【サーモ】真夏の超高断熱①『温度差のない空間と空調換気設計。』case.網川原のエスネル
ゆうです^^
網川原のエスネルでのサーモグラフィ計測のご報告!
・日射遮蔽はゼロ!
(カーテン設置前のため)
・晴天の真夏日!
・超高断熱性能!
最高の実測条件でした^^
果たして、室温はどうだったのでしょうか!?
いやー、この日は本当に感謝でした。
2週間前くらいまでは雨予報だったのですが、晴れに変わり、さらに真夏日に!
神様がエスネルデザイン新築第一棟目の完成を祝福してくださっているのかと^^
ありがとうございました。
9/7はフェーン現象で新潟は真夏日に。
(平均=28.6℃、最高=32.3℃)
日照もほぼ100%と「真夏のサーモ計測」には最高の日^^
(「日照時間1=1時間あたり100%の日照があった」ということ)
参考までに、新潟市2019年7月~9月の最高気温の推移もご紹介。
近年、突出して気温の高い日が出てきた。
超高断熱の必要性は「環境(気温変動幅の増大)」により、これからさらに論じられていくことと予測している。
地球温暖化やエネルギー問題は
「地球に優しくしたほうが良いよね」
だけでなく
「お財布へのダメージ」
にもジワジワとつながっていく。
数十年と住み続ける家の性能はどれほどが良いのか。
個人個人が、自分たちの人生を真剣に考え、決めることが必要になる。
................
話をサーモ計測に戻します^^
完成した網川原のエスネルの様子はこちら♪
【網川原のエスネル‐37】「残暑の日射遮蔽ゼロ体感見学会」開催!
【サーモ計測の概要・条件】................................
目的:真夏の超高断熱の室内温度差の調査
調査方法:室内の表面温度の計測
調査日:2019.9.7(10:30~17:40)
場所:新潟県新潟市中央区網川原
気温:平均=28.6℃、最高=32.3℃
建物性能:断熱性UA=0.24
・サッシ:樹脂トリプルガラス(APW430)
・壁:グラスウール12cm+フェノールフォーム6cm
・天井:セルロースファイバー42cm
日射遮蔽:なし(カーテン設置前につき)
※実際は遮光カーテンを設置する。
冷房器具:エアコン(2階ホール×1+床下×1)
※完成直後で材からの湿気が多いこと、見学会で人が多いこと、日射遮蔽がゼロ、等により、設定温度は低めで2台を連続運転(設定温度23~26℃適宜調整)
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網川原のエスネルの断熱性の詳細はこちら^^
【「超高断熱」とは】網川原のエスネルの断熱性はUA=0.24
さて、具体的にサーモ画像を見て頂く前に「サーモ画像を見るときの注意点」を↓
S邸リノベーション。17「サーモグラフィ調査①『注意点』。」
注意点は、
・表示温度に誤差があること。
・温度差の印象操作が容易にできてしまうこと。
でした^^
※サーモ計測器は「FLIR ONE(Gen3)」。
精度の誤差は数℃(おそらく±1~3℃程)ある。
複数のサーモ画像を見比べるより、
「1枚の画像の中の温度差のありなし」に注目して見るとより有意義。
前提の説明をもうひとつ。
温度バー(サーモ画像の右端にある温度と表示色の関係を示したバー。上の画像では最高38℃~最低25℃)の温度設定は変えることが出来る。
これを固定(すべて同じ最高温度~最低温度)してそれぞれのサーモ画像を比較するのもひとつの方法だが、今回はパッと見の分かりやすさを優先するため、
青:25℃以下
緑青色:27℃ほど
黄色:29℃ほど
赤:30℃以上
と表示されるよう温度バーの最高温度と最低温度を画像ごとに調整した。
(詳細な温度数値を見なくてもなんとなく感覚的に読めるように)
※個人的な体感として、夏場の快適室温は26.5℃以下がひとつの基準かと感じている。
26.5℃以下で湿度が60%以下であれば、最低ラインクリアかと。
(26.5℃・60%の不快指数=74.9=体感指標「暑くない」)
(それ以上の快適性は個人の好み)
なので「青~緑青色であればOK」と考えながらサーモ画像を整理した。
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ではでは計測報告を^^
【9月7日】(平均:28.6℃、最高:32.3℃)
10:30頃................
(外気温:約31.1℃)
南面(リビング)
1階壁(スポット1):27.6℃
2階壁(スポット2):27.4℃
天井(スポット3):27.8℃
※床(別画像):27.1℃
見るべきポイントは温度差。
(=サーモの色ムラの少なさ)
1階床と2階天井の温度度差は約0.7℃!
文章では伝えきれませんが、
天井と床の温度差が少ない冷房空間はとても快適。
足元が冷えず、頭も暑くなりすぎない。
これが超高断熱がもたらす効果^^
(しかも冷房費を抑えながら家中24時間空調!)
