【柿崎】『耐力壁の工事監理。』地震に耐える施工の確認。-第三者監理による質の担保-
こんにちは^ ^
柿崎のエスネルの耐力壁の工事監理を行いました。
家は様々な職人が関わりながら現場で造られます。
『完成時に見えなくなるもの。』
『第三者監理による質の担保。』
の重要性をいつも感じています。
柿崎のエスネルは上越市に建つ『超高断熱の小さな木の家。』
こもりロフト、デイベッド、田園窓、米山窓、桜見窓、、、
『複数の居場所、居心地、景色』を叶える2階リビングの家です^ ^
【柿崎のエスネル‐1】モケイ完成。3Dパース紹介。『家族で夢を語る特別な時間。』-ワクワクの共有- - 住宅設計エスネルデザイン
これまでの工事監理の様子はこちら↓
【柿崎のエスネル‐5】基礎工事『配筋監理の重要性。』-完成時に見えなくなるもの、第三者監理による質の担保- - 住宅設計エスネルデザイン
【柿崎のエスネル‐7】基礎工事『コンクリ打設監理。』-第三者監理による質の担保- - 住宅設計エスネルデザイン
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「耐震性を得るために重要なものはなにか?」
それは「壁」です。
耐震性の主役は「耐力壁」と呼ばれる地震に抵抗する強さを持った壁になります。
耐震設計の基本は耐力壁の量とバランスを調整すること。
耐力壁が多いほど建物は強く(硬く)なります。
強くなれば地震時に家の損傷を抑えられる可能性が高くなります。
しかし注意点は耐力壁のバランスです。
「左側は耐力壁が多いけど、右側は耐力壁が少ない」
と言った場合、前後に建物が動いたときに
「左側はあまり動かないけど、右側はよく動く」
というようにねじれが発生します。
これが建物の損傷につながるため耐力壁の配置のバランスは重要になります。
さて、このバランスの問題はよく起きます!
それは
「家の北側は水廻りなどで壁を設けやすいけれど、南側は窓を大きく取りたいため壁が少なくなりがち」だから。
ここが設計者の腕の見せ所^ ^
耐力壁の量を確保しながらバランスも取っていく。
窓の配置や間取りなど意匠要素との兼ね合いも見ながら。
耐震性の高い家を建てるならば「間取りが先で構造は後(外注)」等にはせず、間取りと構造を同時に検討することが求められます。
詳細は下の記事をご覧ください^ ^
設計事務所の仕事『ラフプラン検討。』間取りと構造。 - 住宅設計エスネルデザイン
ここまでは耐震の『設計』の話。
ここからは耐震の『施工』の話。
設計が良くても施工が疎かであればそれは絵に描いた餅。
『設計図書通りに施工されているか。』
設計者による工事監理は耐震の要。
エスネルデザインでは工事監理と是正指示が間違いなく行えるよう
『第三者=設計事務所による工事監理』を提案しています。
設計事務所の仕事『第三者による工事監理「工事監理報告書」作成。』 - 住宅設計エスネルデザイン
耐力壁の工事監理を紹介します^ ^
家を覆う耐力壁(青グレーの面材)。
(タイガーEXハイパー)
耐力壁の工事監理のポイントを紹介します。
【ポイント1】「クギの種類。」
「耐力壁の仕様に沿ったクギが使われているか。」
耐力壁はその仕様によって様々なクギが用いられる。
クギの種類によって耐力壁の強度は変わるためクギの確認は重要。
Nクギ、CNクギ、ZNクギ、、
様々なクギがあり壁毎や現場毎に異なるため間違いのないよう確認する。
【ポイント2】「クギの留め付け間隔。」
「耐力壁の仕様に沿ったクギの留め付けがされているか。」
耐力壁の仕様によってクギの留め付け間隔(ピッチ)は異なる。
設計通りのピッチで留め付けられているか全てのクギを目視確認する。
〈耐震設計図面〉
量とバランスと間取りを考慮しながら耐力壁を計画している。
また、エスネルは床下を活用するため「内部の耐力壁が必要以上に多くならないよう配慮」して設計を行っている。
(耐力壁の下には基礎が必要→床下の基礎量を抑える)
【ポイント3】「クギのめり込み具合。」
「クギのめり込みが許容範囲内か。」
疎かになりやすいのがクギのめり込み具合の確認。
タイガーEXハイパーはクギのめり込みは不可。
手間のかかる要求だが必要な耐震性を確保するためにめり込みなく施工して頂く。
現場で1本1本しっかりと監理します。
クギがめり込んでしまった場合は、別の場所にクギを追加で打ってもらう。
なぜめり込みがいけないのか?
それは「クギと耐力壁が接している部分の長さ」で地震に耐える力が決まるから。
(めり込みが大きければ接している長さが短くなり地震に耐える力が弱くなってしまう)
このあたりの理解度は低い場合にはもあり、監理も疎かにされがち。
「たかがクギ一本」と思われがちだがその数が多ければ設計どおりの耐震性が発揮できないリスクは高まっていく。
耐力壁のクギの監理はとても重要なポイントです。
〈監理後の是正依頼メモ〉
是正指示がゼロで済む現場はほとんどない。
施工される大工さんは棟梁の他にも応援大工さんなどもいる。
人間だからミスや勘違いもある。
厳寒、酷暑、風雨など作業しにくい時期もある。
それを踏まえた上で工事の計画を立てることが重要。
具体的には『第三者による工事監理。』
設計事務所が住宅の質を担保する最後の砦の役割を果たす。
〈耐力壁の施工マニュアル〉
上記のポイントの他にも「梁や柱へのかかりしろ」「留め付け部縁端距離」「面材同士の離れ距離」など詳細な指定があり、その全てを現場で監理していく。
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耐力壁完了後、耐力壁の継ぎ目に気密テープを張り気密性を確保していきます^ ^
耐力壁の継ぎ目に張られた気密テープ。
隙間をふさぎ気密性を高める。
下屋の梁の周りもしっかりと気密テープ処理。
基礎と連続する部分も同様。
この部分は防水性の向上も目的としている。
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耐力壁施工後の内部の様子。
南(写真右)側に大開口を取り周囲の自然風景を得る。
正面の窓は『米山を眺める特別な窓』。
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耐力壁の施工が疎かであれば設計通りの耐震性は発揮されません。
地震被害の原因が「耐力壁の施工不良」というのはよく聞く話。
耐震性は家族の安全はもちろんのこと『被災時の経済的な負担』に関わります。
被災時に建物が損傷するかしないか。
それは『復旧費用がかかるかかからないか。』
そして『耐震性の劣化があるかないか。』
につながります。
耐震性の劣化があれば次の地震に同様に耐えられるかは不明です。
被災時に家が損傷するかしないか。
耐力壁の監理は『構造計算以上に重要なポイント』と言えるかもしれません。
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耐震についてはアツく長くなりがちです(^ ^;)
それは僕自身が被災し「復旧のための支出」「家族が仮設で暮らす」等の大きなストレス経験があるから。
とても厳しい経験でしたが今では大きな財産となっています。
-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-
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