【秘訣】照明性能『調光調色-時間制御-演色性-輝度。』未来の照明の姿。-スマート電球の可能性-

【照明】の秘訣

こんにちは^ ^

先日、照明の灯りや性能を体感しに東京に行ってきました。

『調光調色-時間制御-演色性-輝度。』

『未来の照明の姿。逆算した照明計画。』

『スマート電球、テープライトの可能性。』

それぞれ紹介します。

 


出典:遠藤照明さんHP。

 

 

調光調色-時間制御について】................

現在のLED照明は進化しており『設定した時間で調光調色した光を自動で切り変える』ことが出来るようになっています。

すでに店舗やオフィス設計では取り入れられており「いずれ住宅の照明もそうなるんだな」と感じさせられました。

具体的には

『朝は日光に近い白く明るい光(昼白色)』で照らす。

『昼頃から中間の光(温白色)』で照らす。

『夕方~夜になるにつれ光量を減らす+暖色の光(電球色)』で照らす。

それらを自動で制御する。ということ。

 

 

『自動』という点がポイント。

これまでの住宅照明でも調光調色は実現可能。

しかし、段々と手間に感じて調光調色されなくなる場合が多いと想像している。
(調光調色メリット < 手間)

そのためエスネルでも積極的な調光調色は提案してこなかった。
(高コストな点も不採用理由)

 

しかし、近年「低コストで調光調色できる照明機器」が出そろってきている。

それがスマート電球、スマートテープライト。

出典:SwitchBotさんHP。

まずはこれから自分で使ってみたい。

・どういう場所にどういう使い方が適切か。
・操作は手間でないか。
・光の満足感はどうか。
・どこまで求めるか。

など見定めた後に建主様に提案していきたい。
(現時点ではまだ提案は行わない。興味がある方は任意で試して頂きたい。)

 


テープライトアイデア(自邸)。

 

 

遠藤照明さんHP本文を要約。

〈光が体内リズムを整え、眠りの質を高める〉
朝に適切な光を浴びないと睡眠を促すメラトニンが正常に分泌されず、睡眠障害、肥満・うつ病・認知症といった健康リスクを引き起こす可能性がある。

村松:新潟の冬は日光に当たれない期間が長い。
また方角や周辺状況によって寝室に朝日が入りにくいケースもあり得る。
「日光に近い照明光+タイマーON」等で自然な覚醒+健康リスク低減効果が得られれば嬉しい。

 

〈眠りの質を高める光〉
・メラトニンは睡眠を促す。
・夜間に強い光を浴びるとメラトニンの分泌が抑制される。
→就寝時刻の3時間前からは低色温度・低照度にする。

 

 

照明器具、電球はより進化していく。

手頃な価格で、調光調色が容易で、全自動制御のものが一般化していく。

いずれ照明をつける際に「スイッチに触る必要がなくなる」ことが想像される。
(オンオフは全自動。手動制御はスマホか音声)
(建築からスイッチがなくなる?)

『未来の照明の姿。逆算した照明計画。』

現時点では電球を交換できる照明計画が有効。

切れた際の交換のためだけでなく『電球の進化に合わせ入れ替えられる』ことも大きな利点。

 

【メディア】新建新聞社「アーキテクトビルダー」掲載『多シーン対応照明術』。case.燕仲町・長倉 - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

【演色性について】................

遠藤照明さんショールームにて。


左:高演色タイプ(Ra96) / 右:一般タイプ(Ra82-85)。
高演色の方が「赤みが鮮やか」に見えることが分かる。
(色温度はそれぞれ同じ3000K)
(左は多少赤増し調整された光とのこと)

演色性とは「照らされた物の色がどれほど忠実に再現されるかを示す指標」。

平均演色評価数Raで表され値が高いほど演色性が良い。

当初「Ra80とRa90ってそんなに差があるの?」と思っていた。

しかし、体感したところその差は大きかった。

それには理由があり↓


それは「平均演色評価数Raの評価範囲に赤が入っていない」ため。
(どういう理由かは不明)

上図を見るとRa82のものは赤R9の値が著しく低い。

→演色性はRaの確認だけでなく「赤R9」の値も確認できると好ましい。
(ただしR9までは公開されていない場合が多いので実際は「Raの高さ」で判断する場合が一般的)

演色性の高い灯りを使いたい場所は「ダイニングテーブル」や「キッチン」。

料理が色鮮やかに忠実な色で認識できたら嬉しい。

また灯りに「もう少し暖かみを持たせたい」場合にも有効。

演色性を高めることで赤みが増した空間にすることが出来る。

 


左:高演色タイプ(Ra96) / 右:一般タイプ(Ra82-85)。
(色温度はそれぞれ同じ3000K)

一般的に照明光の色は「色温度K」により区別される。
(電球色2700K、温白色3000-3500K、昼白色4600-5500Kなど)

しかしより詳細には「色温度だけでなく演色性(Ra)の違いによっても照明光の色は異なる」。
(ex.同じ色温度2700Kの電球でもRa80とRa90では色は異なる)

今後は色温度だけでなく演色性(Ra)を考慮した照明計画を行っていきたい。

 


演色性の高い遠藤照明さんの照明。

 

 

【輝度について】................


「どちらが明るく見えますか?」

→右(照明あり)の方が明るく感じる。

なぜか。それは「輝度」が高いから。

ただし、床の「照度」を比べると左(照明なし)の方が実は高い。

→「照度を当てにした照明計画は実際に体感する明るさとズレがある場合がある。」
「より実際の体感に近い照明計画を行う場合輝度を当てにすることが好ましい。」

照度を確保しようと計画すると「壁天井が一様に明るい単一的な空間」になりやすい。
(ex.シーリングライト)

そうではなく輝度を確保する照明計画(照度は確保できない場所があっても良い)では明るさと暗さのメリハリが生まれそれが心地良さにつながる。
(ex.バーなど「照明光が少ないけれど暗く感じない」のは輝度が高いため)
(ex.シーリングライトの光量を絞っても心地良い灯りにならないのは輝度が足りていない=暗と明のメリハリがないため)

体感としては分かっていたことの理屈を理解することが出来た。

また輝度を考慮した照明計画=全体の光量が少なくても明るく感じられる照明計画は「経済性」や「環境負荷低減」にも寄与する。

 

 

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【その他感想】................
(他社ショールームでの体感等)

■ダウンライト
△拡散タイプであっても光源が目に入ると眩しい。
(グレアレスタイプであっても目に入る場合あり)
△多灯使いすると単一的な灯りの空間になりやすい(局所採用であればあり)。
△天井に穴が多数あくと美観が損なわれる。
△ダウンライトだと床が明るくなるが床が明るい必要はない。
△将来交換時に電気屋さん手配が必要。
→積極的には採用しない。

■間接照明
〇空間全体の照度は高くならないが輝度が高く陰影のメリハリが効いて心地良い。
〇水平タイプで天井を照らせると室全体の明るさを確保できて良い。
〇照明器具が見えず空間が綺麗になる。
〇高コスト+サイズ大のため積極的に採用してこなかったが低コスト+サイズ小のテープライトが汎用化してきた→活用を検討したい。

■ダイニングペンダントライト
〇シェード透過タイプだと輝度が高く部屋全体が明るく感じられる(壁が暗くても明るく感じる)。
シェード非透過タイプの場合輝度が低いので壁を照らす照明が別途必要になる(ダイニング着座時の眩しさは少ない)。

 

 

 

 

 

 

 

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照明は奥が深い。

機器は進化し続ける。

設計の力でより心地良い空間は造れる。

常に勉強、進化し続けよう。

そう感じた東京照明探訪でした。

 

 

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