【自邸-12】『リビング南窓設計。』開くと閉じるのバランス。-窓設計への思い。包括設計-

【自邸(森のエスネル)】

こんにちは^ ^

自邸のリビング南窓設計について。

〇居心地〈開放感とこもり感〉

〇内からの見え方〈デザイン〉

〇西日対策〈日射遮蔽と採光量〉

〇構造〈窓と耐力壁のバランス〉

様々な観点からの検討の過程を紹介します。

 

 

 

ブログで自邸を建てる道程を紹介しています^ ^

我が家の家づくりがゆっくりじっくり進んでいます。

 

【自邸プロジェクト-05】コンセプト『別荘と家の間。』森の成長。-自然と共に生きる- - 住宅設計エスネルデザイン

 

【自邸-10】着工!『地盤改良の重要性、設計者の仕事。』-我が家の敷地の秘密- - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

前回、南面の外観-内観の窓設計について記事をまとめました。

こちらをご覧頂ければと思います↓

 

【自邸-11】『外観-窓設計。』内外の見え方、デザイン、日射遮蔽。-開くと閉じるのバランス- - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

今回はリビング南窓の設計について^ ^

様々なパターンを検討しました。

(以下画像は実写真+簡易加工)


〈案1.窓幅広め〉
・W2.1m-H1.6m×2枚。

真南~南東向きであればこれで良かったが自邸敷地は南西向き。

夏の午後の日射熱を抑えるため窓量の調整を検討。

 


〈案2.窓幅広め+高さ抑えめ〉
・W2.0m-H1.4m×2枚。
(窓上に垂れ壁あり)

窓上部を減らしても直射量はほぼ変わらないため落選。
(窓上部は屋根で直射は遮られる)

窓上垂れ壁により『こもり感』が増した感じは良い。

検討の末、自邸では『開放感(窓上垂れ壁なしによる抜け感)』を優先した(好み)。

 


〈案3.幅かなり抑えめ〉
・W2.2m-H1.6m。

窓量=日射熱を抑えつつスッキリしたデザイン。

ありだがもう少し採光量と開放感を得たいため落選。

(「周囲からの視線が多い敷地」には推奨できるデザイン)

 


〈案3+α.幅かなり抑えめ+小窓〉

スッキリ感とダイニング周辺の採光+抜け感を得る。

ありだが外観が格好良くまとまらず落選。

 


〈案4.幅抑えめ+高さ少し抑えめ〉【決定】
・W1.64m-H1.45m×2枚。

窓幅抑えめ+天井高を下げ窓上垂れ壁は造らずに窓高さを抑えた。

実際は日射は直射光だけでなく反射光による熱負荷もある。

特に西向き窓の場合、サイズを抑えることは夏の日射熱低減に有効。

(+外部にアウターシェード設置を検討中)

また『窓を設計する』ことは『壁を設計する』こと。

自邸は「積雪量1.5m+耐震等級3」。

そのため壁量=耐力壁量の確保も重要なポイントとなっている。

 

 

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また『窓-壁-天井-カウンターを一体でデザインしたい(それによる「壁がくり抜かれたような体感」を造り出したい)』という思いがあります。

そうした窓は見た目がスッキリとし視線が自然と空に抜けます。

 


窓-壁-天井-カウンターを一体とした設計。

『窓=壁がくり抜かれた感覚』を造り上げたい。

『サッシ枠の見えない特別な窓納まり』もそれを促進させる設計的工夫。

 

 

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〈1.右窓下オープン棚〉


〈2.全窓下クローズ棚〉


〈3.棚下にテレビを納める〉

「テレビをあまり見ない暮らしがしたい。」
(必要な時のみ見る。つけっぱなしは避けたい=心を落ち着かせたい)

「テレビの存在感を抑えたい。」

という思いがある。

また

「壁二面に窓を設けたい(抜け感を得たい。外を眺めたい)」

「そうなるとテレビの置き場が限られる」という理由もある。

(上記TV位置は通常より低く小さいため万人受けはしません)

