨水の侵入を抑制したものを選定しているが、棟換気から雨水が侵入した際にも3次防水層により雨水は外部へ排出される。

商品にも施工にも完璧はない。

特に防水に関しては『万が一』を想定した設計が重要になると考えている。

 

 

この後、太陽光パネルが設置されました^ ^

(荷重を考慮し構造計算済み)

 

 

 

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3次防水層のある屋根防水設計。

防水性や通気性の高い屋根を造ることは『屋根=家の長寿命化』につながり、さらには数十年後の屋根修繕コストの低減につながる。

『住にかかるトータルコストの低減を。』

エスネルデザインのベースとなる設計思想^ ^

 

家の検討は『目に見えない部分』がとても重要になります。

その部分は設計士に託されていると言っても過言ではありません。

勉強、経験、想像、実行、改善、、、

これからも『長期的に安心できる暮らし』を提案していきたいと思います。

 

 

-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-

 

 

 

 

【関連記事】................

屋根だけでなく外壁3次防水層まで考慮して設計を行っています^ ^

設計や材の選定は『様々な効果を複合的に考慮』して決定する。
(断熱性、防水性、施工性、コストパフォーマンス、、、)

設計者の想像力や判断力が試されるところです。

 

 

詳しくは以下の記事をご覧ください^ ^

 

【秘訣】「ダブル断熱」のススメ。3つの大きなメリット。 - 住宅設計エスネルデザイン

 

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また、上記では語りませんでしたが

屋根や壁の防水設計の重要ポイントは

『軒の出があること。』

軒の出により外壁や窓に当たる雨水量を抑える。
(板張り外壁の場合、板の劣化低減にもつながる)
(屋根なしデザインの場合は防水設計、施工に要注意)

『屋根形状がシンプルであること。』

山や谷の多い屋根、片流れ屋根などは避けられればベター。
(意図があり採用する場合は防水設計、施工に要注意)

 

雨は風や重力など自然の摂理で動く。

リスクを抑えられるよう

『シンプルで素直な設計』を心掛けたい。

 

 

【message】『素直な設計を。』-理に適った自然体の設計- - 住宅設計エスネルデザイン

 

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