【網川原のエスネル‐40】ハンドルに革のカバーを。「人とモノとのつながりの間に。」
ゆうです^^
網川原のエスネルの玄関戸には本革のハンドルカバーをつけました。
「毎日、手が触れるところ」
には優しさを込めたい。
長年の構想が実現しました。
手が触れるところは、
固いより、柔らかい。
冷たいより、暖かい。
じめっとより、さらっと。
そう作ってあげたいという想いがあります。
それは、冬に金属の玄関戸を素手で握ったときに寂しさを感じた経験から。
エスネルデザインで標準提案している「スニッカルペール玄関戸」。
スウェーデン製の木製断熱ドア。
ドアハンドルはステンレスのシンプルな丸棒。
木とステンレスは見た目の相性は良い。
しかし、金属は冬に冷たくなるため、握る部分としてなにか改善策はないかと模索していた。
ハンドルに革を巻く構想は数年前から。
革は、柔らかく、暖かく、吸放湿性に富む。
クラフト的な見た目もとても良く、おもてなしの玄関には最適♪
なるべく手をかけすぎないようシンプルに作る。
製作は、革のクラフトが得意な友人に依頼した。
ポイントは、
・握ったときの触り心地が良いこと。
(半端な凹凸を作らないこと)
・ずれたり、伸びて緩んだりした際に調整が簡単なこと。
「革ひもで縫い付ける」ことからスタートした固定案は最終的にはコレに行き着いた。
マジックテープ!(綿ファスナー)
薄いものを探し、良いものがみつかった。
安価で、メンテナンスがしやすい、正に「エスネル的」発想♪
革の切り口(コバ)にロウを塗り、毛羽立ちを抑え、防水性も高める。
糸を通す穴あけ。
糸にも蝋引きし、毛羽立ち抑え・緩み防止等のための下処理を施す。
糸でマジックテープの固定と際のデザインを。
出来た!
完成品を見たときは心からワクワクした^^
本革の柔らかさと手作り感が気持ちを高揚させる。
造作ソファの革と色合いも揃っていて良い♪
設置完了!
握り心地は最高^^!
革カバーの裏に挟んだ滑り止めゴムが効いていてずれない。
マジックテープ固定の為、緩んでも簡単に締め直しが出来る♪
真価を発揮するのは真冬。
また、直射日光が当たる場合(夏場)、金属はとても熱くなる。
革カバーはそんな、熱さ・冷たさを軽減してくれる。
住み手にとってもだが、訪れたお客様が
「お、良いね♪」
と、家に入る前に感じてもらえたらなんかとても素敵かなと。
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ほんの些細な小さなこと。
その些細なことで、心が暖まることがある。
人とモノ(手摺やドアノブ)とのふれあいは、
人と人との心のふれあいにつながる。
設計士と、建て主様。
建て主様と、来訪者。
「ただいま。」
と、声を掛けるように握れるドアノブがあったら、
ほんの少し、日常が暖かくなるような、そんな願いを込めて、細部まで設計しています。
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村松 悠一 一級建築士
エスネルデザイン代表
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