【秘訣】『エアコン内部のカビ。』カビの原因、対策、エアコン選定の再検討-自宅のエアコン洗浄-
こんにちは^ ^
暑い日が続いていますね。
冷房なしの生活はもう考えられません、
今回はエアコン内部のカビについて。
自宅のエアコン洗浄、建て主様の状況などから
エアコンのカビ対策、エアコン選定を検討し直します。
※今回の記事にはカビなど綺麗でない画像があります。
苦手な方はお気を付けくださいm(__)m
【前提】................
エアコン内部のカビについては「気にし過ぎないこと」も大切です。
(精神的に疲弊しないために)
世にある家も店舗も車などもエアコン内部はおそらくカビだらけです。
また「カビの基となる真菌は室内よりも外の方が多い」という調査結果もあります。
「カビ→健康被害」とは一概には言えない点をご考慮ください。
「室内外環境での空中浮遊微生物の胴体に関する研究」
齋藤智博士他(竹中工務店)。
(図の色付き四角は村松が加筆)
調査結果によると屋外の真菌量(通年)は室内の約25倍。
(室内200程、屋外5000程。単位省略)
また図より「真菌量は夏に増える」ことが分かる。
(夏は湿気が多いため)
カビ画像を載せる前に今回の結論を。
【結論】................
〇冷房用エアコンはカビる。
(機能上ほぼ確実にカビる)
(カビによる健康被害の程度は不明)
〇エアコン洗浄は完璧には行えない。
(概ね十分な洗浄効果はある)
〇最も有効なカビ対策はエアコンを定期的に交換すること。
(そのためハイグレードを選ばなくて良いかも)
〇換気空調設備はシンプルなものを選定する。
(複雑なことはしない。メンテナンスや交換も考慮する)
以上!
エスネルデザインではシンプルな設備選定に努めています。
特に換気空調については。
メンテナンスや交換容易性は換気や空調を考える上で重要なポイントです。
【秘訣】『シンプルな設備選定を。』多機能設備の弊害。-エアコン自動お掃除ロボのメンテナンスの落とし穴- - 住宅設計エスネルデザイン
【秘訣】設備は交換が容易なこと。「愛車の双太郎が故障!」 - 住宅設計エスネルデザイン
【秘訣】熱交換換気扇を採用していない理由。『換気の質の担保。リターンとリスク。』-換気の目的- - 住宅設計エスネルデザイン
................
エアコン内部のカビや洗浄について紹介します。
自宅のエアコンは2017年に買ったもの。
各夏に
・スプレーで熱交換フィンを洗浄(気休め)。
・ファンのホコリを割り箸+ティッシュで落とす(奥まで届かない)。
などをしていました。
〈エアコン内部図〉................
おそうじ本舗さんHPより。
日立HPより。
エアコンは
「熱交換器(フィン)が冷える」→「そこを通る風が冷える」→「ファンで室内に吹き出す」ことで冷房を行っている。
「熱交換器(フィン)が冷える→そこを通る風が冷える」際に結露(除湿)が起こる。
その結露水がカビの原因につながる。
(なのでカビが生えるのは冷房用エアコン)
2017年にエアコンを買った際の記事はこちら↓
家のエアコン買い替え。「エアコンの選び方①『能力と効率』」 - 住宅設計エスネルデザイン
交換した古いエアコンのカビの様子はこちら↓
家のエアコン買い替え。「エアコンの取り付けとカビ」 - 住宅設計エスネルデザイン
さて2017年から約5年使ったエアコン内部はどうでしょうか^ ^
↓
↓
↓
〈エアコン内部(ファン)〉................
ぎょえー!
汚すぎる(T_T)
カビというかホコリがひどい。
ちなみに上の写真はファンの先についていたホコリを割り箸+ティッシュで取った後のもの。
なので実際はもっと汚れていました、
↓
2023年年明け、生まれた次女が退院する前にエアコンを綺麗にしよう!ということで洗浄業者さんに依頼。
エアコン洗浄の様子を紹介します。
洗浄プランは「簡易洗浄格安プラン(1万円前後/台)」。
洗浄液をジェット噴射するため排水を流すシートを設置。
外せるパーツのみ外す。
洗浄開始!
熱交換器に洗浄液を吹き付けホコリを取る。
(目視では熱交換器にはホコリは見受けられなかった)
ファンに洗浄液を吹き付けホコリ等を取る。
(ファンを外して洗浄にするわけではないので簡易的)
先程の写真の通りファンには大量のホコリあり。
(ホコリが多すぎてカビがどれほど生えているか不明)
流れ落ちる汚れたち、、
洗浄終了!
内部を除くと、、
おぉ!!
あれだけあったホコリたちがいなくなった!
フラッシュ撮影。
完璧に綺麗になったわけではないが概ね90%以上は綺麗になりました。
清浄具合と金額を考慮すると僕的には簡易洗浄プランで満足でした^ ^
(完全分解洗浄は安くないため、それをするよりは買い替えた方がパフォーマンスは高いと思われる)
カバー等を付け直して終了!
業者さん、ありがとうございました。
(撮影や質問等ご面倒をお掛けしました)
【エアコン洗浄業者さんより】................
