【サーモ】真冬の超高断熱『日射あり。床下蓄熱』case.網川原のエスネル
ゆうです^ ^
網川原のエスネルの真冬のサーモグラフィ計測の報告。
・寒波襲来。
・超高断熱、高気密、全館空調。
・日射熱取得あり。
室温・室内温度差はどうだったのでしょうか。
網川原のエスネルは2019年9月完成の超高断熱の小さな木の家。
【延床面積】28坪(吹抜け込)
【断熱性】UA=0.24、q=61.7
・サッシ:樹脂トリプルガラス(APW430)
・壁:グラスウール12cm+フェノールフォーム6cm
・天井:セルロースファイバー40cm
【気密性】C=0.2
完成時の様子はこちら^ ^
【網川原のエスネル‐45】プロ撮影による完成写真たち。 - 住宅設計エスネルデザイン
暮らされている様子はこちら♪
【暮らし】築1年『杉板・ヒノキ床・AEP塗装の経年変化とK様のご感想。』case.網川原のエスネル - 住宅設計エスネルデザイン
【暮らし】Daily Lives Niigata掲載『1年経過の超高断熱の小さな木の家。』case.網川原のエスネル - 住宅設計エスネルデザイン
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網川原のエスネルの実測光熱費と合わせて見てみると面白いと思います^ ^
【秘訣】『超高断熱の小さな家の光熱費。』-網川原のエスネル実測値紹介-【蓄熱床下暖房】 - 住宅設計エスネルデザイン
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【サーモ計測の概要・条件】................................
目的:真冬の超高断熱の室内温度・温度差の調査
調査方法:室内の表面温度の計測
調査日:2020.12.27(11:00~12:00)
場所:新潟県新潟市中央区網川原
外気温:4℃程
建物性能:断熱性UA=0.24、q=61.7、気密性C=0.2
日射遮蔽物:ロールスクリーン(適宜日射取得)
暖房:家庭用エアコン(床下エアコン1台運転)
設定温度:23℃。夕方から朝までON、日中はOFF(蓄熱運用)。
寒い日が続いていたが、計測時はちょうど晴れて日射が入ってきていた。
※日射による温度ムラが現れるので読み解きに注意。
超高断熱性能(温度ムラの少なさ)がより分かりやすいのは下記の記事↓
(中野のエスネル。2020.12.19。曇り時々晴れ)
【秘訣】真冬の超高断熱『サーモ計測』暖かく温度差のない快適空間の実現。 - 住宅設計エスネルデザイン
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サーモ画像を見て頂く前に「サーモ画像を見るときの注意点」をご確認ください。
S邸リノベーション。17「サーモグラフィ調査①『注意点』。」 - 住宅設計エスネルデザイン
注意点をまとめると
①表示温度に誤差があること。
②温度差の印象操作が容易にできてしまうこと。
※サーモ計測器は「FLIR ONE(Gen3)」。
精度の誤差は数℃(おそらく±1~3℃程)ある。
→複数のサーモ画像の温度を見比べるより「1枚の画像の中の温度差のありなし」に注目して見ると有意義。
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前提の説明をもうひとつ。
(画像は中野のエスネルサーモ測定より)
温度バー(サーモ画像の右端にある温度と表示色の関係を示したバー)の最高温・最低温の設定は変えることが出来る。
これを固定(すべて同じ最高温度~最低温度)すると中間の温度の色が画像毎に変わってしまう(→分かりにくい)。
温度と色をある程度固定できるよう
青(冷たい):15℃以下
黄(普通):20℃程
橙(暖かい):22℃程
赤(とても暖かい):26℃以上
と表示されるよう温度バーの最高温度と最低温度を画像毎に調整した。
(→詳細な温度数値を見なくても感覚的に読めるように)
冬場の快適表面温度は
・壁・天井22℃~
・床23℃~
(個人差あり)
なので「黄~橙であればOK」と読んでもらえればと思います。
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ではでは計測報告を^ ^
【1階玄関】................
玄関床(スポット1):26.0℃
玄関戸(下)(スポット2):23.2℃
玄関戸(中)(スポット3):25.0℃
玄関壁(スポット4):25.3℃
・玄関から暖かい(床温26℃!)
玄関が暖かいのは玄関床の下も室内空間とする設計のため。
(通常、玄関床の下は砂利や土)
冬、外から家に入ってすぐに暖かい。
コートを脱ぐ玄関が暖かいのはとても幸せ^ ^
【1階リビング】................
リビング床(スポット2):28.1℃
・日射もあったとは言え驚異的な床温度。
これが1階床すべて隙間なく(←床暖房との違い)
※調査時は暖房はすべてOFF!
(夕方16:30~朝7:30までON、日中OFF『深夜蓄熱暖房方式』)
【1階水回り】................
