【秘訣】『小さな家の設計は難しい。』小さな家を建てる際の注意点。-収納・居場所-
最近『小さな家』が流行り出している。
「性能を上げる分コストを抑えたい。」
「小さな面積で十分。」
僕自身、建てる側になればそのように考える。
しかし『小さな家の設計は簡単ではない。』
小さな家を建てる際の注意点をまとめようと思います。
小さな家が望まれる理由は様々上げることが出来る。
・性能向上への需要増。
(断熱性、耐震性)
・建材の値上げ。
(コロナ、ウクライナショック)
・少子化による必要面積の減少。
(個室数減、客間の不要化)
・「小さいが格好良い」という価値観の醸成。
(足るを知る、環境負荷低減)
・大きい家は維持が困難。
(修繕コスト、日々の掃除)
・大きい家は次世代の住まい手のニーズ少。
(再販時に不利)
家のコンパクト化は今後も進むでしょう。
僕自身『小さな家が欲しい』と感じエスネルを設計し提案しています。
これから家を建てるのであれば『小さな家はお勧め』です。
ただし
『小さな家の設計は簡単ではない。』
従来の家をそのまま縮小すれば良いという単純なものではない。
................
小さな家の難しさ
〈その1〉
『収納量が足りなくなりやすい。』
日用品の量を減らすことは出来る。
(食器、本、服など)
しかし「季節物」や「子供のもの」等の置き場はどうしても必要になってくる。
アウトドア用品、子供の運動具、子供の作品、季節の飾り(雛人形等)、扇風機、ホットプレート、、、
また、日々の食料品のストックや災害時のための備蓄品も置いておきたい。
小さな家のポイントはそれらを仕舞う場所が用意されているかどうか。
小さな家の難しさ
〈その2〉
『家に求められる居場所の多様性の拡大。』
インターネットを使った家での作業の幅が増してきている。
在宅ワーク、副業、オンライン学習、メタバース、、、
これらを行う量はこれから減ることはないでしょう。
それらを行う場所が確保されているか。
家族それぞれが使えるデスクがあるか。
(できれば個室ではなくリビングに併設されていれば嬉しい)
小さな家の設計は家の面積を小さくすれば良いわけではない。
それだと
「小さな家=狭く生活しにくい家」
になってしまう。
豊かな暮らしが出来る小さな家を造りたいのであれば
『抜本的な空間のリストラ。』
(個室のコンパクト化、室の用途を兼ねる設計)
『今まで使われていなかった空間の居場所化。』
(床下、階段上、ロフト)
『暮らし方に対する考え方のアップデート。』
(空間のアウトソーシング)
など様々な工夫や改善が必要になる。
................
今後、小さな家は増えて行くことでしょう。
その家が『長く暮らしやすい愛される家』になることを願って。
建築を通してより良い社会を作っていきたい。
これからも精進して参ります。
-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-
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