【自邸-13】『森を眺める出窓ベンチ。』日射遮蔽-居心地-居場所の検討。-窓設計への思い。包括設計-
こんにちは^ ^
自邸の森を眺める出窓ベンチについて。
〇居心地〈開放感とこもり感〉
〇居場所〈複数のパーソナルスペース〉
〇内外からの見え方〈デザイン〉
〇西日対策〈日射遮蔽と採光量〉
〇構造〈窓と耐力壁のバランス〉
様々な観点からの検討の過程を紹介します。
ブログで自邸を建てる道程を紹介しています^ ^
我が家の家づくりがゆっくりじっくり進んでいます。
【自邸プロジェクト-05】コンセプト『別荘と家の間。』森の成長。-自然と共に生きる- - 住宅設計エスネルデザイン
【自邸-10】着工!『地盤改良の重要性、設計者の仕事。』-我が家の敷地の秘密- - 住宅設計エスネルデザイン
南面の外観-内観、リビング窓の設計についてまとめています↓
【自邸-11】『外観-窓設計。』内外の見え方、デザイン、日射遮蔽。-開くと閉じるのバランス- - 住宅設計エスネルデザイン
【自邸-12】『リビング南窓設計。』開くと閉じるのバランス。-窓設計への思い。包括設計- - 住宅設計エスネルデザイン
今回は森を眺める出窓ベンチ(リビング西窓)の設計について^ ^
西向きに窓を設ける場合は慎重に検討しなければなりません。
(概ね東向きも同様)
言わずもがな「夏、西日で室内が暑くなりやすいから。」
南向き窓は「南に太陽がある昼前後は太陽高度が高いため屋根の出があればある程度直射を遮ることが出来る。」
しかし西向き窓は「西に太陽がある午後-夕方は太陽高度が低くなる=屋根による日射遮蔽が効きにくい=直射が室内に入りやすい。」
(+ガラス面に日射が垂直に差し込むため室内に入射しやすい(反射比率が下がる))
(→アウターシェードなど垂直型の外部遮蔽が有効になる。しかし手間+コストがかかる)
そのため十分な理由がない限り西に大きく窓を設けることはしません。
基本は「壁」が最強の日射遮蔽材です。
網川原のエスネル(真南向き)
南に開き東西は閉じる基本に忠実な設計。
「十分な理由がない限り西に大きく窓を設けることはしません。」
と言いました。
しかし、
自邸敷地は、、
西向きに素敵な景色がありそれを室内から眺めたかった
んです(^_^;)
自邸敷地(西向き)。空や森の景色が広がる。
「空や森の眺めを室内に取り入れたい。」
「しかし夏の西日は抑えたい。」
という想いがあり
1.「窓は設けるとしてどれほど設けるか。」
2.「あら熱?景色は飽きる?」
3.「窓辺に座り外の景色を眺めることが好き。日常的な習慣になっている。」
4.「エアコン冷房があれば室内は快適温にできる。西日遮蔽を最優先に考えることはない。それより心地良さを優先しよう。」
、、→1に戻る。
この葛藤が最後まで続きました(^_^;)
近年の夏(春-夏-秋)の暑さを踏まえこの機会に日射遮蔽の検討を深めようという考えもありました。
(家の配置角度(窓の方角調整)も非常に悩んだ「南に対して家を何度振るか」)
(「窓先の眺望」「西日の入射量」「外構との兼ね合い」等のバランス)
【決定配置】
南面(画像左下向き面)は真南に対して36度振られている。
(隣家や北側法面と並行+眺望を得るため多少西向きに傾けた)
正確には「リビング南窓=南西向き」「ベンチ出窓=北西向き」
(ベンチ出窓は北西向きとは言え夏の西日は入る)
上記を踏まえて様々なパターンを検討しました。
(以下画像は実写真+簡易加工)
諏訪のエスネル(東西反転)
・W1.4m-H1.6m。
〈案1.コーナーサッシ+窓幅増〉
・W1.8m-H1.6m。
初期プラン時。
室内隅の壁がなくなり抜け感が得られる『コーナーサッシ』を検討した。
「もう少し外の景色を取り入れたい。」
「森の方向も眺めたい。」
(森は写真デイベッドの奥側)
という想いがあり調整する。
〈案2.コーナーサッシ+窓幅広め〉
・W1.8m-H1.6m×2枚。
夏の西日を考えなくて良いなら抜けが得られて良いなという印象。
(敷地による。隣家からの視線が気にならないことが要点)
〈案3.コーナーサッシ+窓幅広め+高さ増〉
・W1.8m-H2.0m×2枚。
長倉のエスネルの心地良さを体感し窓サイズ、窓位置を反映したパターン。
窓下腰壁のありなしで外との一体感が大きく変わる。
「椅子の上端高さ程まで窓があると外をより感じられて心地良い。」
=窓辺の心地良さ。
長倉のエスネル(東西反転)。
正面の大型窓先への抜けが心地良い^ ^
(東向き。下屋屋根による日射遮蔽あり)
『窓辺ソファ+床までの窓』
ソファに座り窓先を眺めると特別な心地良さを感じることが出来る。
