【秘訣】エアコン選定『再熱除湿の要不要。』設備と設計。-家電の今後、家づくりの今後-

【冷暖房・空調・換気】の秘訣

こんにちは^ ^

夏本番が近づいて来ましたね。

エアコン選定について

再熱除湿の要不要。

設備と設計。

家電、家づくりの今後。

についてまとめました。

 


〈出典:日立HP

 

 

今回の記事を書くきっかけは下のニュースを知ったため。

 


〈出典:Bloomberg

エスネルデザインでも勧めていた日立がエアコン事業から撤退する。

〈推奨理由〉
・他社よりも故障が少なかった(近年は増加傾向のため理由撤回)
・再熱除湿機能がついている(※再熱除湿はマストではない)

 

 

このタイミングで再熱除湿の要不要についてまとめたいと思います。

 

【再熱除湿とは】................


〈出典:日立HP

ざっくりまとめると

〇通常の除湿(=弱冷房)だと室温が下がり過ぎて不快になってしまうことがある。
→再熱除湿は「冷房除湿+暖房」を行うため室温を下げ過ぎずに除湿することが出来る。

〇「湿度を下げたい」が「室温は下げたくない」という場合に有効。
(特に梅雨時期などに有効)

〇低断熱住宅よりも高断熱(冷房で室内がすぐに冷えやすい)住宅の方が再熱除湿が有効に働きやすい。
(冷やし過ぎずに除湿が続けられる)

△冷房と暖房を同時に行うためその分電気代はかかる。

 

再熱除湿は限られたメーカーの上位グレードにのみ付加されている機能。
(日立、三菱など。日立の再熱除湿名称「カラッと除湿」)

〈グレード別性能比較(2021.11カタログ)〉

 

 

【通常の除湿(=弱冷房)とは】................


〈出典:日立HP

通常の除湿は「冷房のついでに湿気が取り除かれる(ある程度なりゆき。湿度設定はできない)」。
(冷房除湿の仕組み「空気がエアコンに吸われる→エアコン内部の冷えたフィンに空気が触れる→結露(除湿)→温度と湿度が下がった空気が吹き出される」)

弱冷房除湿の要点は

「冷房し続けると室内が冷える」
→冷えて不快に感じる
→設定温度になり冷房が止まる=除湿も止まる=下げたい湿度まで下がらない

という点。

逆に言うと建てる住宅が「上記要点のようになるか否か」が再熱除湿の要不要の判断のポイントになる。

 

 

 

【再熱除湿は必要か不要か】................

その判断は

「夏、冷房運転(再熱除湿なし)で室内の湿度を50%前後に出来るかどうか」による。
(室温27-28℃程で)

〇出来るなら再熱除湿は不要(あっても良いがマストではない)。

〇出来ないなら再熱除湿があると好ましい(湿度を下げやすい)。

※低温環境(24℃以下など)でも不快と感じないようであれば再熱除湿は不要(冷房除湿で良い)。
(ただし傾向として女性は低温環境を不快と感じやすいため夫婦差要検討(僕も冷え性のため低温は不快))

 

〈エスネルの場合〉................

エスネルの場合、再熱除湿は無くても良い(マストではない)。

理由は弱冷房除湿(再熱除湿なし)でも低湿環境が叶うから。

外気を即除湿する『エスネル式換気空調設計』がポイントとなっている。

 

 

 

『エスネル式換気空調設計』『低湿冷房』については下の記事にまとめています^ ^

 

【暮らし】梅雨-夏『結局大事なのは湿度!』子供も大人も快適な住環境を。-燕仲町I様のご感想- - 住宅設計エスネルデザイン

 

【秘訣】『低湿冷房を叶える設計の要点。』空調、換気、間取りの連動性の考慮。-冷房設計の重要度- - 住宅設計エスネルデザイン

 

【秘訣】真夏の超高断熱『低湿度を叶える冷房のポイント。』-エスネル式換気空調設計-case.燕仲町 - 住宅設計エスネルデザイン

 

【秘訣】エスネル式換気空調設計。『換気と空調の経路を揃える。』-シンプルな設計で快適性を得る- - 住宅設計エスネルデザイン

 

【秘訣】『冷房設計の要点。』リターン経路の必要性。結露リスク。入れ替え。-冷房設計の難しさ- - 住宅設計エスネルデザイン

 

【秘訣】真夏の超高断熱『低湿度環境の実現。全熱交換換気扇なし。エスネル式換気空調設計。』サーモ・冷房費紹介。case.中野のエスネル - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

【その他の要点】................