・5~8月頃が混むので洗浄依頼は秋頃がスムーズ。
(カビリスクのある冷房運転も終わるので秋はベスト)
・デザインや機能が凝ったものは洗浄できないものもあるためお勧めしない。
(SH社、F社、M社プロペラタイプ等とのこと)
・ドレンパンを完全に綺麗にするには完全分解するしかない。
(簡易清掃ではドレンパンがどれほど綺麗になったかは不明)
(ドレンパンをどこまで綺麗にすべきかは不明)
エアコン内部のカビについてもう一事例。
「高断熱住宅、築1年」のエアコンの様子です。
なかなかのカビ。
断熱性や築年数に関わらず「条件次第でカビは生える」ことが分かる。
(後日エアコン洗浄された)
【カビが生える原因】................
パナソニックHPより。
カビが生える主な原因は上図の通り。
主に「ホコリ」と「高湿度(+温度)」。
カビは「ホコリをエサにする」+「高湿度+適度な温度が続く」と生える。
(考えられる他の要因としては「田んぼや森など自然が近い(真菌が多い、湿気が多い)」など)
【カビを生やさないポイント】................
〇ホコリをエアコン内に溜めない。
・定期的なフィルター掃除。
(必要に応じて不織布フィルターの追加設置も有効か)
(ホコリが詰まると冷暖房効率低下にもつながる)
・室内の掃除。
(エアコンに入るホコリ量を減らす)
・適切な換気を行う。
(エアコンに入るホコリ量、菌量を減らす)
(調理時はレンジフードON。油や真菌の栄養分をエアコンに入れない)
〇エアコン内部を長時間高湿にしない。
・エアコンは連続運転(ON-OFF運転はしない)。
(OFF時に①エアコン内部の水分が蒸発して高湿になる②風が止まり空気が滞る)
(「自動」モードではエアコンはON-OFFを繰り返すため、なるべく止まりにくい設定にする(低温、風量最小など))
・エアコンのクリーニング機能を活用する。
(定期的な送風によりエアコン内の湿気を排出)
(手動で定期的に暖房運転することも有効)
(ナノイーなどの機能も有効?不明)
【秘訣】真夏の超高断熱『低湿度を叶える冷房のポイント。』-エスネル式換気空調設計-case.燕仲町 - 住宅設計エスネルデザイン
ある建て主様の冷房用エアコン(築1年)。
・低湿度運転(低温、風量最小)
・1日に1度30分ほど暖房を行う。
などカビ対策をされているとのこと。
カビは見られたが少ない。
(我が家と比較するに十分に問題ない範囲と思われる)
冷房する以上カビゼロを維持することは難しい。
(カビゼロで維持する価値は薄いと思われる)
それでもより完璧に近いカビ対策を行いたい場合は
『エアコンを定期的に買い替える。』
ことが最もパフォーマンスが高いカビ対策だと思われる。
【エアコン選定の再検討】................
カビ対策(エアコンの清潔性)を優先する場合、エアコンの効率や長期的なトータルコスト等よりも「安さ」が重要になってくる。
またハイグレードモデルに付いている自動お掃除機能などは有効なのか。
(メリットとデメリットの整理)
次回、それらをまとめて『エスネルが提案するエアコンの方向性』を示したいと思います。
↓この記事の内容を更新します。
【秘訣】エアコンの選定方法『冷暖房負荷計算、能力、グレード、買い方。』コストパフォーマンスとリスク対策。 - 住宅設計エスネルデザイン
【2023.8.13追記】更新しました↓
【秘訣】『冷房エアコンのグレード再検討。』-コストパフォーマンス、付加機能、リスク対策- - 住宅設計エスネルデザイン
................
エスネルデザインが複雑な換気空調設計を行わない理由。
設計して終わりではなく実際の運用を確認すること。
現実を考慮したトータルパフォーマンス設計を。
これからも精進して参ります。
-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-
【余談】................
エスネルデザインではシンプルな換気空調設計に努めています。
そのため「全館空調システム(換気と冷暖房が一体になった設備+ダクト)」は勧めていません。
今回の記事のようにエアコン内のカビや交換容易性を考慮するとその理由は明白かと思います。
・設備内部の衛生さ維持問題。
(エアコン内部のカビ、ダクトの清潔さ、清掃容易性、メンテナンス容易性)
・複雑な設備は壊れやすい(交換頻度増)。
(部品点数と故障リスクは比例する)
(換気扇と同頻度でエアコンを回せばエアコンはすぐに耐用年数を迎えてしまう)
・故障時のリスク。
(不具合が起これば換気と空調が一気に動かなくなる)
・修理時、入れ替え時のリスク。
(将来、部品が廃番にならないか。入れ替えは高額でないか、誰にでも可能か)
・トータルコストパフォーマンスを要考慮。
(冷暖房費の圧縮だけでなくトータルコストで検討する)
・設置場所問題。
(設置場所に取られる床面積、ダクトスペースのコスト増を考慮)
(屋根裏設置の場合、定期的なメンテナンスは出来るか)
・全館空調+換気は別の方法でも叶えられる。
(エスネル式など。複雑な設備を使わずとも良い)
(市販エアコン、汎用換気扇の採用が最も無難)
【関連記事】................
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