【秘訣】真夏の超高断熱『低湿度を叶える冷房のポイント。』-エスネル式換気空調設計-case.燕仲町

【冷暖房・空調・換気】の秘訣

こんにちは^ ^

先日、燕仲町のエスネルに伺ってきました。

エスネルの真夏の温湿度I様の感想を紹介します。

『エスネル式換気空調設計(全熱交換換気扇なし)』

低湿度で快適な空間が実現していました。

 

 

 

燕仲町のエスネルは燕市に建つ2階リビングの家。

ロフト、デイベッド、ベランダ、雲見ベンチ、階段上ロフト、コーナーサッシ、、

多彩な居場所、居心地を最大限に叶えるプラン。

・延床面積=27.8坪
・UA=0.23(G3)、q=59.4
・耐震等級3(積雪1.2m、Z=1.0
・太陽光パネル設置
・杉板外壁×植栽

これからの時代を見据えた『超高断熱の小さな木の家』です^ ^

 

 

【燕仲町のエスネル‐10】完成写真たち。『多彩な居場所、居心地。』-暮らしを愉しめる家- - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

 

 

 

 

今回の記事は以前まとめた記事の補足になります。

〇全熱交換換気扇を標準採用していない理由。

〇全熱交換換気扇がなくても快適な低湿度環境は実現できるのか。

〇その時の冷房費は。

〇室内の表面温度(サーモグラフィ)。

〇エスネル式換気空調設計とは。

などの詳細は下の記事をご覧ください^ ^

(なかなかのボリュームがあります)

 

 

【秘訣】真夏の超高断熱『低湿度環境の実現。全熱交換換気扇なし。エスネル式換気空調設計。』サーモ・冷房費紹介。case.中野のエスネル - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

真夏のエスネルの冷房・温湿度を紹介します^ ^

【概要】................

目的:真夏の超高断熱の温湿度の調査

調査日:2023.8.5(11:00~12:00)

場所:新潟県燕市

外気温:35-36℃程

建物性能:断熱性UA=0.23、q=59.4、気密性C=0.1

冷房:家庭用ルームエアコン

換気扇:熱交換換気なし

 


外気温はフェーン現象の影響もあり毎日猛暑日となる程。

(外気温35℃、湿度60%、絶対湿度20g/kg)

 

 

【内外の温湿度】................


リビングの室温は27℃。

そして湿度は45%!
(絶対湿度10g/kg)

湿度50%程の室内は高原のような涼しさ^ ^

夏期は『室温27-28℃程、湿度50%前後(絶対湿度12g/kg程)』だととても快適。
(「室温高め、湿度低め」を叶えたい)

「室温高め、湿度低め」は「室温低め(ex.24℃)」で得られるものとは異なる涼しさがあります^ ^

冷え過ぎることなくサラッと快適です。

→『夫婦の快適温の違い問題』も緩和します。
(ex.夫は暑がりで冷やしたい。妻は冷えすぎると不快など)

 

補足として

〇人間(大人4人+お子様)の発熱・発汗あり。

〇全熱交換換気扇なし。

でこの低湿度環境が実現している点がポイント。

それが叶っている理由は『エスネル式換気空調設計』にあります^ ^

 

 

【秘訣】エスネル式換気空調設計。『換気と空調の経路を揃える。』-シンプルな設計で快適性を得る- - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

【冷房状況】................

〈1階エアコン(10帖用)〉
除湿運転、設定温度:25℃、風量:最大、24h運転
〈2階エアコン(6帖用)〉
冷房運転、設定温度:20℃、風量:最小、日中ON-夜OFF

 


1階エアコンの冷房設定の意図は
〇お子様のため涼しめで運用
〇洗濯物を乾かす(風、除湿)
〇床下や室内の低湿度化
など。

お子様の成長や床下が乾いてくれば運用の程度は抑えられると思われる。

 


写真位置の絶対湿度は10.7g/kg。
(容積絶対湿度12.5g/㎥から換算)

洗濯物に風があたる位置にエアコンを配置している点もポイント♪
(冬場の部屋干しにも効果的)

 


2階エアコンの冷房設定の意図は
〇湿度を落とすため(設定温度低め、風量最小)
〇風の音を抑えるため(風量最小)
など。

絶対湿度は8.2g/kg。
(容積絶対湿度9.9g/㎥から換算)

〈ポイント〉................