〇梅雨時期は再熱除湿があると便利だが除湿機を使うことで解決可能。
・梅雨時期は除湿したいがエアコン弱冷房除湿だと室が冷えてしまう△
・除湿機は除湿しつつ排熱により室温を上げる→室内干し乾燥の促進。
・再熱除湿があればあったで良い(除湿器の水捨て手間もなくなる)。
・洗濯乾燥機を使う場合除湿ニーズは減るため除湿機も弱冷房除湿も必要性は減る。

〇全館空調設計により室内が冷えすぎることを抑える。
・弱冷房除湿でも室内が冷えすぎない設計=室を仕切り過ぎず冷気が家全体に広がりやすい設計。

〇適度に窓から日射熱を得ることで再熱除湿の暖房効果を得る工夫も可能。
・「弱冷房除湿で室内が冷えて不快」となった場合、カーテンを開けて適度に日射熱(湿気を含まない顕熱)を入れ室温を上げる。
(意図せずとも窓から日射熱は入る)
(日射を遮蔽しすぎると除湿が促されにくくなる場合あり(熱負荷が少ない=冷房が度々止まってしまう))

〇給気口とエアコンが離れていると除湿が促されにくい場合あり。
・両者が離れていると高温多湿の外気が家の中に広がりやすい=除湿が効率的に行われにくい。
・両者が近いと除湿が効率的に行われやすい。

〇再熱除湿は電気代がかかる。
(概ね弱冷房除湿の1.5~2倍程)
case.燕仲町のエスネル
築1年目の夏は再熱除湿運転(新築からの湿気発散に抵抗(基礎のコンクリ、塗装等)、赤ちゃん発汗ケアのため)=冷房費高め
→今年は再熱除湿を止め冷房運転=湿度49%(参考ブログ)

 


〈出典:東京電力HP

弱冷房除湿は再熱除湿に比べ電気代が抑えられる。
(弱冷房で室内がしっかり冷える高断熱性は必要)

弱冷房の場合、通常冷房に比べ「室温が下がりにくい(室温を下げる量が少ない)」=「室温を下げるために冷房し続ける(エアコンが動き続ける)」=「止まらずに除湿し続ける」点も有効。

※さらに「風量最小+フィルター設置」で上記効果をより促進させる運用方法もある。

 

【暮らし】『冷房の工夫。不織布フィルター設置。』ホコリ防止、風量低減による除湿効果。-吉岡、T様のブログ紹介- - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

また再熱除湿要不要の最大の要点として

〇弱冷房除湿の方が除湿量が多い(除湿量を稼げる)。

ということがある(ケースバイケース)。

日本エネルギーパス協会代表理事の今泉さんの「高性能な家づくりチャンネル」の動画が非常に参考になりますm(_ _)m

 


〈出典:高性能な家づくりチャンネル

 


〈出典:高性能な家づくりチャンネル

再熱除湿よりも弱冷房除湿の方が「除湿量を稼げる」「冷房費を抑えられる」という利点がある(室温低下も限定的)。

詳細は「高性能な家づくりチャンネル」さん動画をぜひご覧ください。

専門的な内容が非常に分かりやすくまとめられておりプロでもとても勉強になりますm(_ _)m

 

 

 

【結論】................

〇冷房運転(再熱除湿なし)で室内の湿度を50%前後に出来るならば再熱除湿は無くても良い。
(室温27-28℃程で)
(よりシビアな湿度コントロールを望むなら再熱除湿があっても良い)

〇再熱除湿より弱冷房除湿の方が効果的。
=室温が下がり過ぎないよう運用できるのであれば弱冷房除湿がお勧め。
(要点:冷房風量を抑える。空間を仕切り過ぎない。適度に日射熱を得る等)

〇設備の機能に頼る前に設計的工夫により除湿を促進させたい。
『湿気は家の中に入れたら出来るだけすぐに取り除く。』
(給気口の下にエアコンを設置する=即除湿、サーモオフ防止)
複雑なシステムではなくシンプルなシステムを。
(ハイテクの前にローテク(物理法則)を駆使する)
(ローテクは故障しない。交換費用もかからない)

 

 

 

 

【最後に】................

