【エネルギー】『燃料費調整単価が高騰。』電気料金増、低自給率リスク、自衛できること。「小さな視点と大きな視点。」
ゆうです。
2021年末から燃料費調整単価が高騰しています。
「燃料費調整とはなにか。」
「燃料費調整単価が上がるとどうなるのか。」
「なぜ高騰しているのか。」
「今後どのような対策をすれば良いのか。」
エネルギー問題は『大きな視点』と『小さな視点』を持って検討することが大切。
効果的な対策が取れるのは家を建てる前しかないかもしれません。
『燃料費調整単価の高騰。』
このことを教えてくれたのは建築仲間の渋谷さん^ ^
渋谷さんはこれまでも「気密」や「換気」について非常に有益な情報を発信されています。
とても頼もしい仲間です。
【渋谷さん発表①】『引き違い窓の気密性低下。築5年で13c㎡。』リスクを考慮した窓選びを。 - 住宅設計エスネルデザイン
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『燃料費調整単価の高騰』についての渋谷さんのFB投稿を紹介します。
(赤線は僕の追記)
渋谷さんありがとうございました^ ^
大変参考になりました。
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燃料費調整についてまとめます。
まず「燃料費調整」とは。
電気料金は「発電の際に使用する燃料の調達価格」に応じて毎月調整が行われている。
(燃料=石油、石炭、LNG等。ほぼ輸入依存)
燃料の調達価格が上がれば「燃料費調整単価」を増やし電気代を調整している。
その際に追加でかかる燃料費調整額は「1ヵ月の使用電力量」×「燃料費調整単価」。
(=使った電気の量に比例する)
燃料費調整単価の推移をまとめました。
【燃料費調整単価の推移(東北電力2020.1-2022.3)】
ここ数年は燃料費調整単価は「マイナス」だった。
そのため「電気を使えば使うだけ燃料費調整額分キャッシュバック」されていた。
しかし、その燃料費調整単価が2021年末あたりからプラスに反転。
→「電気を使えば使うだけ割増がかかる(燃料費調整額が増える)」という事態に変わっている。
これが今年の電気代が高くなっている理由。
(単価上昇の勾配がエグい、)
燃料費調整単価の変動は他の電力会社でも同様。
(出典:新電力ネットさん)
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では、燃料費調整単価の増額で電気代はどれだけ変わるでしょうか。
「言っても少額じゃない?」
と油断していると衝撃を受けます、、(+_+)
表上段の「使用電力量/月が750kWh、使用電力量/年が5000kWhの場合」は中野のエスネルの実績から。
(給湯とコンロはガス)
使用量が昨年と同じだったとしても燃料費調整単価が変わると電気代/月は約4,300円の増額となる。
(単価:-3.05円/kWhから2.67円/kWhに変わった場合)
(比率にすると「2割増し」)
仮に燃料費調整単価が1年間2.67円/kWhで年間5000kWh使用した場合、電気代/年は約28,000円の増額となる。
これは「エスネル=超高断熱の小さな家」だった場合。
表下段のように仮に性能や家の大きさが異なり「使用電力量/月が1500kWhの場合」電気代/月は約8,600円の増額となる。
年間にすると電気代は約57,000円の増額となる。
(大きい!)
『家を建てる際に将来の電気代の値上げを想定する。』
(=家の大きさや性能を考える)
エスネルブログでお伝えしてきたこと。
いよいよ現実化してきましたね。
「暖かい小さな家。」エスネルデザインが提案したい家。 - 住宅設計エスネルデザイン
【なぜ燃料費調整単価は高騰しているのか】................
よく閲覧する「エナシフTV」さんが分かりやすく解説されています^ ^
脱炭素について興味がある方にはお勧めです。
(エナシフTVさんから引用して一部ご紹介させて頂きます)
詳細はエナシフTVさんをご覧ください。
進むべき未来が見えてきます。
(「長期化する可能性大」というのが怖いですね、、)
【どのような対策をすれば良いのか】................
燃料費調整単価の高騰に対してはエナシフTVさんや渋谷さんも言われているように『太陽光発電を設置する』ことは有効です。
燃料費調整額は「使用電力量」に応じてかかってきます。
(電気を使えば使うだけ割増がかかってくる)
太陽光で発電した電気を自家消費することで使用電力量を抑えることが出来ます。
「自家消費した電力には燃料費調整はかからない」ということ。
また再エネ賦課金に対しても売電を得ることで「負担する側から利益を得る側」へ移ることが出来ます。
そして『断熱性の高い家を建てる』『ちょうど良い大きさの家にする』ことも冷暖房費を抑えることに寄与します。
【秘訣】『超高断熱の小さな家の光熱費。』-網川原のエスネル実測値紹介-【蓄熱床下暖房】 - 住宅設計エスネルデザイン
、、、
ここまでは
『小さな視点(個人の未来)』
で捉えた時の話。
今回、特に伝えたいのは
『大きな視点(国の未来)』
で捉えた時の話。
要約すると
「今の日本、エネルギー的にめちゃ脆弱。」
「エネルギー自給率低すぎて気候変動リスク、疫病リスクの影響めちゃ受ける。」
「燃料代、外国へ流れ過ぎ。」
「リスクが加速すると紛争につながりかねない。」
など。
今回の燃料費調整単価の高騰はその実態を如実に表していますね。
温暖化による異常気象の増加や各国の自国最優先主義の加速など、エネルギーの外国依存による潜在リスクはどんどん高まっていく。
エネルギーの外国依存は本当に怖い、
自分の家の電気をつける権利をお隣さんが握っているということ。
その権利を買う価格が乱高下するリスクを孕んでいるということ。
これから先、未来を見据えてひとりひとりが出来ることを、それぞれが出来る範囲で行う。
『大きな視点』と『小さな視点』を考える。
我が子の未来を守る。
自分たちの未来を守る。
家づくりはその分岐点。
家を建てる前にじっくりとご検討ください。
時代に向き合い
『これからの未来に適した家を届けたい。』
と考えています。
-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-
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