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、、、
と、妄想を広げるのはここまで(^_^;)
実際は西日が入るためここまで窓を設けたら大変です。
「冷房(冷房費増を容認)+外部日射遮蔽」をすればここまで窓を設けても対応は可能ですがそこは冷静になりました。
(「西窓先にベランダ+屋根を造り居場所+日射遮蔽」をとも考えましたが
・コストパフォーマンス
・外観デザイン
・使用頻度
・同様の体験はウッドデッキ玄関ポーチで可能
等を考慮して止めました(^_^;))→詳細記事
叶えたいポイントをまとめます。
〇空や森は眺めたい。抜け感(広さ感)は欲しい。
→西窓を設ける分、南窓量を抑える等バランスを取る。
(開きすぎない「開くと閉じるのバランス」)
〇窓は大きくなくて良い。
・西日による熱負荷を抑える。
・南窓があることも考慮。
・眺望は得たいが本当に素敵な景色はアウトソーシングも可能。
・窓をしぼることで景色を切り取りピクチャーウインドウを造る。
〇窓を設けるならば特別な居場所に昇華させたい。
・窓辺に座れたら嬉しい。
→窓の設置高さ、奥行を検討。
上記要点を考慮し再度窓を検討していく。
〈案4.センター窓+窓幅広め+高さ増〉
・W2.5m-H2.0m。
まだまだ大きい→落選。
〈案5.センター窓+窓幅広め+高さ減〉
・W2.5m-H1.6m。
もう少し抑えて良い→落選。
構造的にももう少し壁(耐力壁)量を確保する必要あり。
(積雪1.5m、Z=1.0、耐震等級3)
〈案5.センター窓+窓幅減+高さ減〉【決定】
・W2.0m-H1.6m。
様々検討しこの大きさ-位置に決めた。
西日による熱負荷を抑えつつ抜け感と眺望を得る。
そしてポイントはこの窓を出窓にして座れるベンチにしようというアイデア。
これを思いついたときワクワクが高まりました^ ^
心の中で「西日の負荷 <<<< 出窓ベンチ」と大きく上書きされました。
(あら熱?免罪符?)
・西日の負荷は夏の午後のひと時。
・冷房で対応可能。
・内側ブラインド等である程度遮蔽可能。
・必要に応じてアウターシェード設置も可能。
「西日を抑えたい」より「心地良い居場所を造りたい」という想いが勝りました。
『森を眺める出窓ベンチ』
とてもワクワクする居場所が出来上がりました。
西壁センターに配置された出窓ベンチ。
『座りやすさ』『立った時の視線の抜け』『ソファからの眺め』等を考慮し窓サイズ、設置高さを熟考した。
ベンチに座り森や空を眺める。
奥行きは45cm程。
出窓は西面外観のアクセントにもなっている。
(窓から屋根の上に出ることも可能)
(「屋根でお月見?」と妄想が広がる)
LDKから窓先への抜け。
「ソファで休みながら」「ダイニングに座りながら」「畳に腰を下ろしながら」「キッチンに立ちながら」、、
室内に居ながら外の魅力-季節の変化を感じる暮らしを叶えたい。
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『窓の設計。』
(量、設置位置、サイズ、種類、、)
それは設計者のセンスが現れる部分。
(「センスが問われる」とも言える)
開くと閉じる。
居心地、視線の抜け、居場所。
耐震や日射遮蔽を考慮した窓量バランス。
断熱性やコストパフォーマンスも重要。
経年を考慮した防水性、気密性の維持も重要。
ひとつの観点ではなく包括的な観点から設計を行いたいと考えています。
-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-
【おまけ】................
西日は暑く不快なためデメリットが注目されがちですがメリットもあります^ ^
それは
〇午後の日を長く取り入れられる。
=室内が暗くなるのが遅くなる。
=室内の日中時間が伸びる。
(自然採光の心地良さ)
〇窓から夕日が眺められる。
・代えがたい夕日の感動。
〈夕日に照らされるランプリールさん〉
言葉で表せない幸福感があった。
〈自邸敷地の夕日〉
僕は夕日を眺めることがとても好き。
(このブログを昔から読んでくださっている方はご存じだと思います)
心が洗われるような感動がある。
一日の終わりを感じることで自然と感謝の気持ちが湧いてくる。
「西日の熱負荷を抑えたい」という思いもありますが、暮らし始めたら
「この(西に開けた)敷地は俺にとって最高の居場所だ。」
と感じるんだろうと今から想像している。
全てのご縁に感謝です。
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