日立のエアコン事業撤退から感じられること。

「庶民のためのもの、誰にでも作れるものは日本製では売れない時代になってきている。」
・採算が合わない。成長が見込めない。
・それらの製造は新興国が担当する(高度経済成長期に日本がそうだったように)。
・メーカーは生き残るため専門性に特化していかなければならない(選択と集中)。

「危惧されるのはアフターメンテナンス。」
・今後は「設備を直す」という発想はなくなっていくのかもしれない。
(手間がかかる。作り手-売り手-メンテナンス業者が分かれる=修理不可能)
(販売者が商品の設計内容、製造工程を把握しきれない事態)

「住まい手が出来る対策。」
〇設備保険に入る。
〇交換しやすい設備の選定、設置場所の選定。
(複雑な設備、システムは避ける)

 

家電であればまだ良い。
最悪買い替えることが出来る。

家はどうだろうか。
家の買い替えは容易には出来ない。

〇適切な設計
〇工事の第三者監理
〇設計-工事監理履歴を残す
〇施工とアフターメンテナンスがしっかりとした施工者選定

「広く浅く」ではなく「狭く深く」。
「専門性を磨き得意に特化した商品を提供する。」

また「購入者と提供者(=地域経済)の持続性が得られる購買行動」の重要性も高まっている。
(木材など地元の材料を使う。地元の職人さんに依頼する→地域経済の持続-循環)
(本や日用品や食材などに関しても)

 

 

................

日立のエアコン事業撤退から様々なことを考えさせられる。

より良いサービスを提供し続けたいという思いが深まる出来事となった。

 

 

-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-

 

 

 

【冷房参考情報】................


〈出典:東京電力HP

エアコン室外機の周りを覆うと冷暖房効率はおよそ2割落ちる。
(ショートサーキットによる効率低下)

→室外機を隠すこと(デザイン優先)は効率面からは非推奨。

 

 

【関連記事】................

 

【秘訣】エアコンの選定方法『冷暖房負荷計算、能力、グレード、買い方。』コストパフォーマンスとリスク対策。 - 住宅設計エスネルデザイン

 

【秘訣】『冷房エアコンのグレード再検討。』-コストパフォーマンス、付加機能、リスク対策- - 住宅設計エスネルデザイン

 

【暮らし】梅雨-夏『結局大事なのは湿度!』子供も大人も快適な住環境を。-燕仲町I様のご感想- - 住宅設計エスネルデザイン

 

【秘訣】『低湿冷房を叶える設計の要点。』空調、換気、間取りの連動性の考慮。-冷房設計の重要度- - 住宅設計エスネルデザイン

 

【秘訣】真夏の超高断熱『低湿度を叶える冷房のポイント。』-エスネル式換気空調設計-case.燕仲町 - 住宅設計エスネルデザイン

 

【秘訣】エスネル式換気空調設計。『換気と空調の経路を揃える。』-シンプルな設計で快適性を得る- - 住宅設計エスネルデザイン

 

【秘訣】『冷房設計の要点。』リターン経路の必要性。結露リスク。入れ替え。-冷房設計の難しさ- - 住宅設計エスネルデザイン

 

【秘訣】真夏の超高断熱『低湿度環境の実現。全熱交換換気扇なし。エスネル式換気空調設計。』サーモ・冷房費紹介。case.中野のエスネル - 住宅設計エスネルデザイン

 

【秘訣】『今後、家は避暑シェルターになる。』酷暑が家を狭くする。広く暮らす秘訣。-酷暑時代の家づくり- - 住宅設計エスネルデザイン

 

【秘訣】エアコン故障時の保険『東京電力:住設家電修理サービス。』-エアコン購入時の要点- - 住宅設計エスネルデザイン

 

先頭に戻る