〇いつもは設定温度23℃で冷房されているとのこと。
(この日は来客を考慮して20℃まで下げられていた)

〇設定温度20℃でも室温は27℃程。
→設定温度20℃分の冷房費がかかるわけではない。

〇ロフト設置エアコンのメリット
・熱が集まる高い位置のため熱気をエアコンに入れやすい。
(冷気を拡散しやすいようロフトは開放的な造りにする)
・ロフト床があるためメンテナンスがしやすい。

 

 

【秘訣】『冷房設計の要点。』リターン経路の必要性。結露リスク。入れ替え。-冷房設計の難しさ- - 住宅設計エスネルデザイン

 

 


内外の温湿度(再掲載)。

1階も2階も低湿度で涼しく快適^ ^
(外は36℃超!)

 

【I様の感想】................

◯旦那も私も快適に過ごしています。家中が均一に涼しく感動しています✨

〇子どもがまだ小さく暑がりなので涼しめになるように設定しています。

〇リビングエアコンは設定温度高めで風量を強めると湿度が高かったので設定温度低めで風量最小で運転しています。

〇特に冷気を感じる場所はありません。
(「エアコン付近が寒い」等の冷気ムラはない)

〇夏の快適性は「湿度」なんだと実感しています。

〇ロフト床があるためエアコン掃除などが楽です。

〇太陽光発電があるので気がねなく冷房をつけられています。
(発電した電気の自家消費→買電金額の低減)
(経済的メリットだけでなく心理的メリットもあり)

〇アパート暮らしの時に比べて娘が風邪を引かなくなりました。

 

I様の感想が嬉しいです^ ^

 

 

 

【低湿度を叶える冷房運用のポイント】................

〇『設定温度低め』
エアコン内部(熱交換器)がより冷える
→エアコンに入った空気がエアコン内で結露(除湿)する
→湿度が下がる。

〇『風量最小』
・風量を少なめにすることで設定温度低めにした際に室内が冷え過ぎない。
・エアコンに入った空気が冷えた熱交換器に触れる時間を長く取れる(より除湿する)。
・風量少なめ運転のため設定温度まで室温が下がらない
→エアコンが運転し続ける(サーモオフしない)
(風量「自動」だとON-OFF運転を繰り返すので手動で風量「最小」に設定するのがポイント)

※「風量最小でも冷気が拡散しやすく熱気が溜まりにくいプランニング」が求められる。
※「風量最小でも室内が暑くならない高断熱性」が求められる。

※エアコンの吸込口に不織布フィルター多めやタオル等を置くことで風量「超最小」にして運用されている強者もいる。
(「風量をより抑える+設定温度をより下げる」ことで室内を冷えさせ過ぎずにより低湿度にする。吉岡T様実践中、概ね良好とのこと)
(上記運用はメーカー想定外のため自己責任でお願いします)

〇『換気量を抑える』
・外の高温多湿の空気を室内に入れるほど室内の湿度は上がる
→換気量を必要最小限に抑えることで必要除湿量を抑える。
(必要換気量は概ねCO2濃度1000ppm以下。ケースバイケース)

〇『日射を入れる(熱負荷を増やす)』
・日射熱(湿気を含まない熱)を取り入れることで①エアコンを動かし除湿を促進、②室温低下を抑制。
(日射熱を活用した再熱除湿)

〇『エアコン1台で冷房する』
・1台のエアコンに負荷を集中させる
→エアコンが頑張る(内部が冷える)
→除湿が捗る。

 

また『外気を即除湿できるエアコン配置』も効果的^ ^
(エスネル式換気空調設計)

 

また涼しさを得るには『気流感を適度に作り出す』ことも有効。
(ex.扇風機、サーキュレーター)

風により肌表面の汗の蒸発を促す。

人の快適感のパラメーターは「温度」「湿度」「放射」「気流」「着衣量」「代謝量」。

言わずもがな着衣量を減らせば涼しく感じますね。

そして『放射(壁や天井など周囲の温度から来る熱の感じ方)』。

超高断熱の壁や天井は表面温度や各々の温度差を抑え、均一な涼しさを実現します。

 

燕仲町のエスネルの周囲の表面温度は
〈2階〉
天井:28.9℃。壁:28.7℃。床:27.6℃
〈1階〉
天井:26.8℃。壁:26.7℃。床:26.5℃

と概ね「各階室温+1~2℃」程。

ムラがなく快適でした^ ^

(概ね中野のエスネルの調査時と同様↓)

 

 

【秘訣】真夏の超高断熱『低湿度環境の実現。全熱交換換気扇なし。エスネル式換気空調設計。』サーモ・冷房費紹介。case.中野のエスネル - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

 

 

 

................

近年の夏の暑さは以前とは別物になってきましたね。

『断熱性』や『換気空調設計』を整えることにより快適で健康な室内環境を叶えたいものです。

I様、ありがとうございました^ ^

快適に暮らされているようでなによりです。

引き続き何卒宜しくお願い致します。

 

 

-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-

 

 

 

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