【能登半島地震】状況の把握。新潟市の液状化被害。-株式会社Be-Do様ブログ紹介-

【構造・耐震性】の秘訣

こんにちは。

能登半島地震について。

なにが起こったのか。

新潟市の液状化被害の様子。

その状況をまとめられた株式会社Be-Do様の記事を紹介いたします。

 

 

 

2024年元日に発生した能登半島地震。

なにが起こったのか。

建築は今後どうあるべきか。

まずやるべきことは現状の把握。

被害状況を見る。資料や専門家の報告を調べる。

個人の憶測による判断をせず出来るだけ正確に現状を把握する。

 

能登半島地震でなにが起こったのか。

新潟市の液状化被害の様子。

その状況をまとめられた株式会社Be-Do様の記事を紹介いたします。

横山様、記事紹介のご承諾大変ありがとうございました。

 

 

新潟市西区の液状化被害はどこで起こったか~

 

 

内容を抜粋して紹介いたします。

(全文や写真は横山様の記事をご覧ください)

以下
太字:横山様記事から引用
細字:エスネル村松の言葉

 

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・調査の概要
調査実施日:2024年1月21日
実施内容:踏査による液状化被害の目視観察
調査範囲:新潟県新潟市西区(下図の通り)


出典:Be-Do様記事

 

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①新潟市西区朝日通り
(新潟砂丘の内陸側の縁辺~後背湿地)


出典:Be-Do様記事

 

西区寺尾朝日通りでは、新潟砂丘(近辺の高い場所で標高27m程度)と、後背低地(低い場所で標高-1.8m程度)との地形境界付近で液状化被害が集中していました。

砂丘の斜面の上側から下に表層の地盤が流下することによる地盤変状がみられ、周囲には盛んな液状化噴砂がみられました。

擁壁、ブロック塀、道路の舗装などは、標高の低い側に押しやられているような被害がありました。

このような特徴から、石川県河北郡内灘町付近で発生していたとみられる、下層の地盤の液状化に伴って表層地盤が標高の低い側にズレ動く、「側方流動」が発生していた可能性が推測されます。

 


出典:Be-Do様記事

 

横山様は内灘町の液状化被害についても調査や発信をされています。

先日その記事を紹介させて頂きました。

新潟市寺尾と同様の被害が確認されています。

 

 

【能登半島地震】状況の把握。金沢市の液状化被害。-さくら事務所様ブログ紹介- - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

村松:2024.1.3.寺尾に行き状況を確認した。

砂丘と平地の境界周辺で液状化の被害が大きく、砂丘から低地に向かって地面が押し流されたことは明らかだった。

それにより建物の沈下や道路の陥没、隆起が至る所で発生していた。

 


アスファルトの隆起から地面の横ズレ(側方流動)が起こったことが伺えた。

 

また新潟西郵便局の被害は大きかった。


大きく沈み込む駐車場。

郵便局側へ土が流れその分水が湧き出た様子が伺えた。

土間コンクリートは各所で崩れ折れていた。
(鉄筋は入っていない模様)

側溝は浮力により浮き上がっている。
(内部が空洞。マンホールと同様)

 


建物の隆起+道路の沈下により郵便局前通路と道路は30cm以上の段差が出来ていた。

 

「これらの被害を絶対に忘れまい。」

「報道やネットで頭で理解するのではなく実際の経験として肌で記憶すべき。」

「この災害を心に刻み今後の建築に生かすことが建築士の責務。」

様々なことを考えながら近辺を歩いて回った。

中越沖地震後に被災した地元柏崎を見て回ったことが思い出された。

 

 

『中越沖地震から12年。』家を建てる上で最も大切なこと。 - 住宅設計エスネルデザイン

 

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②新潟市西区小針西
(旧池沼)

西区小針西では、以前沼地であった場所における液状化被害が目立ちました。

標高は-0.6~-0.8m前後と周辺の低地の中でも際立って標高が低い場所に位置しています。

 


出典:Be-Do様記事

 

この付近の古地図を確認すると、水田地帯の中にある池沼があった場所と判読され、旧池沼であった場所が埋め立てられるなどして、宅地化された場所であるものと考えられます。

この地域の住宅地では、宅地周辺の地盤沈下、盛んな噴砂の噴出、電柱の傾き、ブロック塀などの沈下、道路の変状などの被害がみられました。

 

................

