【サーモ】真夏の超高断熱②『日中の室温と日射熱の影響。』case.網川原のエスネル
ゆうです^^
網川原のエスネルでのサーモグラフィ計測のご報告その②!
今回は日中編♪
日差しが強くなる日中。
室内の温度はどのようになっていたのでしょうか^^
網川原のエスネルの様子はこちら♪
【網川原のエスネル‐37】「残暑の日射遮蔽ゼロ体感見学会」開催!
「測定条件」や「サーモ画像を見る際の注意点」などは前回の記事をご参照ください^^
【秘訣】真夏の超高断熱「サーモ計測」①温度差のない空間と空調換気設計。
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ではでは、早速続きから♪
【9月7日】(平均:28.6℃、最高:32.3℃)
14:00頃................
(外気温:約31.4℃)
南面(リビング)
1階壁(スポット1):28.5℃
2階壁(スポット2):28.1℃
天井(スポット3):28.7℃
※床(別画像):27.7℃
1階床と2階天井の温度度差は約1℃。
南面(リビング)
床下エアコン(冷房)噴き出し口わまり(スポット2)から冷気が出てきている様子が分かる。
(この時は除湿と室温を下げるために運転)
(通常は床下冷房は行わない)
床下エアコン噴き出し口は主に「暖房用」。
冬場ここから暖気が出ることで
・室内を暖める
・窓のコールドドラフトを防ぐ
・窓の結露を抑える
などの効果を得る。
西面(トイレ)直射あり
床(スポット1):27.7℃
壁(スポット2):28.1℃
天井(スポット3):30.0℃
このトイレは、開放感・採光確保のため、使用時以外は戸を開けておけるよう設計した。
(壁の連続性、天井まで高さのある引き戸、便器が見えない、など)
トイレなどの小さな室は熱がこもりやすい(冬は冷えやすい)。
戸を開けておける設計は、開放感だけでなく、温熱的にもメリットがある。
幾重もの効果を考慮して
「バランスの良い重心を定めること」
が良い設計なんだろうと考えている。
直射を受けているサッシ樹脂枠(スポット2)は約40℃と高温。
ただし、
・直射を受ける時間が限られていること
・面積が大きくないこと
などを考えるとそこまでおおごとではない。
(好みによって遮光カーテンをしても良いし、しなくても良い)
東面(リビング)直射なし
直射を受けていないサッシ樹脂枠(スポット5)は約30℃。
(壁は約28度)
一時的な温度変化よりも「全体のバランス(1日のバランス、1年のバランス)」を考えた設計を心掛けたい。
西面(洗面脱衣室)直射多少あり
床(スポット1):23.7℃
壁(スポット2):24.8℃
天井(スポット3):24.6℃
※床(スポット1)は床下エアコン(冷房)のまん前のため参考値。
戸で仕切っていないので、西面の小さな室でも熱がこもっていないことが分かる。
(追って脱衣スペースにはカーテンが設置される)
①「小さな家」→抜けの積極的利用
②「超高断熱」+「家中連続空調」
この二つは密接に関わりあい、相乗効果を発揮している。
南-西面(2階子供室)直射あり
(現在、仕切り無し(将来設置計画))
床日陰(スポット1):26.6℃
壁(スポット2):27.0℃
天井(スポット3):27.3℃
床~天井温度差=約0.7℃
北-西面の子供室もほぼ同様。
西面サッシ枠(スポット4):35.7℃
北面サッシ枠(スポット5):29.2℃
南面(外観)
南面(下屋下)
壁(スポット1):40.5℃
サッシ樹脂枠(スポット3):37.9℃
ガラスには反射した景色の温度が表示されている。
(ガラスの温度測定は難しい)
エアコン室外機
冷房時は、噴き出し口(スポット1)から高温の風が出る。
・暖房時(冬)に室外機に雪が積もりづらいよう
・排気と給気のショートサーキットが起こりづらいよう
「開きすぎず、閉じすぎない」よう室外機まわりは配慮したい。
西面(直射)
壁日陰(スポット1):34.9℃
壁日向(スポット2):41.1℃
土も緑も空調のないこんなに暑い中、ずっと外。
頭が下がります、
17:00頃................
(外気温:約30.2℃)
日中、人が多く、日射も気温も高かったため、エアコンは23-24℃程で運転していた。
夕方にはここまで家は冷えていた。
参考までにご紹介。
壁-床-天井:約22℃ほど。
給気扇からの外気温も落ち着いてきた。
(外気温は約30℃あったが)
壁-床-天井:約25℃ほど。
壁-床-天井:約25℃ほど。
南面外壁も約30℃ほどまで下がった。
その他(おまけ)................
【9月8日】(平均:30.0℃、最高:35.5℃!)
13:00頃................
南面(リビング)
床(スポット1):24.8℃
1階壁(スポット2):25.0℃
1階-2階中間壁(スポット3):24.7℃
(外気温:約33.6℃)
前日の連続冷房運転が効いてきたお陰か、外気温は前日より高かったが室温は落ち着いた。
1階も2階も適温でとても快適だった。
(前日も快適範囲内)
サッシ樹脂枠温度を見てみる。(南面2階)
室内側樹脂枠(スポット1):30.8℃
屋外側樹脂枠(スポット1):48.2℃
屋外-室内の表面温度差は約18℃!
樹脂がいかに熱を伝えづらいかが分かる。
(樹脂サッシありがとう!)
以前調査したアルミサッシ。
内外温度差はほぼ無かった。
(アルミは熱伝導率がとても高い=断熱性が低い)
この図も少し面白い^^
FIX窓と開き窓の熱損失の差。
FIX窓(スポット2)と開き窓(スポット1)の温度はほぼ同じ。
しかし、開き窓のほうが枠の幅が広いため、赤くなっている量が多い。
全体からすると大きな量ではないが、意味無く開き窓にする必要もない。
空調方式、コスト、見え方、掃除性、など総合的に考慮して必要に応じた窓を決めていきたい。
床下
床-壁-天井とも約24℃ほど。
(自然の地中冷熱の可視化のために、冷房前にも撮影すればよかったと少し後悔(^^;))
基礎(直射あり)
基礎日向(スポット1):43.0℃
基礎日影(スポット2):37.8℃
杉板外壁日向(スポット3):50.3℃
基礎は床下からの冷熱伝導の影響で、外壁より温度が低くなっている。
(外壁は通気層で熱伝導の分断あり)
屋根(ガルバリウム鋼板。遮熱あり):78.3℃
ガルバリウムの熱実験は過去記事でも♪
【秘訣】夏の遮熱効果調査おまけ①「RCの学校の温度・ガルバリウム屋根の温度」
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以上が「真夏の超高断熱のサーモ計測」の報告です^^
およそ想定通りでしたが、それが可視化できて良かった。
また、超高断熱が真価を発揮するのは「冬場」。
機会があれば真冬にも計測してみたいものです。
(K様、その時はご相談させて頂ければ幸いです。)
マニアックな話を最後までお読み頂きありがとうございました。
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村松 悠一 一級建築士
エスネルデザイン代表
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