【自邸-20】基礎工事『配筋監理の重要性。』第三者監理の価値。-長寿命-高品質の家を建てる秘訣-
こんにちは^ ^
自邸、森のエスネルの工事が進んでいます。
配筋監理について。
家は様々な職人が関わりながら現場で造られます。
『完成時に見えなくなるもの。』
『第三者監理による質の担保。』
の重要性を感じています。
森のエスネルは新潟県柏崎市に建つ2階リビングの家。
デイベッド、階段上ロフト、出窓ベンチ、ワークWIC、マルチWIC、、
多彩な居場所、居心地を叶えるプラン。
・延床面積=27.9坪
・UA=0.22(G3)、q=61.1
・耐震等級3(Z=1.0)
・太陽光パネル設置
・杉板外壁×植栽
エスネル最上級グレード『eLX』。
(断熱性G3、耐震等級3(積雪考慮、Z=1.0)、太陽光、国産杉活用、植栽)
これからの時代を見据えた『超高断熱の小さな木の家』です^ ^
【自邸-02】コンセプト『別荘と家の間。』森の成長。-自然と共に生きる- - 住宅設計エスネルデザイン
【自邸-16】検討メモ紹介『自邸の間取りが出来るまで。』家づくりの物語。-僕の生きてきた道- - 住宅設計エスネルデザイン
【自邸-19】3Dパース紹介『多彩な居場所のある2階リビングの家。』-木に包まれる暮らし、森を望む窓辺- - 住宅設計エスネルデザイン
................
配筋監理の様子を紹介します^ ^
(2024.7月下旬)
森が付随する自邸敷地。
特殊な立地なので奇抜な設計も可能だったが設計はいつも通りの『総二階の小さな家』。
これまで提案してきたエスネルそのまま♪
【自邸-07】ひみつ森の笹枝撤去、整地完了『新緑の芽吹き、潤い。』-自然と共に生きる- - 住宅設計エスネルデザイン
エスネル標準の高基礎。
基礎高さは地面から約1m。
この高基礎が耐久性、防蟻防腐性、床下収納、空調経路、耐水害性、、など多様な価値を生み出す。
【秘訣】『高基礎による床下空間のメリット。』床下収納、メンテナンス性、耐久性、アジト。-小さな家の心臓部- - 住宅設計エスネルデザイン
〈基礎図〉
ポイントは『基礎の立ち上がり量が抑えられていること。』
(上図の赤四角のみ)
(一般的な住宅の基礎と比べて頂きたい。「住宅 基礎」で画像検索など)
基礎量を必要最小限に抑えることで
〇基礎工事費減。
鉄筋-コンクリ-型枠材料費+施工手間減。
〇熱損失減。
基礎立ち上がりから外に熱が逃げる量を低減。
〇床下内の空調-換気の循環性向上。
床下エアコン、床下循環ファン等。
〇給排水工事の施工性向上。
新築時-漏水確認時-修繕時の施工を楽に。
〇床下収納の利便性を高める。
段差や壁が少なく床下内の移動が容易。
等を叶える。
また『構造区画がシンプルであること』もポイント。
綺麗な四角い区画割=素直で無理のない構造計画。
基礎の立ち上がり設計は『耐力壁の配置設計』と連動している。
耐力壁の配置設計は『間取り設計』と連動している。
様々な要点を包括的に検討しパフォーマンスを最大化できるよう考え基礎設計を行っている。
(許容応力度計算による耐震等級3。積雪1.5m)
基礎立ち上がりは一部地中梁を採用。
(上画像の十字に凹んでいる部分)
以前は地中梁ではなく「地上に凸となる梁+スラブ下端をフラット」としていたが現在は地中梁としている。
理由は
〇床下の移動をより楽にする。
〇空調循環性をより高める。
〇床下内の清掃性をより高める。
〇基礎と断熱補強の施工手間を抑える。
〇基礎立ち上がりからの熱損失を抑える。
などを叶えるため。
・基礎屋さんと協議し「フラットスラブは配筋施工がしやすい。が地上に凸になる基礎を造るより地中梁の方が型枠施工やコンクリ打設はしやすい。」と伺ったこと。
・地上に凸の基礎がない方が利便性が良いこと。
・地上に凸の基礎に対する断熱補強工事、熱損失がなくなること。
・構造計算により地中梁量を極力抑えること。
等を考慮。
家は「設計のみ」で完結するものではない。