 


〈4.棚下にテレビ+両側オープン棚〉【決定】

両側クローズの方がスッキリして良いがゲーム機器などオープン棚の方が使い勝手は良い。

既製収納ケースを用いて必要に応じて隠すことを想定している。

 


〈自邸3Dパース〉

『閉じる(こもり感)』と『開く(開放感)』のバランス。

建主様の好みや立地の周辺環境-方角により毎設計で適切なバランスを検討している。

 


森を眺める出窓ベンチ(画像右)についてはまたいずれ♪

 

 

【自邸-08】設計追い込み中『森を眺める出窓ベンチ。』-自邸を自分で設計する苦悩と幸せ- - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

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『開く』と『閉じる』の居心地について。

これまでの設計実例を基に違いを紹介します^ ^

〈case.天野のエスネル〉................


〈開く〉W1.7m-H1.6m×3枚。
・開放感、抜け感。周囲の自然を積極的に得る。
(適すケースは立地環境による)

 


〈中間〉W1.7m-H1.6m×2枚+小窓【採用】
・開放感とこもり感のバランス。
・周囲の視線、日射遮蔽と採光、耐力壁量のバランス。

 


〈閉じる〉W1.6m-H1.6m。
・こもり感、日射遮蔽強め、周囲視線カット強め。

 

 

【天野のエスネル‐10】完成写真たち。『多彩な居場所、居心地。』-暮らしを愉しめる家- - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

〈case.燕仲町のエスネル〉................


〈開く〉W1.7m-H1.6m×3枚。

 


〈中間〉W1.7m-H1.6m×2枚+小窓【採用】

 


〈閉じる〉W2.2m-H1.6m。

 

 

【燕仲町のエスネル‐10】完成写真たち。『多彩な居場所、居心地。』-暮らしを愉しめる家- - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

〈case.長倉のエスネル〉................


〈開く-1〉W2.2m-H1.4m×2枚。

 


〈開く-2〉W2.5m-H1.4m。

 


〈中間〉W1.7m-H1.4m+小窓【採用】

 


〈閉じる〉W1.4m-H1.4m。

 

 

【長倉】完成写真たち。『多彩な居場所、居心地。』-豊かな暮らしを愉しめる家- - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

『開く』と『閉じる』のバリエーション。

いかがでしたでしょうか。

写真を見ると「開くパターン素敵だな。」と感じられた方もいるかと思います。

ただし、開く場合に重要なポイントは『窓先の景色が魅力的かどうか。』

・植栽、自然、空、など見ていて心地良い景色があるか。

・隣家からの視線は気にならないか。

・開けば日射熱が負荷になる(春-夏-秋)。それを超える価値があるか。
(※日射熱負荷は冷房により対策可能)

・耐震設計(≒耐力壁量)は問題ないか。

 

自然に囲まれた別荘地でもなければ「大きく開く」はデメリットがメリットを勝る場合が少なくない。

そのため開きすぎは要注意。

また「大きく開くことで外の魅力を得る」のではなくむしろ『適切に閉じ適切に開く』ことが自然の魅力を活かすための最適解となるケースもある。

外の視線をカットしつつ魅力的な景色を切り取る。
(ピクチャーウインドウ効果)

窓設計時の重要な観点です。

 

 

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『窓の設計。』
(量、設置位置、サイズ、種類、、)

それは設計者のセンスが現れる部分。
(「センスが問われる」とも言える)

開くと閉じる。

居心地、視線の抜け。

耐震や日射遮蔽を考慮した窓量バランス。

断熱性やコストパフォーマンスも重要。

経年を考慮した防水性、気密性の維持も重要。

ひとつの観点ではなく包括的な観点から設計を行いたいと考えています。

 

 

-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-

 

 

 

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