キッチン床(スポット1):28.1℃
洗面脱衣室床(スポット):28.7℃
(洗面脱衣に床下エアコンあり)
一般的に、キッチンのコンロ付近までは暖房が行き届かず床が冷えがち。
しかし、床下エアコン暖房であれば隅まで快適に暖めることが出来る♪
(高基礎により暖気拡散性UP)
(床にスリットあり)
正面窓奥は「外気収納」。
窓の外は断熱外(≒外気温)。家中暖かいのは良いが冷やしておきたいものもある。
(野菜、調理後の鍋、飲料、米、、)
超高断熱の家では外気収納(天然の冷蔵庫)が活躍します♪
【1階トイレ】................
床(スポット1):27.5℃
壁(外壁面)(スポット2):26.8℃
・トイレも暖かい♪
【1階リビング】................
リビング床(スポット1):27.6℃
日射あり床(スポット2):33.4℃
・網川原のエスネルはほぼ真南向き。
夏の角度の高い日射は屋根で遮蔽し、冬の低い日射は取得する。
日射取得には吹き抜けも効果的。
エアコンの上に『給気扇(熱交換なし)』。
ここがエスネルデザインの空調設計のポイント^ ^
サーモ画像から、外気(冷気)が入ってきている様子が分かる。
(周辺の温度低下の影響は限定的)
「2階エアコンを付けなくても給気扇からの冷気は気になりません」とK様。
(中野のエスネルのO様も同様のご意見)
空調設計の詳細は以前の記事をご参照ください♪
【秘訣】真夏の超高断熱「サーモ計測」①温度差のない空間と空調換気設計。 - 住宅設計エスネルデザイン
2階廊下。
【1階~2階天井】................
1階壁(スポット1):26.7℃
2階壁(スポット2):26.0℃
2階壁(スポット3):26.5℃
2階天井(スポット4):26.5℃
・日射+吹き抜けは温度ムラが生まれやすい環境だが、温度ムラはほぼゼロ。
これが超高断熱+床下エアコンの実力。
気流感(乾燥感)もなく、輻射による暖かさが最高に快適♪
【2階子供室(北側、日射無し)】................
床(スポット1):24.8℃
壁(スポット2):24.2℃
天井(スポット3):24.6℃
・こちらも温度ムラなし。
「日中暖房OFF・床下エアコンから最遠の室」であっても、室温も温度ムラもここまで高い温熱環境を実現することが出来る。
(吹き抜け、循環ファンなど空調設計が必要)
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床下へ。
床下エアコンを使用する場合、一番暖まるのが床下。
設定温度やスリットの調整によって、欲しい床温を調整することが出来る。
床下エアコン直下には蓄熱用の水たちが並ぶ。
必要に応じてサーキュレーターで暖気を奥へ拡散されている。
これらを簡単に行えるのも高基礎ならでは^ ^
【床下エアコン直下床】................
※測定時は暖房OFF
床(スポット1):29.1℃
床(最外周)(スポット2):25.1℃
ペットボトル(スポット3):33.4℃
・ペットボトルの水が熱を貯めている様子が伺える。
水だけでなく、コンクリートも優秀な蓄熱材。
家の中心部(熱ロス少)に設けた基礎立ち上がりは、構造と温熱の両性能を兼ね備えられるよう考慮している。
【床下エアコン対角面】................
床(スポット1):28.6℃
床(最外周)(スポット2):24.7℃
床下天井(1階床裏面)(スポット3):28.1℃
・床下天井の温度から1階床温が暖まる様子が伺える。
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最後に外部を。
(温度と色の関係は上記サーモ画像と異なる点に注意)
【床下エアコン真裏基礎】
・基礎底板ラインから熱ロス(伝導)があることが伺える。
詳細は以前の記事をご参照。→中野のエスネルサーモ
【南面(日射あり)】
壁(日射あり)(スポット1):22.4℃
壁(日射なし)(スポット2):7.0℃
・経済性からも環境性からも、冬期の日射熱を暖房に活用できる設計を進めていきたい。
計測日は、日射が入ると25℃まで室温が高まっていた。
(在宅人数が多く、人体からの発熱が多かった影響もあり)
日射熱を活用する場合、日射量によっては室内が熱くなりすぎることもある。
(10-11月や2-3月などは特に)
この点に関しては今後『潜熱蓄熱材』の汎用化に期待したい。
いずれ窓辺に簡単に置ける潜熱蓄熱材が流通すると予測している。
(現時点では暑ければ窓を開ければ解決する)
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快適性、経済性、環境負荷低減、、、
複数を追えば難易度は高まる。
それでも、検討と検証を繰り返しながらより良い住の形を追い求めていきたい。
-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-
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