【自邸-17】検討メモ紹介『ベランダ検討の過程、要点。』出窓ベンチ誕生。-あら熱を抑えた素直な設計を-

【自邸(森のエスネル)】

こんにちは^ ^

自邸のベランダ検討メモを紹介します。

『検討の過程』と『要点』について。

構造、防水、コスト、施工性、使用頻度、あら熱、、

長期的に見て労の少ない『素直な設計』を叶えたい。

また、検討の先に新たな居場所が誕生しました。

ベランダ検討→中止→『出窓ベンチ』。

心地良い窓辺が出来上がって来ています。

 

 

 

自邸のベランダ検討について。

当初、ベランダを設けるという発想はゼロでした。

「ベランダはいずれ使われなくなる」という経験則が染みついていたから。

また、ベランダを心地良い外部空間として造り上げるためには屋根、目隠し壁、防腐対策などコストがかかることも理由でした。

建主様からベランダのご要望がある場合にも「本当に必要かどうか検討しましょう」と説明と共に慎重にヒアリングを行っています。

 

 

【OSのエスネル‐03】プラン修正打合せ「お客様と一緒にプランを作る愉しみ。」 - 住宅設計エスネルデザイン

 

【秘訣】心地良い「外部空間」の作り方。『4つの大きな条件。』 - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

そこから「自邸にベランダ欲しいかも、」と考え出したのは

①長倉のエスネルのH様がウッドデッキをとても上手に活用されていてLDKと連続した外部に魅力を感じたこと。

 


僕も度々訪れその心地良さを感じており「これをそのまま2階リビングで実現できれば」と想像が膨らんだ。

 

 

【暮らし】植栽計画『春の新緑たち。』庭とウッドデッキのある暮らし。-内外を楽しむ-。case.長倉 - 住宅設計エスネルデザイン

 

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ベランダあり検討理由その②は

②西窓の日射遮蔽対策を行いたいと考えたこと。


自邸西窓案(ボツ案)。

 

自邸は西に向けて気持ち良い景色が広がっている。

その方向に窓を開きたいが開けば春-夏-秋の西日の負荷が厳しい。

窓先に「ベランダ+屋根」を設ければ西日を抑えられる。

ベランダ欲しい。

という流れ。

上記2点の理由からベランダあり検討を進めました。

 


長倉のエスネルのLDKには大窓があるが下屋により直射が遮られている。

 

 

【長倉】ルーバーの効果。植栽の効果。『外から見る。内から見る。』-緩く仕切られた豊かな空間- - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

ベランダ検討メモを紹介します^ ^

(以下写真は天野のエスネルを加工)

〈案1:下屋の屋根上にベランダ〉


〇下屋の屋根上にベランダ(床はスノコ形状)を設けることで下階への雨漏りリスクを低減。
〇玄関ポーチは屋根で覆える。
〇必要最小限の大きさで造れる。

△屋根が二重に必要になる(コスト増)
△大きさが半端か(使える大きさか)
△ベランダの屋根の出を無しとすると壁や床に雨がかかる(耐久性。雨天時の利用困難)

 

................

〈案2:下屋の屋根とベランダの屋根を兼ねる〉


〇屋根が1つで済むためコスト増を抑えられる。
〇屋根を支える柱を素直に地面に立てられる。

△玄関ポーチに雨が入りやすくなる。
△ベランダの梁の防水対策、劣化対策が必要。

 

................

〈案3:ベランダを大きく出す。屋根も出す〉


〇屋根を出した分、下屋やベランダ内に入る雨の量を抑えられる。
〇迫力のある特徴的な外観を造り出せる。

△大きくなる分コストがかかる。
△構造負担大。
△ベランダの梁の防水対策、劣化対策が必要。

「エスネルの特徴であるルーバーでベランダを造る=自邸のアイコン、象徴的なデザインを造る。」など、まさに「あら熱(煩悩)」というような考えが浮かんだりしていた。

 


壁で囲われた特別な半屋外空間検討。

 


大窓との兼ね合い。
ルーバー壁による日射遮蔽検討。

 


外観デザイン検討。

 

様々な検討を行ったが、いずれも「構造」「コスト」「防水対策」「定期的なメンテナンス」が必要になり、また「外観デザイン」が素直にまとまらなかった。

検討するほど大がかりなものになっていく。

「果たして様々なコストをかけてまでこのベランダが欲しいか?」

「叶えたベランダを誰がどれだけ使うんだ?」

と、段々と冷静になっていった。
(あら熱が冷めていった)

 

そして、、


「ベランダは造らない」ことに決めた。

〇なるべくコストをかけたくない(イニシャルもメンテナンスも)
〇素直な設計を行いたい(構造、防水、デザイン)。
〇ベランダがなくても屋根には出れる。
〇ウッドデッキ玄関ポーチで心地良い半屋外空間は十分実現できる。

などが決め手となった。

「欲の森を抜けスタート地点(初心)に戻って来れた」というような心地を感じている。

 

検討の詳細は下の記事をご覧ください^ ^

 

【秘訣】『友人を呼ぶことを考えないこと。』自邸のあら熱「ベランダ要不要問題」。-必要十分な暮らし- - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

 

さて「ベランダ無し」と決めスッキリとした反面、少し後ろ髪を引かれる気持ちもありました。

『眺望の良い西窓近辺に心地良い居場所を造りたい』という思い。

その思いが発芽し、あるとき『出窓ベンチ』というアイデアを思いつきました^ ^

これまで見てきたこと、体験してきたこと、考えていたこと、が煮詰められ自然と湧き出てきたという感じ。

ベランダありを想像する以上にワクワクしました♪

 


「構造、コスト、防水対策、定期的なメンテナンス」等の問題がなく「外観デザイン」もまとまった。
(下屋による安定感-低重心感を活かせるデザイン→記事

 

 

 

詳細は下の記事をご覧ください♪

 

【自邸-13】『森を眺める出窓ベンチ。』日射遮蔽-居心地-居場所の検討。-窓設計への思い。包括設計- - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

工事中の出窓ベンチの様子を紹介します^ ^

 

 

 

 

 

 

窓を大きく開くのではなく「あえて絞る」ことで外の景色が切り取られる。

庭の樹々を眺める窓、まさに『グリーンウインドウ』。

思い描いていた理想の窓が形になってきています。

 

 

【秘訣】『グリーンウインドウを造る。』緑の窓辺。-心地良い豊かな暮らし-case.網川原、中野。 - 住宅設計エスネルデザイン

 

【想い】『心地良い窓辺を提案したい。』-空や緑を感じる特別な居場所、安息の時間- - 住宅設計エスネルデザイン

 

 

 

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検討を繰り返し、深いところにある自分の本心と向き合うと形はシンプルになっていく。

素直な設計を行いたい。

 

ベランダの検討はあら熱を経て最終的により良い答えに辿り着けたと感じています。

出窓ベンチに座って四季の景色を眺められるのが今からとても楽しみです♪

 

 

-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-

 

 

 

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