【お客様の声】『子供のアトピーを治したい。安全安心な暮らしがしたい。』家を建てる前に考えること。

〈家づくり中〉検討過程・良い家への想い

こんにちは。

先日、A様より問い合わせメールを頂きました。

『子供のアトピーを治したい。』

『建てた家を直したい。』

『安全安心な暮らしがしたい。』

A様の真摯な思いに胸が打たれました。

家を建てる前に検討すべきこと

A様の声を紹介させて頂きます。

 

 

 

A様は現在築10年の家に住まわれている方。
(UA=0.8程、気密測定なし、耐震等級1)

「断熱-換気-耐震を改善したい」という相談を頂きました。

A様の思いは胸を打つものでした。

長文になりますがこれから家を建てられる方は必読の内容です。

A様、ブログ掲載ご許可の方大変ありがとうございました。

 

 

【A様メール添付文より】................

〈家にかける想い〉

〇〇(お子様)のアトピーを治したい。

家の事を調べだしたきっかけが我が子のアトピーの完治。

アトピーでずっと病院に通っていたがいつまでたっても治る気配がない。
薬を塗っている間は問題ないが塗るのをやめるとすぐに肌が荒れだす。
子供も薬を塗ることを嫌がる。
嫌がる子供に無理やり薬を塗る方も精神的にまいってしまう。

完全にアトピーを治す方法はないものかとネットで探してみたがなかなか治ったという事例が出てこない。

色々探した中でなんとかある事例に行き着いた。

『住む家を変えた人。』

高気密高断熱の家に住むことでアトピーや喘息などのアレルギー疾患のほとんど全ての症状が改善されるというものだった。
しかも高確率で。
アトピーは7割の人が改善するというデータがあった。

調べてみると高気密高断熱の家に住んでいる人の感想は「とにかく暖かくて快適。」
ほとんどみんな同じ感想だった。

風邪もひかなくなって病気が減るという記載も多い。

暖かく快適な環境では体への負担が減り、結果免疫力がつくということなのだろうか。

逆に言うと、低気密低断熱の家に住むからアレルギー疾患になってしまうとも言える?
アトピーの原因は家なのか?
どういう原理でアトピーが治るか詳細はわからないが〇〇のアトピーを治すにはこれしかないのではないかと思われた。

 

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家を建てる時は、全くと言っていいほど家の知識がなかった。

気にしていたのはお金のことくらい。
アパートに住んでいても家賃を払い続けるだけだし毎月同じくらいの金額で家が建てられれば一軒家の方がいいんじゃないかという安易な考えしかなかった。

家に性能があるということ自体知らなかった。

安くするためには小さくするしかない。
大きさには全くこだわりがなかったので、延床24坪の小さな家を購入した。

冬は寒いものだという固定観念があったので特に何も不満はなかった。

 

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まず、自分の家が高気密高断熱の家なのか?
どこからが高気密、高断熱なのか?
???だらけだった。

断熱についてはUA値という数値が判断する基準となるみたい
外皮平均熱還流率といってどれくらい熱が家の表面から逃げていくかを表す数値みたいだ。
床、壁、屋根の表面積と断熱材の種類、熱伝導率と厚みがわかれば簡易的に計算できる。
計算してみるとUA値は0.87だった。
これは断熱等級4という当時の最高等級らしい。
日本全体で断熱に対する意識が乏しくヨーロッパに比べると日本の断熱基準はものすごく低いみたいだ。

どこまで断熱を良くすれば快適になるのか?
HEAT20という基準によるとG2というグレードまで断熱性能を上げるとほとんどの人が満足するレベルまで行くらしい。
それでもヨーロッパでは最低基準レベルみたい。
新潟の場合はUA値0.34がG2となる。
現状0.87以下なので半分以下の性能しかない。

 

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気密性能に関してはC値という数値がある。
家の中にスキマの面積を延床面積で割った数値みたい。
C値が1.0以下だと高気密と呼んでいいレベルらしい。
出来れば0.5以下にした方がいいという。
断熱性能とは違い、気密測定と言って機械を使って実測する事でしかC値はわからない。

ただ、日本の家の10%くらいしか気密測定していないみたい。
我が家も気密測定していない。
気密測定をしない工務店は気密の重要性や必要性がわかっておらず当然気密を意識しないで建てるためスキマだらけの低気密となる。
気密が取れていないと断熱材を厚くしても暖かくならないしスキマだらけで負圧にならないため換気もまともに出来ないらしい。