 

③新潟市西区ときめき西
(旧河道~自然堤防)

西区ときめき付近では、「旧河道」および「自然堤防」付近で液状化被害が目立っていました。

 

④新潟市西区善久
(旧河道~自然堤防)

西区善久は、ときめき西の南側の地域あたり、「旧河道」および「自然堤防」付近で液状化被害が目立っていました。

 

村松:このエリアも長時間歩いて回った。

大きく沈み傾く家々。

被害は非常に厳しく胸が痛んだ。

今回の被害は液状化による地盤の沈下。

地震の揺れにより家(木造部)が壊れた被害と異なり、外壁や基礎にヒビ割れは見られずに傾いていた。

骨が折れるのではなく沼に足が埋まるような状況。

たとえ家が耐震等級3であっても関係ない。

液状化対策、沈下対策の重要性を再認識させられた。

 

 

【秘訣】液状化の判定について。「地盤補強の効果」 - 住宅設計エスネルデザイン

 

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今後の地震に備えて、課題となる点についてまとめました。

①砂丘のへりにおける側方流動のリスク

西区寺尾朝日通付近において、砂丘の内陸側縁辺部で側方流動とみられる被害が発生したことが特徴的でした。

砂丘の上は液状化の条件である地下水位が深い(低い)ことから液状化しづらい傾向がありますが、砂丘と砂丘の間の低地や、砂丘の縁辺部(後背湿地との境界近く)は、緩い砂も多く、地下水位も浅い上に、斜面であるということで特有の被害が生ずる可能性について理解が必要です。

(中略)

 

②注意を要する地形区分:砂丘のへりに加えて旧池沼・旧河道・低い自然堤防

新潟市西区小針西の液状化被害は、地形区分図と、旧版地形図から、池沼だった場所を埋めた「旧池沼」での被害であることがわかりました。

ときめき西、善久付近も旧河道と、旧河道と標高がほぼ同程度の低い自然堤防であることがわかりました。

液状化現象は、緩い砂地盤と高い地下水の水位の場所で強い地震(概ね震度5強程度)の地震が来ると発生することがあります。

(中略)

 

③自治体液状化マップ・液状化履歴との関連性

液状化しやすさマップでは、液状化危険度を危険度4:液状化の可能性が高い、危険度3:液状化の可能性がある、危険度2:液状化の可能性が低い、危険度1:液状化の可能性が非常に低い、危険度0、液状化判定の対象外、に区分しています。

また、液状化履歴がある地域も着色されています。

液状化は同じ場所で繰り返し発生することが知られており、過去の発生履歴も液状化リスク検討材料になります。

 


出典:Be-Do様記事

 

村松:ときめき西から善久にかけてグレーに塗られているエリアは昔信濃川が流れていた場所。

家を建てる際(土地購入の際)は液状化しやすさマップの確認は必須。

(各ハザードマップの確認も同様に必要)
(新潟市は海抜0m以下の土地が少なくない。液状化だけでなく水害対策も重要なポイント)

 

 

新潟県内の液状化しやすさマップ

 

 

今回紹介させて頂いた内容の詳細は下の横山様の記事をご覧ください。

写真や図と共に詳細にまとめられています。

これから家を建てられる方や建築士にとってはもちろんのこと、すでに住まわれている方を含め全市民にとって重要な情報だと感じています。

横山様、当ブログでの紹介承諾の方改めてありがとうございました。

 

 

新潟市西区の液状化被害はどこで起こったか~

 

 

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家の耐震設計の重要性はその啓蒙が進んできた。

地盤について、液状化についてもう一度向き合い直さねばならない。

事前の対策、地震時の避難方法、その後の復旧方法、、

また正確で詳細な情報収集、情報の保管、情報の紹介、、

建築士も暮らす方もやれることは多々ある。

そして大地震はいつかまた必ず起こる。

能登半島地震で起きたことと向き合い未来の被災を減らすことに尽力したい。

 

 

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