超高断熱は、快適性と経済性のためです。
+「健康」へも影響あり。エネルギー価格の上昇のリスクヘッジにもなる。
※低断熱の家でも、設定温度を下げてエアコン複数台で運転すれば室温は下げられる。
しかしそのとき、高断熱でないと「天井と床に温度差」が出る。
(冷房費もかかる)
具体的に言えば、足まわりがとても寒かったり。
そして、その差は冷房時よりも暖房時に顕著に現れる。
(快適性も暖房費も)
(夏:内外温度差=10℃以下←→冬:内外温度差=20℃以上)
ということで
室内の温度差がいかに少ないか
が快適に暮らす大きなポイントです^^
(もっと大きなポイントは「空調計画(経路の設計)」。長くなるのでまた)
サーモ計測の報告に戻ります。
南面
1階壁(スポット1):27.3℃
2階壁(スポット2):27.5℃
天井(スポット3):28.0℃
※床(別画像):27.1℃
床~天井温度差=約0.9℃
南面サッシ
1階壁(スポット1):26.8℃
2階壁(スポット2):26.7℃
サッシ樹脂枠(スポット3):29.8℃
・下屋による日射遮蔽効果
・午前であること
などからサッシ枠の温度はそこまで高くなっていない。
北面(洗面脱衣室)
床(スポット1):27.1℃
壁(スポット2):27.1℃
天井(スポット3):27.8℃
床~天井温度差=約0.7℃
南-西面(2階子供室)
床(スポット1):24.3℃
壁(スポット2):24.2℃
天井(スポット3):24.2℃
床~天井温度差=約0.1℃
・2階ホールのエアコンからの冷風
・窓面積(=日射)が少ないこと
などからリビングより温度は低めになっている。
北-西面の子供室もほぼ同様。
(南面と北面でサッシ枠に温度差あり(約4℃))
リビング床
床日陰(スポット1):27.0℃
床日向(スポット2):30.6℃
・床が蓄冷されていたこと
・直射時間が少ないこと
などから日陰と日向の温度差はそこまで大きくない。
ここは、
エスネルデザイン的空調計画の肝の部分。
ポイントは
①メンテ手間、コストパフォーマンスに難があるため「熱交換型換気扇」はお勧めしていない。
(ダクトレスは見た目△/ダクトありはメンテ△)
↓
②熱交換なし換気扇の場合、居室に暑い(寒い)外気が直接入ってくるのは不快のため、対策が必要。
↓
③換気経路を逆転させ「ホールから給気→居室から排気」とすることで②の課題をクリア。
↓
④給気口はエアコンの近くに設置し、外気を最短距離で冷暖房+除湿して、各室へ配る。
まとめると、
「新鮮空気の経路」と「空調空気の経路」を同じ経路で計画することにより、快適温で新鮮な空気を居室に配る
ことが出来るということ^^
しかも、
・低コスト(イニシャルもランニングも)
・見た目○(ダクトレス熱交換あり換気扇に比べて)
・省スペース(大きな専用設備不要)
・将来のメンテも楽
→最高♪
機器の効率だけでなく、コストやメンテナンス手間を踏まえ、総合的パフォーマンスを考慮して設備選定をするのがエスネルデザイン流。
また、
マニアックな設備をなるべく使わないのもエスネルデザイン流
・専門知識不要
・生産終了になるリスク回避
・故障時の出費リスク回避
・メンテナンスが楽で、専門家でなくとも出来ること
・買い替えが容易であること
などメリットはたくさん♪
この点は、結構大きなポイントです。
(そこまで突っ込んで考えている設計者は多くない)
改めて先ほどの画像を^^
①新鮮空気(暑い外気温の空気)を室内に入れる(換気のため)
↓
②真下のエアコンで即冷房+除湿
外気を即効でエアコンに触れさせることは、夏場特に除湿に効果的。
湿気が家の中に広がる前に、即効で除湿。
(そうしないと、なかなか湿度は下げづらい)
室内の湿度が低ければ、仮に温度が高めでも快適に過ごしやすくなる。
暖房時バージョン(冬)のサーモ画像↑
冷たい外気を即効で暖房!
上記の空調方式と共に下記の記事で詳しく説明しています^^
【快適性】なんのための超高断熱?「家中暖かく快適に暮らすため。」【全館空調のススメ】
居室に設置された「排気」扇。
排気(室内→外)のため、給気(外→室内)と異なり、部屋が外気温で暑く(寒く)ならない。
サーモ画像の温度差のなさを見れば一目瞭然♪
従来の「居室に給気」ではなく、「居室から排気」にすると、シンプルな仕組みで快適性を得ることが出来る。
(高気密で換気効率が良いことが条件)
................
予想通り長くなってきました(^^;)
次回に続きます♪
今回はサーモ計測【午前編】、次回は【日中編】です!
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村松 悠一 一級建築士
エスネルデザイン代表
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