建てた後で気密性能を上げることは基本的には出来ないみたい。
壁、床、天井全てをはがして柱だけのスケルトン状態まで解体すれば気密を取れるらしいが、家を建て替えるのと同じくらいお金がかかるので現実味がない。

いずれにしても、気密処理をして隙間からの空気の出入りは極力無くしたい。
隙間から外気が入ると壁内結露する⇒カビが生える⇒ダニ繁殖
カビの胞子とダニの死骸の粉などのアレルギー物質が入ってくることを避けなければ我が家からアレルギー疾患が無くならない。
〇〇(お子様)のアトピー、●●(お子様、奥様)の喘息、私のアレルギー鼻炎など現状出ている症状の改善にはしっかりと換気をすることが絶対に必要。

 

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部屋の温度を20℃にしていたつもりだが、場所によって温度差が結構あることがサーモグラフィーを使ったらわかった。
温度計はキッチンカウンターの上に置いており床から1.2mの高さにある。
床の温度は16~17℃くらいで4℃程低い。
足をのせていた床部分が20℃くらいになるので4℃程熱が奪われている。
床の断熱が弱い証拠だ。

 

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能登半島地震で初めて子供達は大きな地震を経験した。
震度5強だったので家の被害は無かった。
地震はいつ来るか全く予想が出来ない。

我が家の耐震等級は1。
これは国が建築基準法で定める最低基準だ。
熊本地震では震度7が2回来た。
1度目の地震は耐えたが2度目の震度7で倒壊した家が多い。
しっかり基準を守った耐震等級1の家も7棟倒壊している。
倒壊するということは、人が押しつぶされて死ぬということだ。
倒壊を回避できていても補修が必要な家が多いみたいだ。

耐震等級3の家は2度の震度7に対して構造体はほぼ無傷、そのまま住み続けられる。
大地震が来たらその地域全体で被害が出ているので仮に保険金が出たとしても家を直すことも建て替えることも不可能。
修復に何年も待っていられない。
耐震等級1では家族の命も、大地震後の生活も守れない。
大地震が来ても補修の必要がない耐震等級3が必須条件だと思う。

 

安心して快適に住める健康でいられる家
この家が大好きだと言ってもらえるような笑顔の絶えない家
そんな家に我が家をしたい。

 

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私がエスネルデザインを知ったきっかけは高気密高断熱の家を新潟で作っている所はどこかを調べた時最初に見つけたのが「オーガニックスタジオ新潟」さんでした。

ただ、□□(A様お住まい市)は施工範囲外だったので□□でも高気密の家を建てられそうな所を探した所、三条の「サトウ工務店」さんが見つかりました。
C値0.2以下の超高気密な家を作っていることに驚きました。

サトウ工務店さんを調べていたら「住学」の存在を知りました。
当時佐藤さんが校長をやられていました。
住学を調べる中で世界一周をした村松さんの存在を知ります。
そこからエスネルデザインの事を知り、ホームページやブログを読んでいくと、エスネルの家が私にとって理想の家だと気づきます。

少しでも安く高性能を実現するために小さな家とすること
小さくてもたくさん居場所を作ることで狭く感じさせないこと
小さくすると収納不足になりがちだが高基礎による半地下大収納
建てた後も維持費を安くするための機器の選択
自然を感じられるグリーンウィンドウ
災害に強い家
快適で健康に暮らせる家
どれをとっても私にとってとても魅力的なものでした。

もし今、家を建てるならエスネルの家を建てたい。
でもすでに家を建ててしまっているので今ある家を少しでもエスネルの家に近づけたい。
そんな思いからエスネルデザイン村松さんに連絡させていただきました。

 

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当時私は新しい家は暖かくて地震に強いと勝手に思い込んでいました。
車の場合は燃費性能、動力性能、価格を見比べて選ぶのに、家の事は無条件にどこで建てても同じじゃないかと。
今考えると不思議なものです。

ただ小さい家にしたことは正解でした。
軽い車は燃費が良いように
断熱性能が低くても小さな家は燃費も維持費も安く済みます。

 

ブログ掲載の件、もちろんかまいません。
一人でもアレルギーに悩む人が減って欲しいですしこれから家を建てる全ての人が耐震等級3の家にしてほしいと願っています。

 

