【渋谷さん発表③】『換気不足のリスク』CO2、カビ。『換気設備選定の注意点。』

【断熱・気密・健康】の秘訣

ゆうです^ ^

前回の住学でアオキ住建の渋谷さんに発表して頂きました。

発表にあった

『換気不足時の室内のCO2濃度は?』

『設備はシンプルに限る。』

をご紹介します。

渋谷さん、参考になるお話をありがとうございました♪

 

 

 

渋谷さんの発表から前回

①『5年経過後の引き違い窓の気密性の変化』

②『高断熱住宅(G2)の快適性と健康性。』

について紹介いたしました^ ^

プロも知らなった非常に参考になるデータです。

 

【渋谷さん発表①】『引き違い窓の気密性低下。築5年で13c㎡。』リスクを考慮した窓選びを。 - 住宅設計エスネルデザイン

 

【渋谷さん発表②】『高断熱住宅(G2)の快適性と健康性。』温度ムラと喘息。 - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

................

 

今回は

『換気不足時の室内のCO2濃度は?』

『設備はシンプルに限る。』

をご紹介♪

「住宅建材の営業マン」と「高断熱住宅(G2)の住まい手」の両方の顔を持つ渋谷さんの言うことはとても説得力があります。

 

 

 

 

 

20年前に設置された「熱交換換気+冷暖房」設備。

渋谷さんのところに故障の相談が来たが

・現在廃番→交換不可能。

・撤去+新設はコストが大きすぎて非現実的。

と万事休す。

また「冷暖房の効き具合」は体感で分かるが「換気や熱交換が適切に行われていたかどうか」は分からない。

複雑な機能を複合した設備は注意が必要。

現実には開発時に想定していない施工・運用がなされるケースもある。

改めて『設備はシンプルなものに限る』と僕からも伝えたい。

 

【秘訣】設備は交換が容易なこと。「愛車の双太郎が故障!」 - 住宅設計エスネルデザイン

 

 


【空調ダクトの清潔具合】................

「換気が連続して適切に行われていたダクト内部は概ね綺麗だった」とのこと。

・施工が適切に行われていること。

・連続して空気が流れ続けていること。

が大きなポイント。どちらも注意が必要。

 

 

 

 

 

 

 

 

空気の汚れ具合はCO2濃度が指標になっている。
(「1000ppm以下」が綺麗な空気のひとつの目安)

CO2濃度グラフを見るとき「CO2濃度が高い=CO2が悪さする影響」もあるが

「CO2濃度が高い=空気が汚れている。適切な換気がなされていない。」
=匂い、揮発性化学物質、湿気、CO2、病原菌、、等の滞在時間が長くなる。

ことのほうが重要。

 

 

渋谷家では

・家族4人が6+3帖の寝室で一緒に寝ている。

・冷暖房を循環させるため、寝室の戸は開けて寝ている。

計測結果を見ると、就寝人数が多くても寝室のCO2濃度は1000ppm以下

→換気が有効に機能している〇

 

 

「ドアを締め切る」「換気OFF」にして過ごした計測結果。

寝室では1000ppmを軽く超し、最高で5000ppmに達した!

これはCO2自体が悪さする影響も体感レベル!?

基準によると「長時間続くと健康被害が予想されます」とのこと。

 

高気密住宅であることも要因と思われる。

昔の家は低気密+温度差換気により換気設備がなくても自然に換気がなされていた。

一番危ういのは「中気密」+「換気設計なあなあ」な家。

→換気が適切に機能しない+空気(CO2)は自然に外へ行かない。

最悪の場合、健康被害や結露→カビ(表面も壁内も)等につながる。

 

 

「引戸を閉めて換気」「引戸を開けて換気を止める」の実験結果は以前を記事をご覧ください↓

【秘訣】『換気と健康。』換気設計の難しさ。「換気実験の紹介。」 - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

3種=排気は機械・給気は穴。
1種=排気も給気も機械(のことだが渋谷さんがここで言いたいのは「ダクト式」のことだと思われる)

 

エスネルデザインの標準提案換気設備は

1種(排気も給気も機械)+ダクト非採用。
(+高気密)

適切な換気がなされる前提で、考えられる一番シンプルな設備を選定している。
(メンテ手間小、メンテコスト小、万が一の空気汚染リスク小、コストパフォーマンス良)

快適性はオリジナルの換気空調設計にて実現している。

 

【快適性】なんのための超高断熱?「家中暖かく快適に暮らすため。」【全館空調のススメ】 - 住宅設計エスネルデザイン

 

複雑な設備を採用する場合は『メンテナンスの容易さ』がポイントになる。

・摩耗部品は交換できるか。
(物理的に交換可能な仕様か、メーカーは在庫をどれほどの期間保管するのか)
(交換部品は現実的な価格か、現実的な頻度か)

・高齢になった際、または予備知識のない方に家が渡った際にメンテナンスに支障をきたさないか。
(第三者へ売買、ご主人が長期単身赴任、子供へ譲渡、、)

 

 

・適切な施工(設計者・施工者の理解度、現場監理、)。

・換気風量の検証、調整(ダクト使用時)。

・摩耗部品の経年変化の程度の把握。

など抑えるべき点は様々。決して容易ではない。

 

 

換気(新鮮空気)はある意味、耐震や断熱よりも重要なもの。

体内に摂取するという意味では「水」や「食品」と同じ。

 

設計士はシックハウス問題を忘れてはならない。
(化学物質の多量使用+換気不足→健康被害)

見えないものだからこそ、慎重に、多くの事態を想定して、換気設計に臨みたい。

 

 

 

................

 

渋谷さん、資料の方ありがとうございました。

貴重な情報、非常に参考になりました。

今後とも何卒宜しくお願い致します。

 

 

-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-

 

 

【関連記事】................

【渋谷さん発表①】『引き違い窓の気密性低下。築5年で13c㎡。』リスクを考慮した窓選びを。 - 住宅設計エスネルデザイン

【渋谷さん発表②】『高断熱住宅(G2)の快適性と健康性。』温度ムラと喘息。 - 住宅設計エスネルデザイン

【渋谷さん発表③】『換気不足のリスク』CO2、カビ。『換気設備選定の注意点。』 - 住宅設計エスネルデザイン

先頭に戻る