【渋谷さん発表②】『高断熱住宅(G2)の快適性と健康性。』温度ムラと喘息。

【断熱・気密・健康】の秘訣

ゆうです^ ^

前回の住学でアオキ住建の渋谷さんに発表して頂きました。

発表にあった

『寒波襲来時の高断熱(G2)の住み心地は?』

『高断熱住宅と健康の関係とは。』

をご紹介します。

渋谷さん、参考になるお話をありがとうございました♪

 

 

 

渋谷さんの発表から前回

『5年経過後の引き違い窓の気密性の変化』について紹介いたしました^ ^

プロも知らなった非常に参考になるデータです。

 

【渋谷さん発表①】『引き違い窓の気密性低下。築5年で13c㎡。』リスクを考慮した窓選びを。 - 住宅設計エスネルデザイン

 

今回は

『寒波襲来時の高断熱(G2)の住み心地は?』

『高断熱住宅と健康の関係とは。』

をご紹介♪

「住宅建材の営業マン」と「高断熱住宅(G2)の住まい手」の両方の顔を持つ渋谷さんの言うことはとても説得力があります。

 

 

 

【渋谷邸(以下:S邸)】................
・断熱性UA=0.33
・気密性C=0.22(完成時)

 

2020年末~2021年初頭にかけて最強寒波が襲い新潟は例年にない大雪となった。

 

【気象】2021年豪雪の状況紹介。「ピンチの中には気付きが隠れている。」 - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

 

「最強寒波で-7℃程まで外気温が下がった日があったが全く寒くなかった。」

「体感でもデータでも室温は1階も2階もほぼ均一。」

と渋谷さん。

(※室温に上がり下がりがあるように見えるのは縦軸の温度間隔が細かくなっている為)

 

 


【S邸とご実家のサーモ比較】................
(ご実家も多少断熱改修されているそう)

S邸は洗面室に『床下エアコン』が設置されている。

「浴室と洗面室の床が暖かくとても快適」と渋谷さん。

また、お子様は冬だと

「実家のお風呂は寒いから入りたくない」と言うとか(^_^;)

渋谷さんも

「自邸を知ってしまうと実家での入浴は苦痛、」と。

(ご実家も低断熱の家に比べたら快適な部類)

 

中野のエスネルのサーモ結果と概ね同様。
(最強寒波時、洗面に床下エアコン、断熱G2レベルなど条件近似)

 

【秘訣】真冬の超高断熱『サーモ計測』暖かく温度差のない快適空間の実現。 - 住宅設計エスネルデザイン

 

測定点の温度は概ね同じ(24.6-24.9℃)。

しかし温度ムラは大きく異なる。
(図左の温度バーで温度レンジを読める)

S邸は床・壁・天井が均一なのに対して
ご実家は、床15℃程-壁25℃程-天井27℃程と、頭寒足熱の逆の状態であることが分かる。

渋谷さんも

「実家は寒くはない。でもなんか不快感がある。」と。

多くの方が感じたことのあるこの不快感。

室温は同じなのになんで?

正体は「足が寒く頭が暑いから(足冷え+温度ムラ)。」

高断熱+全館空調(床下エアコン)の家はこの不快感を解消してくれる。

「温度ムラのない空間は快適度が全然違うことを実感しています」と渋谷さん。

 

 


【保温性(蓄熱性)の比較実験】................
(天候、気温、日射ありなし、在宅人数などは不明)

S邸と賃貸で暖房OFFにしてからの温度低下を測定。

・ある賃貸は7時間後に室温低下約6℃。
(低下勾配も急激)

・S邸は7時間後の室温低下約1.5℃。
(低下勾配は緩やか)
翌日16時(31時間後?)の室温低下は約5℃。すごい。
(※日射のありなし、内部発熱の量による)

 

 

高断熱住宅
=冷暖房エネルギー小
=エネルギー単価上昇影響低
=電力不足回避に貢献
=環境負荷低

 

 

 

................