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A様、大変ありがとうございました。

A様ご家族様の状況や思いに胸が打たれました。

快適-健康-安全な家が当たり前にならなければいけないと建築士として責任を感じています。

 

これから家を建てられる方へ。

快適-健康-安全な家を建てるためには知識が必要になります。

『家づくりは家族の人生づくり。』

建てて終わりではなく、建ててからがスタート。

災害対策、健康を守る、老後の売却考慮、家族が笑顔で過ごせる暮らし、、

ゆとりある豊かな人生を送るため慎重に真剣に家づくりをご検討ください。

それを叶える助力になれればと思っています。

 

 

-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-

 

 

 

【補足】................

僕からA様への返信メールを紹介します。

恐縮な話になりますが建てた家を性能改善することは容易ではありません。

リノベーションは新築に比べ設計も施工も難易度が高い。

知識も経験も時間も新築以上に必要になる。

白か黒かで割り切れない判断も必要になる。

きちんとしようとするならばコストも新築レベルにかかってくる。

リノベーションを真剣に考えれば考えるほど

『新築時にきちんと設計し施工することがどれほど重要か』を痛感します。

 

【僕からA様への返信メール】................

メール本文やエクセルのほう拝見させて頂きました。
お子様のアトピーを治されたい想いとても共感しました。

私の子もアトピーがあり病院に通っています。
私自身アレルギー性鼻炎があり親子とも改善したいという想いがあります。

同様の症状を持つ知人から聞いた話ですが
「G2レベルの高断熱高気密+換気がなされた新居に移住して自分や子供の症状が大きく改善した。」

「逆にそうでない家に遊びに行くと症状が出る。」
という話を聞いています。

〈参考ブログ〉
【渋谷さん発表②】『高断熱住宅(G2)の快適性と健康性。』温度ムラと喘息。
・高断熱化高気密化により家中の温度差を抑える
・高気密化により換気を想定通り働かせる
等はこれらの症状を改善する効果が明らかにあると感じています。

耐震性を上げられたいという思いもとても共感します。
私も中越沖地震で実家や妻の実家が大きく被災し妻の家族は長期の仮設暮らし+住宅復旧へ大きな支出が発生しました。

................

現実的な話になり恐縮ですが実際になにをどこまでやられるかはご予算によります。

■許容応力度計算による耐震等級3レベルを求められる場合、基本的にフルリノベーションが必要になります。
(内部耐力壁、床の水平構面の確保などが必要なため)
その場合にかかる費用は新築を建てる場合の7-8割になります。
(現状の間取りを変更されたいかどうかも影響してきます)

また工事中は住み替えも必要になります。
私の想いとしましては費用をかけられるようであればしっかりとフルリノベーションをされることを推奨しています。

リノベーションの注意点をまとめたブログもご覧頂ければ幸いです。
【秘訣】『リノベーション検討の注意点。』メリットとデメリット。

■ただし費用をかけられない場合もあるかと思います。
その場合は、外周部のみ改修することも考えられます。
(外壁撤去、耐力面材を張り高気密化高耐震化、充填断熱+付加断熱、窓の改修)
(可能であれば床や天井も内側から断熱気密改修する)

(許容応力度計算で概ねの構造検討は行いますがNGが出ない計算が完璧に仕上がることにはなりません)

■また私(設計事務所)が入りますとその分費用がかかります。
リノベーションはそれぞれ事情が異なり割り切りが必要な判断が必要になる場合も多いため新築の設計よりも難易度や手間は増えます。
(代替案としまして「当方と付き合いがある工務店さん主導でリノベーションを行う+当方はアドバイザーとして参加する」という形も考えられます)

................

まとめるとご予算により出来ること(ベターな選択)が変わってきます。
恐縮ですがリノベーションの場合スタートはそこからになります。
(付き合いのあるファイナンシャルプランナーさんを紹介することも可能です)

上記の上、当方へのご依頼をご検討頂けるようであればその旨お伺いさせて頂ければ幸いです。
〇〇様ご家族様が健康で安心な暮らしを送られることを祈っています。

 

 

【関連記事】................

 

【秘訣】『リノベーション検討の注意点。』メリットとデメリット。-長く安全快適経済的に暮らすために- - 住宅設計エスネルデザイン

 

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