【災害対策】なんのための超高断熱?「停電時の室温の保持。」真冬の災害停電時の保険。
ゆうです^ ^
エスネルデザインでは「超高断熱」仕様をお勧めしています。
大きな理由は「快適性」「経済性」「健康性」を高めるため。
快適性・健康性のメリットが最大限に発揮されるのが停電時。
『災害から家族を守る家。』
これからのエスネルデザインのテーマです。
先日の大雪で柏崎は数分の停電がありました。
数分であれば問題はありません。
しかし、新潟市秋葉区では夜の22時から朝の7時まで停電が起きました。
(雪により送電線が切れた)
外は氷点下。道は積雪で移動も困難。
石油ファンヒーターもエアコンも電気がなければ動きません。
なかなか絶望感のある状況です。
地震、水害、大雪、寒波による電力逼迫、、、
様々な要因から起こる停電。
停電は非日常から「日常」に変わってきているのかもしれません。
停電があった新潟市秋葉区の中野のエスネル。
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大雪時(停電あり)の外気温を見てみると、、、
氷点下が約4日ほど続いていた。
この間『暖かい室温を保てるかどうか。』がポイントとなる。
要点を整理すると
・新築の暖房機器の多くはヒートポンプを利用している。
(エアコン・温水床暖房)
・ヒートポンプ機器は氷点下近くまで気温が下がると暖房能力が大きく下がる。
・家の断熱性が低い+外気温が低いと「暖房する熱」よりも「外に逃げる熱」のほうが多くなるケースがある。
また
「外が氷点下」「低断熱」「停電」のトリプルパンチは人命が失われるリスクを感じる。
災害停電時こそ超高断熱の真価は発揮される。
【秘訣】2018年の積雪から空調を考える。「低温暖房能力」 - 住宅設計エスネルデザイン
また、エアコンは石油ストーブに比べて吹き出し温が高くないため即暖性は低い。
そのため基本的には「連続運転」することが適切な運用となる。
そうすると、低断熱な家ほど暖房費が大きくなる。
家中暖房せず「リビング暖房+廊下は非暖房」だと温度差により健康を害したり、結露・カビ発生を促すリスクがある。
(なにより不快)
「経済性」も「快適性」も超高断熱のメリットは非常に大きい。
たしかに超高断熱にするにはイニシャルコストが必要。
しかし、面積を数坪抑えられれば十分捻出できる。
(「超高断熱が+150万で可能」であれば3-4坪面積を抑えられれば誰でも捻出可能)
長い目で見たとき、「広さ」と「断熱性」のどちらの満足度が高いかは明白だと考えている。
【快適性】なんのための超高断熱?「家中暖かく快適に暮らすため。」【全館空調のススメ】 - 住宅設計エスネルデザイン
【健康】なんのための超高断熱?「体への負担(寒暖差)を減らすため。」 - 住宅設計エスネルデザイン
【経済性】なんのための超高断熱?「冷暖房費を抑えるため。」 - 住宅設計エスネルデザイン
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話を停電時に戻します。
中野のエスネルのO様が停電時の様子をブログにまとめられています^ ^
(O様、貴重なお話を大変ありがとうございました)
【O様ブログより引用】................
夜の22時頃から停電していた模様。
寝ている間は全く気づきませんでした。
子供たちはいつものように掛布団を蹴飛ばして寝ています。
停電から復旧したのは翌朝の7時過ぎ。
その間約9時間エアコンが止まっていたことになります。
気象庁データによると外気温は-1〜-3℃くらい。
夜間の停電時間を経ての温度低下は1~2℃。
暖かい家に住むようになってから1℃の差も敏感に感じ取ってしまうようになったので肌寒かったです(^^;
ですが、アパートだったら凍えて朝の準備をするどころではなかったです。
停電がほぼ夜間だけで復旧していただいたこと、ガスコンロでお湯を沸かして暖かい朝食を食べられたこと、そして高断熱住宅の凄さを改めて実感したこと。
平穏な日々が続くと忘れてしまいますが、いざという時の備えを確認しておこうと改めて思った出来事でした。
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中野のエスネルでは、外が氷点下(-1.6~-3.5℃)の中
・暖房時室温:約22℃→停電9時間後室温:約20℃
→「9時間で低下した室温=約2℃」でした。
(停電までは設定温度22℃でエアコン連続暖房運転)
(換気は熱交無し)
今回の出来事で認識を改めました。
超高断熱を勧める1番の理由はなにか。
それは、快適性でも経済性でもなく
『災害停電時に凍死しないため。』
(家族の健康被害を防ぐため)
今後、一晩で済まない停電が日常的に起こることも考えられます。
人生100年時代、「健康」がなにより大切。
また室温低下が少なかったのは、断熱性だけでなく「家中連続暖房」を行っていたことも影響しています。
停電まで家全体が「蓄熱」していたということ。
停電時に家からの「放熱」があったということ。
「家中連続暖房」を行うには断熱性を高めるだけでなく
・家中に暖気が巡る工夫。
(間取り、通期スリット、吹き抜け、循環ファン)
・暖房方式、暖房機器選定。
(床下エアコン暖房、適切なエアコン選定)
・小さな家。
(暖房必要容積の圧縮)
など様々な設計的要素が複合的に効果を発揮します。
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設計は非常に奥が深い。
コスト、日々の暮らしやすさ、デザイン、性能、環境負荷低減、災害対策、、、
様々なパラメーターから設計士が「ベスト」と考える提案をまとめる。
敷地や予算やご要望を勘案しながら。
設計は、高い専門性が求められ、手間も大きく、責任も重い。
非常に大変な仕事。
その分、大きな意義を感じている。
「自分の行動(設計、発信)が建て主様の幸せを創る。より良い社会を創る。」
矜持を持って設計に臨んでいきたい。
-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-