【秘訣】『超高断熱の小さな家の光熱費。』-網川原のエスネル実測値紹介-【蓄熱床下暖房】
ゆうです^ ^
エスネルデザインでは『超高断熱の小さな家』を提案しています。
今回は
「エスネルの光熱費・冷暖房費ってどのくらい?」
という質問にお答えします。
K様、ご協力頂き大変ありがとうございました♪
計測はエスネルデザイン新築1棟目の網川原のエスネル。
2019年9月に完成、築1年半ほど経ちました^ ^
K様との家づくりの日々が懐かしいです。
【網川原のエスネル‐45】プロ撮影による完成写真たち。 - 住宅設計エスネルデザイン
【見学会】網川原のエスネルでプロ向け見学会「住学番外編」開催! - 住宅設計エスネルデザイン
【暮らし】築1年『杉板・ヒノキ床・AEP塗装の経年変化とK様のご感想。』case.網川原のエスネル - 住宅設計エスネルデザイン
網川原のエスネルは『究極のスタンダードハウス』と銘打っています。
・延床28坪(吹抜け込)、総二階。
・UA=0.24、q=61.7、C=0.2、耐震等級3
冬の日射取得、夏の日射遮蔽も考慮したエスネルデザインが提案する『これからの住宅』です。
【お客様の家】築2ヶ月の網川原のエスネル訪問②「エスネルに住んでみての感想♪」 - 住宅設計エスネルデザイン
【暮らし】Daily Lives Niigata掲載『1年経過の超高断熱の小さな木の家。』case.網川原のエスネル - 住宅設計エスネルデザイン
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建て主のK様は家づくりブログを書かれていて非常に有益な情報を発信されています。
(プロが勉強するレベル!)
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まずはK様の下記のブログをご覧頂ければと思います^ ^
光熱費(2019年10月~2020年9月) : 設計事務所と長く愛せる家を建てる
K様からの情報を基に網川原のエスネルの光熱費についてご紹介します。
(K様、重ね重ねありがとうございました)
【諸条件】................
・所在地:新潟県新潟市中央区
・Ua値:0.24、q=61.7、C値:0.2
・床面積:約28坪(吹抜け含む)
・床下AC(10畳用):日立 RAS-XJ28J(APF7.5)
・2階AC(6畳用):日立 RAS-XJ22J(APF7.6)
・24時間連続冷暖房(全館)
・24時間換気:全期間稼働(熱交換なし)
・軒の出+遮熱ロールスクリーンによる日射遮蔽
・日射取得あり(断熱カーテンなし)
※ヒートポンプ衣類乾燥機、海外製食洗器の日常的使用あり。
※計測年は積雪ゼロの暖冬だった点に注意。
※その他注意点はグラフ画像内を参照。
では実際の光熱費について^ ^
【考察】................
・1月の暖房費:約9,000円/月。
(年間暖房費:約4万円/年)
→厳寒期に24時間全館快適でこの支出なら十分ではないだろうか。
(上下階温度ムラなし。窓の結露も基本なし)
(床下エアコンにより床温が暖かく快適。暖房の直風なし)
・8月の冷房費:約6,600円/月。
(年間暖房費:約2万円/年)
→猛暑日の増える近年の夏に24時間全館快適でこの支出なら十分ではないだろうか。
(上下階温度ムラなし。冷房の直風なし)
・1月の電気代:約2万円。
(給湯、調理はガス)
→現在の住まいと比べてみていかがでしょうか。
(「給湯・調理」「上下水」は住まい方によるので考察せず)
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それぞれの光熱費の比率をまとめました。
【考察】................
・暖房比率がかなり小さい(12%)。
(一般的には25~35%程)
→高断熱性能(+日射熱取得)により暖房費が抑えられてることが分かる。
※計測年が暖冬だった影響も大きい。
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【上下水・各種基本使用料を除いた光熱費比率】
※参考(生活スタイルによって大きく異なる)。
【考察】................
