【秘訣】『シンプルな設備選定を。』多機能設備の弊害。-エアコン自動お掃除ロボのメンテナンスの落とし穴-
ゆうです^ ^
先日、中野のエスネルでエアコンの自動お掃除ロボのメンテナンスを行いました。
自動お掃除ロボ付きならメンテナンスは不要??
蓋を開けてみるとむしろメンテナンスは複雑。
エスネルデザインの思想のひとつである
『シンプルな設備選定。』
その重要性を再認識しました。
これを知れたのは中野のエスネルのO様、そして網川原のエスネルのK様のお陰です。
O様、K様、大変ありがとうございました。
なにがあったのか。
まずは下記の記事をご覧頂ければと思います。
【メンテ】エアコンのホコリ除去。冷暖房の効き向上、支出低減。case.網川原のエスネル - 住宅設計エスネルデザイン
『エアコンのフィルター清掃をしていなかったらフィルターにホコリが詰まって風量が落ちた。』
→『暖まりが悪くなった。』
→『暖房費が余計にかかった。』
ということ。
上の記事ではホコリ収集箱のホコリを撤去するところまででした。
しかし!
メンテナンスはそれだけでは足りていなかったのです。
エアコンの自動お掃除ロボのメンテナンスについて
深堀りしてお伝えします。
(長文ですが住宅を建てる上で重要な点です)
中野のエスネルの床下エアコン。
温風を床下へ効率よく吹き込めるよう囲い板で温風の漏れを制御している。
囲い板は置いてあるだけなのでエアコンにぴったり寄せられる。
シンプルで効果的。
こうした細部に設計者の思想が反映される。
メンテナンスや交換の容易さを考慮しエアコン上部の板も簡単に外せる仕組みに。
『床下エアコン』と言っても設置位置は千差万別。
「床下に丸ごと設置型」「半分埋込型」「床上設置型」等がある。
床下に温風を効果的に吹き込めること、1階部分のエアコンの出を減らせること等から、エアコンを床に埋め込むタイプも理に適ってはいる。
しかし、エスネルデザインは「床上設置型」。
理由は「メンテナンスの容易さ」や「交換のしやすさ」を優先しているため。
こうした設計思想は前職の所長から多くを学ばせて頂いた。
フィルターのメンテナンスを開始。
まずはエアコンの前側パネルを外す。
エアコンは日立製のもの。
ひと昔前のエアコンのメンテナンスは写真の上と前のフィルターを外して掃除機でホコリを取れば済んだ。
しかし、近年のエアコンには自動お掃除ロボ機能が付いている。
これが良くもあり悪くもある、、
中央が自動お掃除ロボ(稼働中)。
ブラシ付きのロボがフィルターの端から端まで走り、フィルターに付いたホコリを端の収集箱に寄せ集める。
収集箱①。
収集箱②。
1週間前にホコリを撤去していたそうなのでこのホコリが約1週間分。
結構すぐに溜まります。
(床下エアコンは床に近いこと、連続運転していること等からホコリが溜まりやすい)
自動お掃除ロボ稼働後のフィルター。
吸引するわけではないので完璧にホコリが取れる訳ではない。
そして、ここからが重要な点。
自動お掃除ロボのメンテナンスは「収集箱のホコリを捨てて終わり」ではありません。
むしろここからが本番です。
お掃除ロボにはフィルターのホコリを寄せ集めるためのブラシが付いている。
前側のロボ内も同様。
自動お掃除ロボのメンテナンスは「このブラシのホコリを取らなければ完了しない」ということ。
そうしないと
ブラシの毛の間にホコリが詰まる。
→詰まったブラシでフィルター掃除を行う。
→フィルターのホコリは上手く回収できず、むしろホコリが押し込まれてフィルターに詰まっていく。
→風量が落ちる。
ということが起こる。
エアコンの説明書にはブラシの清掃について当然書いてある。
しかし、
どれだけの方がここまで理解しているだろうか。
恥ずかしながら僕自身、今回初めて知りました。
ほとんどの方が「収集箱のホコリを捨てて終わり」または「なにもしていない」のではないでしょうか。
僕が現在使用しているエアコンには自動お掃除ロボが付いていないので、冷暖房シーズン開始時にフィルターを外し掃除機でホコリを取っています。
非常にシンプルな仕組みでメンテナンス作業も容易。
フィルターを見ればホコリが溜まっているかどうか(メンテナンスが必要かどうか)が一目瞭然。
掃除機で吸うのでロボよりホコリの捕集率も高い。
自動でメンテナンスがされないからこその利点がある。
考えをまとめます。
設備の機能の進化は良い。
自動化は今後のトレンドでしょう。
しかし、その分メンテナンスは複雑化する。
感覚的に理解できなくなる。
その複雑なメンテナンスを使い手にどれだけ強いれるのか。
設計者は慎重に考えなければならない。
機械は進化しても人間は進化しない。
忘れるし面倒くさがるもの。
その点を考慮して設備設計を行っているか。
設備設計者だけでなく、それを選定する住宅設計者も。
家は車と異なり車検はない。
(定期点検があっても設備のホコリまで取ってはくれない)
基本的には住まい手がメンテナンスを理解している必要がある。
メンテナンスが複雑な場合、それは簡単なことではない。
理解している人が単身赴任することもあるでしょう。
家の持ち主が変わることもあるでしょう。
そういったことを想定すると
『設備は単純なほうが良い。』
多くの人にとって感覚的に理解できること
メンテナンスが容易であること
交換が容易であること、廃番リスクが少ないこと
特に空調換気設備に対して強くそのように感じている。
エスネルデザインの設備選定、空調換気計画はこのような考えの基に設計を行っています。
表面的な効率向上やメンテナンスの手間削減は懐疑的に検討する必要がある。
特にホコリが溜まりやすくまた連続運転する設備であればなおさら。
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今回の自動お掃除ロボのメンテナンスから
現在の設計思想が確信に近づくのを感じました。
『自分の家を建てるならどんな設備を選ぶか。』
現実的で長期的な視点から考えること。
今後も精進して参ります。
-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-
※エアコンの自動お掃除機能は許容範囲と考えます。
(説明書を読み適切なメンテナンスを行いましょう)
熱交換換気扇やダクト式空調などは慎重に考えています。
詳しくはいずれまた。
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