エッセイ。『個人化の加速と義理人情の重要性。』想う心がより機能する社会へ。
生き方の個人化が進んでいる。
従来の組織型社会の中に「個人型」という新しい生き方が選択できるようになってきている。
人と人の関係性はどのように変化するのだろうか。
義理人情の重要性が増してきているように感じている。
デジタルテクノロジーの発展、普及によって仕事は個人で出来るようになってきた。
インターネットの普及
情報拡散(PR)の無料化
チーム連携、コラボレーションの容易化
、、、
エスネルデザインはまさにそれらの恩恵を受けている。
時代に感謝。
家庭内はどうだろうか。
スマホやWEBコンテンツの普及により
家族が集まって1つのテレビを一緒に見る時代は終わりに近づいている。
それぞれが家族以外の複数のコミュニティを持っている。
リアルだけでなく、バーチャルなつながりも増えてきている。
これからの時代『新しい家族のつながり方』を模索する必要があるだろう。
家族の在り方にもバージョンアップは必要。
家の設計もそれに沿っていく必要があるだろう。
(ex.テレビの位置、個室の在り方)
これからの時代、僕は家に『豊かな居場所が増えれば良い』と感じている。
【秘訣】子供室の再構成『プレイキッズルームとワークキッズルーム』-空間のシェア・フレキシビリティ- - 住宅設計エスネルデザイン
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個人化の加速。
悲観的なことではなく、好ましい変化だと感じている。
面白いなと感じているのは
『個人化が進むほど、義理人情の重要性が増す。』
だろうということ。
一見逆のよう。
「個人化→人がバラバラになる。人情が減る気がする。」
しかし、そうではないと感じている。
組織単位で相手と接するより
個人単位で接する方が信用が必要になる。
またSNS等の普及により、その人のパーソナルな部分まで簡単に分かるようになった。
つまり個人化によって『人間力』がより問われるようになってきているということ。
パーソナリティやそれまでの行動など『信用』が問われるようになってきている。
それは『義理人情が尊まれていた時代に戻る』ということかもしれない。
昔は世界が狭かった。
生きる範囲は「村の中」。
みんながみんなのことを知っている状態。
義理人情や信用が強く働いていた時代。
20世紀後半、急速に社会が発展し都市に人口が集中した。
隣人の顔も知らないような時代。
他者への関心は薄れ、義理人情は時代遅れとなった。
今、昔のような状態に戻ってきている。
世界は広がった。
情報も広がった。
義理人情や信用が機能する環境になってきている。
信用は一朝一夕には出来上がらない。
困った時にどうしてくれたか。
良い時も悪い時も離れずにいてくれたか。
忙しい時も時間を作ってくれたか。
現在、世界的な木材不足が発生している。
平時のように木材が手に入らない。
ピンチのときこそ現れるのが今までの信用の積み重ね。
材木店さんも、ずっと良い付き合いをしてきた会社と、他社と相見積もりして買い叩いていた会社とは対応が異なってくる。
理屈じゃない。
人間だから。
同様に、これから不測の事態が頻発してくる。
災害、疫病、恐慌、、、
そんな時に自分を助けてくれるのは
『これまでの自分』。
今、住学という建築コミュニティを運営している。
住学はまさに義理人情で動いている。
会費もない
強制もない
上下関係も、貸し借りもない
モチベーションは想いのみ。
困っている仲間はいないか。
みんながみんな自分が教えられる情報を惜しみなく伝えている。
そしてその力は、強制力が働く状態よりも大きな効果を発揮することを強く実感している。
住学が成り立つ理由「なぜ他社の紹介をするのか」 - 住宅設計エスネルデザイン
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これからよりいっそう義理人情が重要な時代になっていく。
ピンチはみんなに平等にやってくる。
今状況が悪い人にも、今状況が良い人にも。
チャンスも同様。
それを上手く乗りこなす秘訣は、とても人間的な部分なのでしょう。
-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-