・「加湿費」比率は小さくないことが伺える。
(象印:EE-DA50(スチーム式。消費電力985W))
(※「光熱費総額が小さい→相対的に比率が高くなる」点も考慮)
加湿費を抑える案としては
・室内干し、浴槽の残り湯からの湿気拡散の活用。
・自然気化式加湿器、濡れたバスタオル等の設置。
(エアコンの風が当たりやすい場所だと良)
・必要に応じて換気量を調整する。
(不在時はOFFなど。冷暖房費低減にも有効)
などが考えられる。
以上です。
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ここから先は『応用編』。
上記のグラフや総額は「従量電灯プラン換算値」でした。
(データの汎用性を高めるため)
K様は実際には『深夜電力プラン+蓄熱暖房』を実践されています^ ^
※網川原のエスネルはオール電化住宅ではない(給湯もコンロもガス)。
K様が経済性を比較検討した結果、オール電化住宅でなくとも深夜電力プランのほうが電気代を抑えられることが分かったため。(あくまでK様の暮らし方の場合)
それでは実際の光熱費グラフをご紹介!
【比較考察】................
従量電灯プランに比べて『深夜電力プラン+蓄熱暖房』は
・暖房費:-1.3万円/年。
・冷房費:-0.5万円/年。
・電気代:-3.6万円/年。
電気代を削減する効果があったようです^ ^
(10年間で-36万円。35年間で-126万円!)
【深夜電力と従量電灯の冷暖房費比較】
冷暖房費だけの比較で年間約1.9万円の電気代を削減できたことが分かる。
【「従量電灯B」と「よりそうナイトS」の単価比較(基本使用料等込)】
従量電灯Bは約32円/kWh、よりそうナイトSは約24円/kWh。
(比率=77%)
※あくまでK様の運用の場合。
【年間冷暖房運転スケジュール】
・基本的に暖房は深夜(割安)に積極的に運転。
→床下に蓄熱。
・冷房は24時間運転。
(「生まれたてのお子様+奥様育休中」のため)
→いずれ冷房も日中の稼働率を下げられれば冷房費はより抑えられる。
※新築して1〜2年は基礎コンクリートからの水分の発散が高まる。
K様は梅雨〜夏に床下が湿気らないよう床下エアコンで積極的に除湿を行なわれた。
→数年後の必要性(=冷房費)は下がると思われる。
床下に並べられたペットボトルたち。
(床下エアコン近傍)
深夜に床下エアコンを活用し熱を水に蓄え、日中に放熱させる。(日中は全暖房オフ)
水はコンクリートよりも優秀な蓄熱材。
(容積比熱。水:4,200kJ/m3・℃、コンクリート:2,000kJ/m3・℃)
蓄熱材を床下に簡単に設置できるのも高基礎の大きなメリットの一つです^ ^
蓄熱暖房の効果などは下記記事をご参照ください。
(全暖房をオフにしている日中の室温の変化に注目♪)
【お客様の声】網川原のエスネルK様「真冬日の超高断熱の家の室温報告。」 - 住宅設計エスネルデザイン
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僕は『光熱費を抑える設計』を行いたい。
(快適性は損ねずに。我慢はせずに)
それは
・光熱費は積もり積もって大きな支出になるため。
・月々の支出を抑えられることが人生の自由度向上→幸福度向上につながるため。
・「光熱費低減≒環境負荷低減」になるため。
設計の検討は設計者のみで行えても『運用』は建て主様と二人三脚の検討が必要になる。
K様、大変ありがとうございました。
これからも検証を繰り返していければと思います。
頂いた情報を基に考えられる改善案があればご提案させて頂きます。
今後とも何卒宜しくお願い致します。
-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-
【注意】................
あくまで「ある家のある年の光熱費」です。
生活スタイル、燃料単価、外気温等の条件によって結果は異なります。
【参考(おまけ)】................
K様から頂いた「前年比」データ。
2021年の1月は前年よりも気温が低い(積雪も多い)。
そのため、電気+ガス代は前年の128%となっている。
今後も観察を続けたい。
【参考】................
網川原のエスネルの夏・冬の室温環境(サーモ計測)。
【秘訣】真夏の超高断熱「サーモ計測」①温度差のない空間と空調換気設計。 - 住宅設計エスネルデザイン
【秘訣】真冬の超高断熱『サーモ計測(日射あり)』‐網川原のエスネル- 住宅設計エスネルデザイン