続いて高断熱住宅の健康性について。

 

 

 

 

 

室温が維持された暮らし、温度差のない暮らしは健康・寿命に直結する。

近年、暖かさと健康性に関する様々な実証データが示されてきている。

 

 

衝撃的で非常に参考になった話。

渋谷さんのお子様は「喘息持ち。」
(渋谷さん自身も喘息持ちで何度も入院経験があるそう)

それが高断熱の新築に住んで喘息がほぼ出なくなったとのこと。

そして事件が、、、

ある日渋谷さん家族が冬に知人宅(非高断熱。就寝時暖房OFF)に泊まった際、お子様が深夜に喘息の発作を発症→翌日即入院。

この経験から

「自宅は暖かいから喘息が起こらなかったんだ。」

と暖かい暮らしが健康に与える影響を身を持って知ったということでした。

 

 

暖かい家は「代謝が落ちる老後」に真価を発揮する。

特に足元。

また現在、渋谷さんの元に築1年で初めての冬を過ごした方(奥様)から

「足元が寒すぎるから床暖房を入れたい!床を剥いでもいいから、、」(切実)

という依頼が来ているそう。

 

また高断熱住宅は冬や夏の他にも「季節の変わり目」にも大きな価値を発揮する。

それは「夜と朝の寒暖差を抑えてくれる」というもの。

特に体調を崩しやすいのは寒暖差の大きい季節の変わり目。

盲点になりがちだがこのメリットが意外と大きい。

 

高気密高断熱の家に住みたい!『寒暖差が体に与えるストレス』 - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

 


(黄金チャーハン:渋谷さんが前職で開発した大人気メニュー。素材にもこだわっている)

 

また渋谷さんが言われるように、暖かい家が持つ隠れたメリットに「夫婦喧嘩が減る」がある^ ^

これもよく聞く話。

快適性は精神の平穏、心のゆとりにもつながるのでしょう。
(自律神経が整う)

 

 

 

................

 

渋谷さん、資料の方ありがとうございました。

貴重な情報、非常に参考になりました。

今後とも何卒宜しくお願い致します。

 

 

-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-

 

 

【おまけ】................

渋谷さん発表資料より。

 

奥様のご希望で採用した「玄関の間接照明」。

ネット?で見てオシャレで採用したくなったそう。
(渋谷さんは「いらなくない?」という立場だったとか)

結果、ほぼ使わず。(新築時に数回?)

 

家づくりあるあるですね(^_^;)

一生に一度の家づくり。夢は膨らみがち。

自分の体験から来る「欲しい」でなく、ネットで知った「良いかも」は往々にして活用されない。

(デザイン面でなく機能面で優れた案は〇)

 

 

家づくりあるある②。

家を建てる前は「デザイン」「間取り」「住宅設備」「収納量」などが気になるもの。

家を建てた後、それらに対する不満はあまり多くありません。
(住めば都。人間慣れるもの)

建てた後のよくある不満はダントツで「冬、寒い」。

家を建てる際は、ネットや雑誌や建てたばかりの知人に聞くよりも「親」に聞いてみると良い。

「もう一度家を建てるならどんな家にする?」

数十年住んだ上で感じた価値ある答えを教えてくれると思います。

(うちの親の返答は「暖かい家」「掃除の楽な小さい家」「住みながらかかるお金が少ない家」)

 

 

僕の言葉を引用してくださった^ ^

庭に限らず、自邸で叶えなくても良いものは多々ある。

「それは家の外(街)では叶えられないか?」

を自問してみることは家を建てる上で有意義。
(ex.庭、BBQスペース、ベランダ、オシャレデザイン、客間、広い浴室、、)

その上で「やっぱり家で叶えたい」と思ったものは本物の要望なのでしょう。

 

『空間のアウトソーシング』

エスネルデザインが提唱する良い家を建てる秘訣です。

 

「空間のアウトソーシング。」必要十分な家づくりを。 - 住宅設計エスネルデザイン

 

家はこういう場所でありたいですね。

賃貸と大きく異なるのは

家は『家族の精神の拠り所』であるところ。

(暖かく快適であればなおさら♪)

 

 

 

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