「施工性」「コスト」「実際の暮らしの利便性」等を考慮し常にバージョンアップを行っている。
基礎の凹凸を極力抑えた床下空間。
〈配筋詳細図〉
配筋監理では図面に書かれている全ての数値を現場で確認していく。
時間、神経、体力を使うハードな作業だが鉄筋はコンクリート打設後に見えなくなる部分。
そのため配筋監理は重要で慎重に行う必要がある。
人が現場で造るものなので間違い-勘違いは起こる。
(経験豊富な会社であっても新人さんが施工している場合もある)
(是正指示ゼロの現場はほぼない)
(詳細は書きませんが今回の是正は5か所あり→修正→報告→確認)
「間違いをゼロにする」のではなく「間違いがあった場合に気付ける仕組み」が重要。
『間違いの有無を確認する仕組み(工事監理)』
そして『間違いがあった場合しっかりと是正指示が出来る第三者(設計事務所)』は建物の質を担保する大きな要点。
(工事監理だけでなく『工事監理報告書』を建主様に提出することも重要)
設計事務所の仕事『第三者による工事監理「工事監理報告書」作成。』 - 住宅設計エスネルデザイン
〈基礎立ち上がり監理〉
上端主筋、下端主筋、腹筋、立ち上がり高さ等が図面通りであることを確認。
(外周部-内部-地中梁)
主筋位置の監理。
指定のかぶり厚が確保されていることを確認する。
かぶり厚(=コンクリート被覆厚)は鉄筋の中性化=鉄筋が錆びることを防ぐために重要なもの。
定着が40d以上確保されていることを確認。(上下主筋、腹筋共)
〈スラブ(底盤)監理〉
スラブ筋、上筋-下筋の向きが図面通りであることを確認。
綺麗な構造は見ていてとても気持ちが良い♪
今回のスラブ筋は縦横とも15cmピッチ。
〇構造計算により必要十分な強度を確保。
〇ピッチが細かくなり過ぎないよう配慮(コンクリート充填施工性確保)。
〇縦横鉄筋のピッチを統一する(または種類を抑える)ことで作業性向上-間違い防止に配慮。
スペーサー高さ(スラブ下端筋高さ)が図面通りであることを確認。
〈配管スリーブ監理〉
鉄筋とのかぶり厚、補強筋の径・長さ、スリーブの位置、個数の確認。
かぶり厚が取れていない箇所は追加で鉄筋を入れてもらうよう指示を行った。
また排水、給水、エアコン冷媒管、ガス管、配線管など住宅への引き込みは基礎下からではなく『基礎立ち上がり』から行う。
理由は
〇配管周囲がシロアリの蟻道となるリスクを抑制するため。
〇配管の交換等メンテナンスを容易にするため。
特に給水管はシロアリ対策のための特別な納まりを採用している。
(詳細は下記リンクをご参照)
【構造】災害や蟻害に備えた配管計画。『耐久性や復旧を考慮した設計。』-労の少ない暮らしを- - 住宅設計エスネルデザイン
「配筋監理→是正指示→是正→確認」の完了後、内部の型枠設置へ進む。
日進産業-上山さん、いつも綺麗な施工を大変ありがとうございます^ ^
前職時にご縁を頂きこれまでのエスネルも僕の自邸も施工して頂いていること大変嬉しく思っています。
................
設計だけでは絵に描いた餅。
『設計通りに工事が行われているか』の確認が重要。
それを誰が行うのか。
工事監理は細かく手間のかかる作業です。
大変ですが長寿命で高品質の家を建てるには疎かに出来ない工程。
このようにして設計者(第三者)による工事監理は進んでいきます。
-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-
【オフショット紹介♪】................
2階リビング、ウッドデッキ玄関ポーチ、下屋屋根から夕日を眺めることを想像♪
はしゃぐ子供たち♪
息子と工事監理。
『図面やパースで見ていた我が家がだんだんと出来上がってくる過程を一緒に感じられること』に大きな幸せを感じている。
【自邸-15】『家づくりを家族で楽しむ♪』かけがえのない時間-思い出。-人生最大級のイベント- - 住宅設計エスネルデザイン