【秘訣】夏の日射『暮らしてみての感想と改善案。』快適な暮らしの探求。-住まわれている方の声-
こんにちは^ ^
現在、日射遮蔽(夏)と日射取得(冬)のバランスの検討を進めています。
夏の窓から入る直射、冷房の効き、不快感について
様々な方から聞き取りを行っています。
住まわれている方の声はなにより参考になります。
暮してみての感想と改善案を紹介します。
住まわれている方の感想と改善案を紹介します^ ^
(紹介する方はエスネルの建主様ではありません)
(改善案=今後の設計に活かせるアイデア)
(現在の暮らしに対して出来る改善ではなく)
〈A様〉................
(日中カーテンなしで暮らされている。窓に直射が当たる)
「夏、窓辺のテーブル付近が暑くて不快。」
「直射が終わった午後でも蓄熱したテーブルから熱を感じて暑い。」
〈改善案〉................
〇直射を遮れる屋根や庇を設ける。
・概ね陰になる範囲に窓を設ける。
(床までの窓は直射が当たりやすいため注意)
〇カーテン類で直射を受けテーブルに熱を貯めない。
・テーブルからの二次放射を抑える。
・外の景色を眺めたい場合、カーテン類は透過性があるものだと良い(レース系、ブラインド系)。
(障子やハニカムシェード、遮光カーテン等は景色が見えない、抜けが得られない、暗くなるため注意)
・アウターシェードなどの外部遮蔽であれば内部遮蔽より効果的(ただし手間やコストを考慮すること)。
〇直射が当たる窓辺に居場所を作らない。
・窓から1m付近は特に放射熱を感じやすく暑い。
・「直射時は居ない、その他時に居る」「カーテン類で遮蔽している」等であれば問題なし。
詳細は↓の記事をご覧ください。
【サーモ】夏の日射遮蔽検討『直射を床に当てない=二次放射を防ぐ。』カーテン類の日射遮蔽効果の確認。 - 住宅設計エスネルデザイン
〈B様〉................
「西日が暑い。直射が当たり不快。窓辺が暑い。」
〈改善案〉................
〇西日の入る窓量を抑える。
・「他の窓で採光が足りている」「見たい景色もない」なら西窓は不要に設けない。
〇カーテン類を設置する。
・小窓であっても西日が直接体に当たると暑い(パネルヒーターのような放射暖房)。
→カーテン類で直射を受ける=体への直射を防ぐと不快感は抑えられる。
・西日の量や室の種類により外部遮蔽が良いか、内部遮蔽で十分かは異なる。
〈C様〉................
「直射が入ると室温が上がりエアコン冷房で足りず室が冷えない。」
〈改善案〉................
〇高断熱化、高日射遮蔽化する。
・冷房負荷を減らす。
・ガラスの日射遮蔽性能を高める。
・窓量を抑える。
・カーテン類(日射遮蔽材.内外)を設置する。
〇エアコン位置を検討する。
・室の熱気がスムーズにエアコンに入る位置にエアコンがあることが重要。
(「エアコンが遠い」「エアコンを隠す」等だと熱気と冷気の循環がスムーズに行われない。冷気は広がりにくいので特に注意)
詳細は↓の記事をご覧ください。
【秘訣】『冷房設計の要点。』リターン経路の必要性。結露リスク。入れ替え。-冷房設計の難しさ- - 住宅設計エスネルデザイン
僕の事務所は「アルミサッシ、単板ガラス、多量の直射あり」であっても窓(熱源)とエアコンが近いためすぐに十分に冷える。
多くの場合、室が暑いのは断熱性が低いためではない。
室が暑いのは熱気と冷気の循環がスムーズに行われていないため。
(=多くの場合「冷房エアコンが遠いため」)
→エアコンは隠すことよりも『エアコンが十分に効くこと』を考慮して設計は行われるべき。
僕の事務所の詳細はこちら↓
【秘訣】直射は悪物ではない(夏)。直射の利点『低湿促進、眺望-抜け活用、自然採光の感動。』窓実例紹介。 - 住宅設計エスネルデザイン
〈D様〉................
「2階ホール設置の冷房エアコンの冷気が1階に下りてこない(2階しか冷えず1階が暑い)。」
(D様宅:吹抜けはあるが腰壁で囲われている)
〈改善案〉................
〇熱気と冷気の循環がスムーズにいくようエアコン位置を検討する。
・腰壁で冷気の拡散が阻害されており冷気が1階に下りない→開放的な手摺にすることで冷気を1階に下ろす。
〇必要十分な吹抜けサイズを確保する。
・吹抜けが小さすぎると熱気と冷気の循環がスムーズに行われない。
〇1階に冷房エアコンを設置する。
・無理に2階エアコンで冷房しようとせず、1階にも冷房エアコンを設置する。
(吹抜けがない(足りない)場合に特に有効)
〈E様〉................
「室内は冷えるけど湿度が高くて、寒い+高湿感で不快。」
(高気密高断熱、高日射遮蔽住宅=熱負荷が少ない場合に起こる)
〈改善案〉................
〇日射熱を適度に入れエアコン除湿を促進する、室温を上げる。
・日射を遮蔽し過ぎない。
〇換気で入ってくる高温多湿の空気を即除湿できる換気空調設計を考える。
=『高温低湿冷房』のススメ。
詳細はこちら↓
【秘訣】真夏の超高断熱『低湿度を叶える冷房のポイント。』-エスネル式換気空調設計-case.燕仲町 - 住宅設計エスネルデザイン
【秘訣】エアコン選定『再熱除湿の要不要。』設備と設計。-家電の今後、家づくりの今後- - 住宅設計エスネルデザイン
〈F様〉................
「パッシブ設計(=冬の日射熱取得重視)による弊害を感じている。」
詳細はこちら↓
【秘訣】パッシブ設計『過度な日射熱取得の弊害。』オーバーヒートとシェード手間を解消したい-Y様の声- - 住宅設計エスネルデザイン
〈G様〉................
「中間期(春、秋)に窓から入る日射で室内が暑くなる。」
(外は寒いが室内は暑い。オーバーヒート)
〈改善案〉................
〇カーテン類で遮蔽、換気量増(レンジフードON等)、窓明け等で対応。
・逆に言えば、上記で対応可能範囲内で窓(量、位置、ガラス種等)を設計する。
(冷房での対応も可)
(花粉、PM2.5、黄砂等を避けるためなるべく窓明けではない対策で済むよう設計を行いたい)
................
日射遮蔽(夏)と日射取得(冬)のバランス。
当然、夏だけでなく冬も考慮した検討が必要。
「日射遮蔽を優先し過ぎたため冬室内が暗い」となってもいけない。
窓設計は奥が深い。
皆さま、お教え頂き大変ありがとうございました。
今後も検討を進めたいと思っています。
-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-
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